第三章
夢小説設定
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梅の香城忍者隊幹部の影丸と呼ばれている男は大きな溜め息をついた。
せっかく城主の双子の弟であり影役の男に成り代わり、これまで周囲の信頼を得るため尽くしてきたというのに、ドクタケ忍者のせいで回り道をしてしまった。
夏、内密にドクタケを領地内に招き入れたが、日を間違え姫略奪の機会を見逃したかと思えば、何を勘違いしたか城から出てきたアルバイトの女を拐うという大失態をやらかしたのだ。
まったくもって使えない。
このせいで梅の香城内の警戒も強まり、再びドクタケを招き入れるわけにはいかない為、自ら姫を捕らえドクタケに引き渡すことにした。
面倒だが、この方が成功率は高い。
そしてドクタケと戦を起こさせ、混乱に乗じ、側近共を始末して今度は城主に成り代わる。
こちらを時折うかがってくるタソガレドキがいるが、今は同盟があるため攻め込んで来ることはないだろうとふんだ。
現梅の香城主は守りに徹している。領地を広げようという意志はなく、自分から攻めいることはまずない。
幸い、梅の香の攻めにくい地形と肥沃な大地、外交あって攻め落とされることにはなっていないのだが、この戦国の世に平和路線とは馬鹿げている。そんなことでこの時代生き残れるか。
この点、戦好きと言われる黄昏甚兵衛の方がはるかに理解できる。
今日は、姫が気に入っているという忍術学園の生徒ふたりが来て、城主らに歓待を受けている。このドクタケとの緊張状態にあっても、普段過保護な癖に妙なところで娘を甘やかす梅の香城主がさらに気にくわなかった。
忍術学園のふたりが帰った夜、さっそく姫をかっ拐い、ドクタケに引き渡す。生徒のうちのひとりは姫の想い人だとの噂もあり、さぞ姫は今宵ご機嫌であろう。親子共々、天上から地に落とされる心地を早く味合わせたいと思った。
*****
「上手く行きました…」
無事に梅の香領地を出て、仙蔵はひとまず安堵した。
「それにしても、よくこんな高下駄で歩けましたね」
姫と荘助は顔立ちが似ているとはいえ、荘助は上背があるので、姫は下駄で背を高増ししたのだ。
「練習しました。私が足を引っ張るわけにはいきませんもの」
大真面目に答える姫を見て、仙蔵は思わず笑ってしまった。
「ははっ、貴女は荘助と顔も似てるが、やけに真面目なところも似ていますね」
「あら、そうでしたの。やはり従姉妹だと性格も似るのかしら」
姫の口からさらりと告げられた事実に、仙蔵は面食らって言葉が出なかった。