speaking
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
この世界にきて、もう三ヶ月。
季節は冬になり、オクタヴィネル寮内にも海風のクリスマスツリーが飾られた。
そう、今は12月。そろそろクリスマスだ。
私は寮から出ずにずっと英語の勉強をしていたおかげで結構出来るようになってきた。
アーシェングロットさんが指を鳴らす機会も少しずつ減りつつある。まだまだ早口や独特の訛りは聞き取れないところもあるし、文法も危ういところはあるけれども。
他の人との交流はほぼゼロだ。
リーチ兄弟という恐ろしく背の高い双子と少し話すようになったくらい。
ジェイドさんはやたらキノコを食べさせてくるし、フロイドさんは急に抱き上げてきたり、飴を口に突っ込んできたりする。気紛れなんだろうな。
キノコについては我が家が元々キノコ多め、毎日どこかにキノコがいる生活をしていたので慣れている。フロイドさんはめちゃくちゃ嫌そうな顔してたけど。
そしてホームシックが酷い。
もう日本食が食べたくて仕方ない。なめこの味噌とかジェイドさん好きだろ多分。
こちらの世界のお米と私の愛する新潟産コシヒカリはかなり違うものだから、元いた世界のように白米をかき込むわけにもいかない。嗚呼無念。
この前なんてフロイドさんが食べていたタコ焼きを見て泣き出してしまい、「え、ちょ、どしたの?!」と驚かれてしまった。分けてくれてありがとうございました。美味しかったです。
こちらの世界にある和食はあとは納豆と寿司くらいのものだから、毎日それらを食べて故郷を思い出す日々である。水道水が飲めなかったり卵かけご飯が食べられないのも不便で、どれだけ日本の衛生環境が整っていたかを思い知らされる。日本って凄いんだな。
あと、土足文化がきつい。畳が恋しい。
自室で靴を脱いで過ごしていたら、アーシェングロットさんにビビられた。こういう文化なんですと説明したけども。
娯楽コンテンツが全て英語なのも何気に堪える。日本語が恋しくてたまらない。
あとアニメの質が違う。漫画が違う。アメコミっぽいのばっかだ。
だんだん精神を病み始めた私に気づいたのか、アーシェングロットさんは積極的に元いた世界について訊いてくるようになった。
裸足でも過ごせるように私の部屋の床を大掃除してくれて、日本語を書く用のノートもくれた。
彼はどこまでイケメンなんだろうか。本当に幸せになって欲しい。
そして私は「今日は大切な商談があるので、ラウンジには来ずにお部屋にいてください」というお言葉に従って、今日は自室に篭っている。
全く運動しないのもアレかなと思ったので、アーシェングロットさんがいない隙を見計らってエイサイハラマスコイ踊りを三回ほど踊っておいた。
ちなみに先刻から、ラウンジの方で「ドカン」とか「パリン」とか、なんか物騒な音がしています。「大切な商談」にしては随分と派手ですね!
まあ私には関係ない。私は今のうちに英語を身につけて、何とか一人で生きていけるようになるのだ。多分風俗とかになるけど……。
おっと、「セコいぞ!インチキタコ野郎!」なんてお声も聞こえますね。何が起きてるんでしょう。
あー怖い怖い。でももっと怖いのは、今解いてる小テスト。
アーシェングロットさんから笑顔で渡され、「僕が教えているのですから、当然満点ですよねえ」なんて言われたらもう満点取るしかないでしょ。
これで90点とかとってたら絶対笑顔で課題が追加される。
終わった頃にトントントンとノックされ、「ミヤコさん、終わりましたか?」と入ってきたアーシェングロットさんは、何故か少し手袋が汚れている。あれ、それもしかして血ですか?
「ああ、返り血ですから大丈夫ですよ」じゃないんですよ。商談で何故流血沙汰が起こるんですか。
取り敢えず小テストを提出して無事満点を取ったことを確認し、私は何となく今日のラウンジのことは忘れることにした。
なんだか、凄く嫌な予感がしたのだ。
目の前にいるこの人が、物凄く傷つく予感が。
季節は冬になり、オクタヴィネル寮内にも海風のクリスマスツリーが飾られた。
そう、今は12月。そろそろクリスマスだ。
私は寮から出ずにずっと英語の勉強をしていたおかげで結構出来るようになってきた。
アーシェングロットさんが指を鳴らす機会も少しずつ減りつつある。まだまだ早口や独特の訛りは聞き取れないところもあるし、文法も危ういところはあるけれども。
他の人との交流はほぼゼロだ。
リーチ兄弟という恐ろしく背の高い双子と少し話すようになったくらい。
ジェイドさんはやたらキノコを食べさせてくるし、フロイドさんは急に抱き上げてきたり、飴を口に突っ込んできたりする。気紛れなんだろうな。
キノコについては我が家が元々キノコ多め、毎日どこかにキノコがいる生活をしていたので慣れている。フロイドさんはめちゃくちゃ嫌そうな顔してたけど。
そしてホームシックが酷い。
もう日本食が食べたくて仕方ない。なめこの味噌とかジェイドさん好きだろ多分。
こちらの世界のお米と私の愛する新潟産コシヒカリはかなり違うものだから、元いた世界のように白米をかき込むわけにもいかない。嗚呼無念。
この前なんてフロイドさんが食べていたタコ焼きを見て泣き出してしまい、「え、ちょ、どしたの?!」と驚かれてしまった。分けてくれてありがとうございました。美味しかったです。
こちらの世界にある和食はあとは納豆と寿司くらいのものだから、毎日それらを食べて故郷を思い出す日々である。水道水が飲めなかったり卵かけご飯が食べられないのも不便で、どれだけ日本の衛生環境が整っていたかを思い知らされる。日本って凄いんだな。
あと、土足文化がきつい。畳が恋しい。
自室で靴を脱いで過ごしていたら、アーシェングロットさんにビビられた。こういう文化なんですと説明したけども。
娯楽コンテンツが全て英語なのも何気に堪える。日本語が恋しくてたまらない。
あとアニメの質が違う。漫画が違う。アメコミっぽいのばっかだ。
だんだん精神を病み始めた私に気づいたのか、アーシェングロットさんは積極的に元いた世界について訊いてくるようになった。
裸足でも過ごせるように私の部屋の床を大掃除してくれて、日本語を書く用のノートもくれた。
彼はどこまでイケメンなんだろうか。本当に幸せになって欲しい。
そして私は「今日は大切な商談があるので、ラウンジには来ずにお部屋にいてください」というお言葉に従って、今日は自室に篭っている。
全く運動しないのもアレかなと思ったので、アーシェングロットさんがいない隙を見計らってエイサイハラマスコイ踊りを三回ほど踊っておいた。
ちなみに先刻から、ラウンジの方で「ドカン」とか「パリン」とか、なんか物騒な音がしています。「大切な商談」にしては随分と派手ですね!
まあ私には関係ない。私は今のうちに英語を身につけて、何とか一人で生きていけるようになるのだ。多分風俗とかになるけど……。
おっと、「セコいぞ!インチキタコ野郎!」なんてお声も聞こえますね。何が起きてるんでしょう。
あー怖い怖い。でももっと怖いのは、今解いてる小テスト。
アーシェングロットさんから笑顔で渡され、「僕が教えているのですから、当然満点ですよねえ」なんて言われたらもう満点取るしかないでしょ。
これで90点とかとってたら絶対笑顔で課題が追加される。
終わった頃にトントントンとノックされ、「ミヤコさん、終わりましたか?」と入ってきたアーシェングロットさんは、何故か少し手袋が汚れている。あれ、それもしかして血ですか?
「ああ、返り血ですから大丈夫ですよ」じゃないんですよ。商談で何故流血沙汰が起こるんですか。
取り敢えず小テストを提出して無事満点を取ったことを確認し、私は何となく今日のラウンジのことは忘れることにした。
なんだか、凄く嫌な予感がしたのだ。
目の前にいるこの人が、物凄く傷つく予感が。