第一章
夢小説設定
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「では私から」
と、陣内左衛門は一度咳払いをしてから自らのことを話し始めた。
「私は高坂陣内左衛門です。タソガレドキ忍軍に所属してます。私達を引き合わせてくれた山本陣内は私の上司に当たり、烏帽子親でもあります。祝言では両親が来なかったので驚かれたでしょうが、健在です。私の我儘で父のいる隊を離れたものですから、そのときから父は私のことを"養子に出したと思うから、お前もそのつもりでいろ"と。そういうわけです。決して不仲というわけではないのでご安心ください。隊を離れたのは尊敬する方の隊に入りたかったからです。間もなくしてその方は組頭になられたのですが」
華は陣内左衛門の話を真剣に聞いていた。彼が自分に向き合ってくれているのが分かり嬉しかった。
「その方とは…現組頭の雑渡様でしょうか」
華がそう返すと陣内左衛門の目に光が差したような気がした。
「はい。私が命を賭すと言ったのはこの方です。……すみません、こんなことを聞かせるべきことではないのかもしれませんが、私という者を自分で語ろうとするとどう足掻いてもこうなってしまいます」
陣内左衛門がそう言うと、華は静かに首を横に振った。
「いえ。高坂様にとって雑渡様の存在がまさに生きる道なのですね。しかしそのような大事なことを私などにお話しされても良いのでしょうか」
陣内左衛門がじっと見つめてきたので、華はドキリとして思わずまた目を伏せてしまった。
「……私は貴女の前で己を偽りたくないと思っています。華殿こそ嫌ではありませんか?夫がこのような男で。それに、仕事柄家に帰れないこともありますし、内容も告げることもできない」
「忍のお仕事については少しは理解しているつもりですので、気になさらず。ですが…」
華はぎゅっと自分の手を握り締めて下から陣内左衛門を伺い見た。
「あ、の……高坂様は、何故私との婚姻に前向きになってくださったのでしょうか…」
陣内左衛門はそれを聞き、目を開いた。そして少し間を開けてからぽつりと言った。
「それは、貴女が私の話を聞いて笑顔を見せてくれたから」
「え?」
「見合い中貴女はずっと表情なく伏し目がちでいらっしゃった。しかしほんの少しだけ見せてくれた笑顔に私は惹かれました。それから、貴女の声は私の耳に心地好い。それが理由です」
華は両手を自身の胸元に当て、ふと息を漏らした。
「……そんなこと、初めて言われました」
「そうですか」
陣内左衛門が少し笑って見せると、華は頬を赤らめたが、今度は目を伏せることはなかった。
と、陣内左衛門は一度咳払いをしてから自らのことを話し始めた。
「私は高坂陣内左衛門です。タソガレドキ忍軍に所属してます。私達を引き合わせてくれた山本陣内は私の上司に当たり、烏帽子親でもあります。祝言では両親が来なかったので驚かれたでしょうが、健在です。私の我儘で父のいる隊を離れたものですから、そのときから父は私のことを"養子に出したと思うから、お前もそのつもりでいろ"と。そういうわけです。決して不仲というわけではないのでご安心ください。隊を離れたのは尊敬する方の隊に入りたかったからです。間もなくしてその方は組頭になられたのですが」
華は陣内左衛門の話を真剣に聞いていた。彼が自分に向き合ってくれているのが分かり嬉しかった。
「その方とは…現組頭の雑渡様でしょうか」
華がそう返すと陣内左衛門の目に光が差したような気がした。
「はい。私が命を賭すと言ったのはこの方です。……すみません、こんなことを聞かせるべきことではないのかもしれませんが、私という者を自分で語ろうとするとどう足掻いてもこうなってしまいます」
陣内左衛門がそう言うと、華は静かに首を横に振った。
「いえ。高坂様にとって雑渡様の存在がまさに生きる道なのですね。しかしそのような大事なことを私などにお話しされても良いのでしょうか」
陣内左衛門がじっと見つめてきたので、華はドキリとして思わずまた目を伏せてしまった。
「……私は貴女の前で己を偽りたくないと思っています。華殿こそ嫌ではありませんか?夫がこのような男で。それに、仕事柄家に帰れないこともありますし、内容も告げることもできない」
「忍のお仕事については少しは理解しているつもりですので、気になさらず。ですが…」
華はぎゅっと自分の手を握り締めて下から陣内左衛門を伺い見た。
「あ、の……高坂様は、何故私との婚姻に前向きになってくださったのでしょうか…」
陣内左衛門はそれを聞き、目を開いた。そして少し間を開けてからぽつりと言った。
「それは、貴女が私の話を聞いて笑顔を見せてくれたから」
「え?」
「見合い中貴女はずっと表情なく伏し目がちでいらっしゃった。しかしほんの少しだけ見せてくれた笑顔に私は惹かれました。それから、貴女の声は私の耳に心地好い。それが理由です」
華は両手を自身の胸元に当て、ふと息を漏らした。
「……そんなこと、初めて言われました」
「そうですか」
陣内左衛門が少し笑って見せると、華は頬を赤らめたが、今度は目を伏せることはなかった。