第一章
夢小説設定
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陣内左衛門と華の祝言はしめやかに執り行われた。
ただそこに陣内左衛門の親がなく、その席には代わりに山本家の夫婦が座っていた。この一点を除いては特に問題もなく、祝言を終えたふたりは初夜を迎えたのだった。
山本家のすぐ隣に用意された家に入り、布団をふたつ並べて向かい合う。
華はこれからすべきことを思うと不安と緊張のあまり顔を上げられなかった。陣内左衛門も一向に手を出してこない。
ふたりの間にかなり長い間沈黙が続いた。
陣内左衛門は陣内左衛門でどうして良いのか分からず困惑していたのだった。
彼には華と違い経験があるものの、女と寝るときはいつもそれなりの雰囲気があり、その流れで事に及んでいた。このように改まった状態は不慣れであり、雰囲気の持って行き方が分からなかったのだ。おまけに相手は初な女で、ひどく緊張しているのか顔も上げてくれない。もしかしたら嫌がられているのかもしれないという不安もあった。
どう声をかけたものかと思っていると、華が身体を震わせながら口を開いた。
「あっ、あの……ふ、不束者でございますが高坂様のお役に立てるよう努めますので…」
陣内左衛門は華を獣に怯えている兎のように思えた。この結婚に対して彼女は前向きではなかったのかもしれない。となると無理強いはできない。
「華殿。前にも言いましたが、私は妻となる方を大切にしたいと思っています。貴女が嫌がることはしないと誓うので、まずは顔を上げてはもらえませんか?」
それを聞いて華は静かに顔を上げた。顔を見せてくれたことに安堵し、再び話しをする。
「華殿は私が怖いでしょうか」
「いえっ、そんな」
「正直に言っていただいて構いません。私は体格もありますし、目付きもあまり良くなくて、後輩にも怖がられている自覚があります」
「あ、いえ。本当に怖くありません。ただ、その…私が粗相をしてしまわぬか心配で………」
陣内左衛門は目を丸くした。
確かに落ち着いて彼女の表情を見てみれば、自分に対して恐れを抱いているわけではなさそうだった。
「情事に粗相などと…そんなこと女の貴女が気にすることではないでしょう?」
そう言ってから、陣内左衛門はハッとして小さく「すみません、今のはナシで…」と呟いた。
「実を言うと私も緊張しているのです。なので、今宵は話をしませんか?見合いから結婚が早かったので、まだ互いに知らないことが多いでしょう?」
続けてそう言うと、華はホッとしたように表情を緩めた。
「はい、是非…」
震えの止まったその声を聞き、陣内左衛門はやはり彼女の声は美しく心地好いと思った。
ただそこに陣内左衛門の親がなく、その席には代わりに山本家の夫婦が座っていた。この一点を除いては特に問題もなく、祝言を終えたふたりは初夜を迎えたのだった。
山本家のすぐ隣に用意された家に入り、布団をふたつ並べて向かい合う。
華はこれからすべきことを思うと不安と緊張のあまり顔を上げられなかった。陣内左衛門も一向に手を出してこない。
ふたりの間にかなり長い間沈黙が続いた。
陣内左衛門は陣内左衛門でどうして良いのか分からず困惑していたのだった。
彼には華と違い経験があるものの、女と寝るときはいつもそれなりの雰囲気があり、その流れで事に及んでいた。このように改まった状態は不慣れであり、雰囲気の持って行き方が分からなかったのだ。おまけに相手は初な女で、ひどく緊張しているのか顔も上げてくれない。もしかしたら嫌がられているのかもしれないという不安もあった。
どう声をかけたものかと思っていると、華が身体を震わせながら口を開いた。
「あっ、あの……ふ、不束者でございますが高坂様のお役に立てるよう努めますので…」
陣内左衛門は華を獣に怯えている兎のように思えた。この結婚に対して彼女は前向きではなかったのかもしれない。となると無理強いはできない。
「華殿。前にも言いましたが、私は妻となる方を大切にしたいと思っています。貴女が嫌がることはしないと誓うので、まずは顔を上げてはもらえませんか?」
それを聞いて華は静かに顔を上げた。顔を見せてくれたことに安堵し、再び話しをする。
「華殿は私が怖いでしょうか」
「いえっ、そんな」
「正直に言っていただいて構いません。私は体格もありますし、目付きもあまり良くなくて、後輩にも怖がられている自覚があります」
「あ、いえ。本当に怖くありません。ただ、その…私が粗相をしてしまわぬか心配で………」
陣内左衛門は目を丸くした。
確かに落ち着いて彼女の表情を見てみれば、自分に対して恐れを抱いているわけではなさそうだった。
「情事に粗相などと…そんなこと女の貴女が気にすることではないでしょう?」
そう言ってから、陣内左衛門はハッとして小さく「すみません、今のはナシで…」と呟いた。
「実を言うと私も緊張しているのです。なので、今宵は話をしませんか?見合いから結婚が早かったので、まだ互いに知らないことが多いでしょう?」
続けてそう言うと、華はホッとしたように表情を緩めた。
「はい、是非…」
震えの止まったその声を聞き、陣内左衛門はやはり彼女の声は美しく心地好いと思った。