【過去編】夢の通い路
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※殺人描写があります。そんなグロ表現はないと思いますが、一応ご注意を。
疲れた……
走って走って走って……
少しばかりの食料を買うにも寝床を借りるにも、法外の金を要求されるか、一夜の相手を要求されるかだった。
一座の皆がいないと、私ひとりの腕だけでは芸も買ってもらえない。不甲斐なさに涙が出そうだった。このまま身を切り売りして生きていくしかないのだろうか。
もう、嫌だ。
今までは姐さんたちがいるから耐えられた。
父を探すため、こなもんさんに見つけてもらうためと耐えた。
でも今は……
いやらしく伸びてくる手に、視線に吐き気がした。もう搾取されるのは嫌だ。
ふらふらと歩いていると、気がつけばどこかの林に入っていた。
息のない兵が転がっている。
もう驚きもしなかった。また近くで戦があったのだ。
それにしても、ここはどこだろう。
私が父と住んでいたあの家はどこだっただろうか。
「おい、女だ!女がいるぞ!」
声がして振り向くと、男が三人。見るからに敗走兵だ。負け戦で命からがら逃げてきたという感じか。しかしガラが悪そうな三人だ。
「……こいつは、なかなかの美人だぞ」
「売り飛ばすか。それなりの金になるか?」
「その前に俺達で検分しようじゃないか」
あぁ、またか。
女は戦に出ずともこうして男に奪われる。
それならば……
「なんだ、ねえちゃん、木刀?護身用か?まあこんなご時世だからねえ」
脅しのつもりか男は刀を抜いてにじり寄って来る。
「大人しくしていれば命の危険は……な、いっ!!」
伸ばして来た手を木刀で打った。
木刀を離して落ちた男の刀を拾い上げて構える。本物の刀を振るうのは初めてだが躊躇いはない。
父上……
もうこの世におられないのであれば
私をお連れくださらないならば
父上の名を頂戴してよろしいですか
今日より志乃は荘助になります
父のように剣を振るい、男として生きていきます
「お前、男か!?」
「このやろうっ」
襲いかかってくる男共を斬った。
生温い血を浴びながら、男共が倒れる音を聞いた。
呆気ない。
父上に教わった剣で、あの人と稽古を重ねた技で、初めて人を殺めてしまった。
男の最期の声が、生臭さが身体を纏って離れない。
目眩がして、胃の腑から込み上げるものが抑えきれず、吐いた。
それから視界が揺れて赤から黒に変わったと思った。
地面に体を打ち付け、痛みが走った。
複数の人の声が聞こえた。
しかし、もう動けない。
気を失うなら、良い夢を見せて欲しい。
どうかあの人に会わせて……
あぁ、そうだ。
父の名を名乗っていれば、会えるかもしれない。
そこで私の思考は途切れてしまった。
疲れた……
走って走って走って……
少しばかりの食料を買うにも寝床を借りるにも、法外の金を要求されるか、一夜の相手を要求されるかだった。
一座の皆がいないと、私ひとりの腕だけでは芸も買ってもらえない。不甲斐なさに涙が出そうだった。このまま身を切り売りして生きていくしかないのだろうか。
もう、嫌だ。
今までは姐さんたちがいるから耐えられた。
父を探すため、こなもんさんに見つけてもらうためと耐えた。
でも今は……
いやらしく伸びてくる手に、視線に吐き気がした。もう搾取されるのは嫌だ。
ふらふらと歩いていると、気がつけばどこかの林に入っていた。
息のない兵が転がっている。
もう驚きもしなかった。また近くで戦があったのだ。
それにしても、ここはどこだろう。
私が父と住んでいたあの家はどこだっただろうか。
「おい、女だ!女がいるぞ!」
声がして振り向くと、男が三人。見るからに敗走兵だ。負け戦で命からがら逃げてきたという感じか。しかしガラが悪そうな三人だ。
「……こいつは、なかなかの美人だぞ」
「売り飛ばすか。それなりの金になるか?」
「その前に俺達で検分しようじゃないか」
あぁ、またか。
女は戦に出ずともこうして男に奪われる。
それならば……
「なんだ、ねえちゃん、木刀?護身用か?まあこんなご時世だからねえ」
脅しのつもりか男は刀を抜いてにじり寄って来る。
「大人しくしていれば命の危険は……な、いっ!!」
伸ばして来た手を木刀で打った。
木刀を離して落ちた男の刀を拾い上げて構える。本物の刀を振るうのは初めてだが躊躇いはない。
父上……
もうこの世におられないのであれば
私をお連れくださらないならば
父上の名を頂戴してよろしいですか
今日より志乃は荘助になります
父のように剣を振るい、男として生きていきます
「お前、男か!?」
「このやろうっ」
襲いかかってくる男共を斬った。
生温い血を浴びながら、男共が倒れる音を聞いた。
呆気ない。
父上に教わった剣で、あの人と稽古を重ねた技で、初めて人を殺めてしまった。
男の最期の声が、生臭さが身体を纏って離れない。
目眩がして、胃の腑から込み上げるものが抑えきれず、吐いた。
それから視界が揺れて赤から黒に変わったと思った。
地面に体を打ち付け、痛みが走った。
複数の人の声が聞こえた。
しかし、もう動けない。
気を失うなら、良い夢を見せて欲しい。
どうかあの人に会わせて……
あぁ、そうだ。
父の名を名乗っていれば、会えるかもしれない。
そこで私の思考は途切れてしまった。
