第四章(利吉ルート)初恋 <完結>
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何度か達すると身体は落ち着き、茶々子は気を失うように眠った。
利吉は彼女を布団に寝かせ、一度部屋を出ると、宿屋の女中に声をかけ話をした。女は頷いて素早く去っていく。
それを見送ってから部屋に戻り、茶々子の寝顔を少し離れた所から見た。
大仕事だった……
手に残る茶々子の肌の感触を思い出しては熱いものが込み上げてくる。
好きになった女の、あのような姿を見てその気にならない男がいるだろうか。
何度己の熱をぶつけてしまいたいと思ったことか。
しかし彼女は媚薬を盛られて欲情していたのであって、自ら望んでいたわけではない。それに、初めてであろうことは分かっていたし、男に襲われた恐怖もあった中で手を出してしまうのは違う気がした。
ふ、と茶々子の瞼が揺れて彼女の目がゆっくりと開く。ぼんやりとした瞳に利吉が映ると、茶々子はがばっと勢い良く起き上がった。
「おはようございます」
利吉が声をかけると、茶々子はかぁっと顔を赤くして小さな声で「おはようございます」と答えた。
「気分はどうですか?」
「あ、はい。大丈夫そうです…あの……」
茶々子は口ごもったが、ぴっと姿勢を正して利吉の正面に向き直り、頭を下げた。
「約束を破ったあげく、はしたない姿を見せてしまってすみませんでした」
「いや、仕方のないことですよ。取り返しのつかないことにならなくて良かった」
そう言うと、茶々子が顔を上げじっと見つめてくる。
少し悲しいような寂しいような、そんな目をしていた。
「……あの人は私の幼なじみなんです。昔から軽口を叩く仲でして、彼があんな風に思っていたのを私は知りませんでした。あれほど近くにいたのに……鈍感な私のせいできっと傷付けてしまっていたのでしょうね」
「それは優しすぎますよ。だからといってあんな無体を働いて良いわけがないでしょう。茶々子さんが気に病むことは何一つありません」
男を庇うようなことを言う茶々子に、利吉はハッキリと答えた。
「はい。彼を許すつもりはありませんが……彼も、もう私には関わって来ないかと思います。元々望みのない物は追わない人ですから。それで……あの、利吉さん」
「なんでしょう」
「……助けにきてくださって嬉しかったです。その……冷静に対処してくださったことも、ありがとうございました」
茶々子は先程のことを思い出してか、気まずそうに目を伏せた。
「はは、茶々子さんには冷静に見えていましたか」
利吉は自嘲気味に笑うと茶々子の傍に寄った。