第一章 出逢う
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「ここが用具倉庫です。授業で使う武器類、備品などがあります。管理は主に用具委員会が行っており、私はその顧問です」
案内された茶々子は目を輝かせた。
「わ、見たことないものがたくさんありますね。けっこう使い込んでそうなものもあるけど、きちんと手入れされてる」
「用具委員会が補修を頑張ってくれているんです。特に委員長は手先が器用で……」
「あれ、吉野先生」
茶々子も振り向くと用具倉庫の入り口に深緑の忍装束を着た男と目が合った。
「あ、そちらは……」
「そうそう、彼が先ほど話した用具委員会委員長の食満留三郎くんです」
紹介された留三郎は「どうも」と頭を下げた。
「あ、私は臨時事務員としてお世話になります、茶々子です」
茶々子も頭を下げると留三郎は爽やかな笑顔を見せた。
「あぁ、小松田さんの代わりに来たという方ですね。よろしくお願いします」
留三郎が手を出して来たので、茶々子は手を取って握手をした。
「よろしくお願いします。先ほど、とても手先が器用な方だと聞きました。機会があれば、補修作業とか見学させてください」
茶々子が目を合わせて微笑むと、留三郎は首を横に振った。
「いやいや、見せるほどのものでもないですよ。えっと、では俺は壊れた屋根の補修があるので」
留三郎は挨拶を終え補修道具を持つとばたばたと出ていった。
「行っちゃいました……」
「あー……貴女は素であぁなのですねぇ」
少しあきれたような困ったような顔を向けられ、茶々子は戸惑うのだった。
*****
用具倉庫を足早に出た留三郎は心臓を高鳴らせていた。
なんだあの臨時事務員は。
茶々子に向けられた笑顔を思い出して、にやけそうな口を手で覆った。
可愛すぎる。
びっくりした。小松田さんの代わり?ということは歳は自分と近いのだろうか。いつまでいるのだろう。補修作業が見たいと言っていたが、どうしてそんなものに興味があるのだろう。
そういえば、手を握ったが年頃の娘にしては荒れていた。指先が硬く爪先が少し黒ずんでいて水仕事というわけではなはそうだが……なんかの職人?
やっぱりもう少し話をしてみるのだった。
留三郎は慌てて用具倉庫を出てきてしまったことを後悔したが、とりあえずあの可愛さを誰かに話したくて堪らなくなった。