第三章
夢小説設定
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「は、終わったな」
"影丸"は武器を捨て両手を上げる。
昆奈門は"影丸"を縛り上げた後、梅の香の忍に引き渡した。
「荘助、お前との手合わせは楽しかったぞ。男であれば、父をも越える器だろうな。いや、女の身であっても……か。結局遊ばれていたのは俺の方だったやもしれん。その才、存分に活かせよ」
"影丸"はそう言って目を伏せると、梅の香の忍が昆奈門に軽く頭を下げどこかへ連れていった。
荘助は表情も変えずに仇が見えなくなるまで目だけその姿を追っていた。傷の痛みに耐えているでもなく、決着が付いたことに安堵しているわけでもなく、ただ父の仮面を被った父の仇の哀れんでいるようだった。
「荘助っ!!」
伊作が荘助の手当てをしていると、兵助がかけつけ、彼女を抱き締める。
兵助は彼女の鼓動が伝わってくるのを確認しているようだった。
「はーっ、良かった。生きてる…」
「うん……」
「兵助、荘助生きてるけど、そこそこ重傷だから、ほどほどにね」
伊作がくぎを刺すと、
「兵助ー何やってるんだよ、もう!」
と後ろから三郎が兵助を荘助から引き離す。兵助の頬にはほんのり朱がさしていた。
そのあとも、忍術学園の生徒たちが荘助の元にかけつけては話しかける。
それを見た陣内左衛門は荘助の傍からそっと離れ、昆奈門の元へと移動して言った。
「なんか、不思議なやつですね。荘助というのは。武術だけでなく人心掌握の才があるのでしょうか」
「そうねぇ。その点は、あの子の伯父上(梅の香城主)に似たのかなぁ。決して愛想の良い方でもないのだが……」
昆奈門はにこやかに彼らを見守った。
「ねえ陣左、今回なんだかんだ忍たまに助けられたな」
「はい」
「礼を言いに行こうか」
昆奈門が動くと、来ていたタソガレドキ忍者がそれに続いた。
「やぁ、忍たま諸君。今回は君たちにかなり助けられた。協力感謝する」
昆奈門が頭を下げると、他のタソガレドキ忍者もそれに倣った。
あまりない光景に、忍たまたちも、それを見ていた梅の香城の忍たちも目を見張った。
「礼はこちらが申すべきこと。タソガレドキ忍隊、忍術学園のたまごたち、梅の香を救ってくれたこと、心より感謝申し上げる。この後諸々の処理があるゆえ我が主より後日改めて礼をするとのこと」
梅の香の忍たちもまた、丁寧に頭を下げた。
「さてと、我々は退散しようか。伊作くん、応急処置ありがとう」
「まて曲者っ!今度こそ勝負しろっ!!」
文次郎と留三郎が飛びかかってくるのを、昆奈門は指先で小突き、いとも簡単に止める。
「はいはい、余所の城で暴れないの。さて、荘助くんはまたうちで預かるよ。ある程度回復するまで責任持って面倒をみるから」
昆奈門は自ら荘助をだき抱えると、部下を引き連れ瞬く間に梅の香城を後にした。