第一章 出逢う
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「たのもー!!」
聞き覚えのある声に恐る恐る戸を開けると、やはり想像した人物であった。
「おっ、茶々子ではないか!なんで忍術学園にいるんだ?」
「花房殿……」
この自称剣豪の花房牧之介には、昔、刀の研ぎを依頼されたことがあった。金がないということだったので当時見習い中の茶々子の練習で良ければと一度だけ引き受けたのだった。それ以来、ちょくちょく来ては迷惑をかけてくる厄介者だ。
「実家を追い出されたのか?だったら私の嫁になれば良い!本当はあの家の婿になろうと思ったいたのだが……」
普段愛想の良い茶々子もさすがに苦笑いした。
「ご冗談を。あなたが婿に来たら家が没落します」
「うげげっ、花房牧之介!」
別の声がして振り向くと、きり丸が来ていた。
「茶々子さん、牧之介はダメです。追い返しましょう」
「おぉ、親友じゃないか!追い返すなんて言うなよ」
きり丸の反応を見るに、"親友"というのは牧之介が勝手に言っているだけだろうと想像がつく。
「花房殿、一応聞きますが、何しにいらしたんです?」
「宿命のライバル、戸部新左衛門に勝負を挑みに来たのだ!」
茶々子がその名にぴくりと反応する。
「戸部先生なら今日は…」ときり丸が言いかけたところで茶々子が冷たく牧之介を見て再び口を開いた。
「花房殿、お帰りください。素人の私から見てもあなたが戸部先生に敵うとは思えません」
「なんだとー!そんなの分からぬではないか!」
「ではお腰の刀を抜いてください」
「ぬ……」
「竹光でしょう、それ。刀を手放すなど、剣豪を自称する方が聞いて呆れます。まずは自らの刀を取り戻すことからなさってください」
「そ、それができぬから困っているのではないかー」
「言い訳無用。早くお帰りください。そんなことではどんな名刀でも何も斬れやしません」
茶々子はぐいぐいと牧之介を押して戸を閉める。
牧之介はまだ何か言っていたが、茶々子に言われたことが多少堪えたのか立ち去る気配がした。
「茶々子さん、すげー。牧之介追い返しちゃった」
茶々子の勢いに驚いたきり丸がしみじみと言った。
「えっ、あ、ごめん。驚いたよね」
「いや、かっこよかったです!でも戸部先生なら今日外出中でいないのに」
「あ、そうか。そう言えば良かった。ついむきになっちゃって」
「茶々子さんって、牧之介も戸部先生のことよく知ってるんすね」
「うん。花房殿の刀は一度私が研いだことがあるの。戸部先生は昔からの祖父のお客様。あの方の刀を見たら戸部先生がどんなにすごい使い手なのか分かる」
「へー、そうなんすか」
「まぁ……花房殿は悪人ではないと思うんだけど、ちょっと厄介な方なんだよね……」
「ちょっとどころじゃないっすよ」
「確かに」
きり丸と茶々子は顔を見合わせて笑った。
