任務なのは知っていたが夜になっても連絡が繋がらないので心配して部屋まで尋ねてくる。
すると、部屋の電気も付けずにベッドの上で壁にもたれながら小さく三角座りするナマエの姿が。
咄嗟に色々な事を察して、でもこんな時に掛ければ良いであろう気の利いた言葉が何も思いつかなかったので、とりあえず、隣に腰掛けて様子を伺ってみる。

虎杖の存在に気付いたナマエが、顔も上げずに、

「…ごめん。今は…ちょっと……」

なんて震える声で話すから、居ても立っても居られず、とりあえずナマエの事を抱き締めた。

「ごめん！でも、無理して泣くの我慢して欲しくないから！」

「…！」

「俺の事はどうだって良いからさ。とにかく、思いっきり泣いてスッキリしてから、良かったら理由聞かせてよ！」

言いながら、心地良いリズムでナマエの背中を叩く虎杖。
みっともなくて、心配を掛けたくなくて、あえて黙って一人で泣いていたナマエは、虎杖の優しさに触れた事で一気に想いが溢れ出した。
同時に、抱きしめ返して来たナマエの事をしっかりと受け止めた虎杖は、彼女がもう大丈夫と言えるようになるまでずっと寄り添うのだった。