第三章 選択する
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「茶々子さんが怒るのを初めて見ました」
半助が愉快そうに笑って茶々子を見た。
「先生、何で楽しそうなんですか」
「意外な一面が見られて嬉しいです。まさか貴女の口から"クソ兄貴"だなんて……ふ、ふふっ」
思わず口にした言葉をしっかりと聞かれていようとは思わなかった茶々子は恥ずかしさが込み上げてきた。
「わ、忘れてください……」
「ははっ、忘れませんよ。ところで茶々子さん、"婿探し"というのは?聞かせていただけますよね」
にこにこと迫ってくる半助はなんだか意地悪な顔をしている。この人の教師の一面以外で見えたのは今のところ"意地が悪い"だ、と茶々子は思った。
ともあれ兄とのやり取りを聞かれて、誤魔化すのも変だし、きっとすぐにバレてしまう。それに、学園長も承知のことだ。
茶々子は観念して事情を話すことにした。
学園に来ることになった経緯を一通り話すと、半助は顎に手を当てながら言った。
「なるほど。そういうことでしたか。でしたら私にひとつ提案があります」
「なんでしょう?」
茶々子が首を捻ると半助はにこと笑った。
「その前にひとつ確認です。茶々子さんは結婚する気はあるんですよね」
「はい」
「では、私はどうでしょうか」
「……えっ!!」
突然の思いもよらぬ提案に茶々子は目を丸くした。
「私は独り身ですし、継ぐ家もありません。あぁ、でも仕事を辞めるわけにはいきませんので……今時珍しくはありますが通い婚という形であれば可能かと」
「え、あ……土井先生と結婚!?いや、待ってください!私、まだ先生のことよく分かっていないというか……」
慌てていると、半助に両肩を叩かれた。
「では、恋人のフリをするのはどうでしょう」
「はい……?」
「まぁ、私も事情があって今すぐ結婚というのは難しいですし、茶々子さんもそんなにすぐ気持ちを固められるものでもないでしょう?なのでひとまずは恋人のフリでもして間を持たせて、茶々子さんの気持ちが固まれば結婚するでも良し、別れて見合いをするでも良し、というのはいかがですか?」
それは学園に行くことが決まった当初自分が思いついた話だったので、悪い話ではないように思える。しかし半助から提案されるのは複雑な気分だっだ。
それに結婚についてはようやく腹を括ったところだったのに、先延ばしにしてしまうのはどうなんだろう。
「う……えっと……………あ、でもそれ、先生に利はあるのでしょうか」
「もちろん。偽りだとしても茶々子さんの恋人になれるのであれば喜ぶ人は多いのでは?それに、私に振り向いてくれる可能性もあるわけで」
それを聞いて茶々子は顔を固くした。
どこまで本気なのだろう。
「茶々子さんが思っている以上に、私は貴女に本気ですよ。それは、分かっていだきたいなぁ...」
「……少し、考えさせてください……」
「はい、では数日待ちますね。色好い返事をお待ちしてますよ」
そう言って半助は教室へと戻っていった。
(第四章土井ルートへ続く)