【過去編】夢の通い路
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タソガレドキ城と梅の香城は以前から付かず離れずの間柄であったが、ついに同盟がなった。
梅の香先代は領土拡大に意欲的であり、時に敵対することもあったが利害が一致すれば協力する場面も多々あった。
しかし現梅の香城主は守りに徹しており、戦をすることはほとんどない。それもかなりの手腕で城を守っている。戦上手の我が殿も梅の香を攻め落とすのは難しいと手を出せずにいたところ、梅の香から同盟の話が出たのだ。
「雑渡、お主この同盟をどう思う?」
殿が頬杖をつき眉間に皺を寄せて問う。
「良いのではないでしょうか。こちらも攻めあぐねていたことですし、背後を取られる心配もなく他の戦に専念できるのはありがたいことかと」
「あの城主、どうもつかみ所がなくやりづらい。お主のようにな」
殿が扇子を畳んで突きつけてくる。
「忍にとってそれは褒め言葉ですね。ま、あの城主は先代とは随分違うようなので付き合い方には注意しましょう。それより私は梅の香の忍者衆の方に気になることが」
「ほう?」
「付け入る隙は十分にあるかと存じますので、報告をお待ちください」
*****
「陣内は梅の香の忍をどう思う?」
殿と話をした後、陣内を呼び出して問う。
「はっ。よくまとまってはいますが……現城主の反乱分子がいるように思いますね」
「さっすが陣内。よく見てるよね」
「……どうも組頭の言葉を代弁させられている気がするのですが……貴方は何か掴んでいるのでしょう?以前梅の香によく出入りしてましたよね」
「んー、以前っていつのこと?」
「さあ、いつでしょう」
「ま、それは置いといて……幹部に成り上がった"影丸"、その周辺を黒鷲隊に探らせておいて」
「承知」
"影丸"は恐らく荘助殿とは別人だ。
数年大人しくしているのは信頼を築くためか。今はまだ抑えているが、期を見て事を起こすつもりだろう。
そうすればタソガレドキが入り込める余地がある。混乱に乗じて梅の香に攻め入るも良いが、荘助殿がえらく買っていた現城主を簡単に取れるとは思えない。"影丸"を取るのが先決だ。
陣内を部屋から出した後、目を閉じて故人を想った。
荘助殿、貴方と奥方の仇は私が取るがよろしいか。場合によっては梅の香を潰すことになろうとも。娘の命を奪われるよりは良いでしょう?
志乃は恐らくだが生きている。
九年前に志乃らしき子どもが旅の一座と共に山を降りたのを見たという元タソガレドキくのいちの老婆がいた。東国へ向かったというところからその後行方が分からないので保証はないが、それでも志乃がどこかで生きている、必ず見つけ出すと心に誓うことでいくらか救われた。忍としてこの思考は失格だと思いながらも、我が城の忍務に影響がなければ良いだろうと割りきった。
