第二章
夢小説設定
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武闘大会当日。
三郎と荘助の試合が始まろうとしていた。
他にも何組か試合があるが、謎多き新人荘助と武芸の腕は六年をも凌ぐといわれる三郎の闘いは興味深いらしく、観客が多くいた。
さて、本気でやると約束したもののどう出るか…
少し離れた位置で三郎は荘助の表情を見やるが、やはりなんの感情も読み取れない。何を考えているのか、三郎を見ているようでどこも見ていないようだった。
荘助が一度目を閉じ、教師の「始め!」合図で目を開けた。三郎を真っ直ぐに射貫くような目で捕らえたかと思うと、すばやく向かってきた。
いつの間に抜いたのか、荘助の手には刀があり斬りかかってくる。速い。
使われる武器の類いはもちろん試合用なので、研がれてはいないがそれなりに斬れる。
三郎は一瞬ヒヤリとしたがなんなくかわし、同じように刀を抜いた。
*****
「あの天才がなかなか仕留めきれない」
試合開始からけっこうな時間が経ち、周囲がざわつき始めた。
三郎は決して手を抜いているわけではなかった。うまく間合いに入ることができない。先程から武器を変え、距離を変え、隙を狙うが上手く対応してくる。
一方で荘助はずっと刀一本。
さらには荘助は死角に入るのが上手く、三郎は決してもらいはしないがかわすのもそれなりに苦労するのだ。
三郎は意を決し、鏢刀を取り出した。
*****
「止めっ!」
最後は刀を振り下ろす寸前の荘助の首元に三郎のクナイが突きつけられる形で終わった。
教師の合図で互いに離れて武器を納める。
ふたりとも肩で息をしていた。
「荘助、お前忍というより武士だな。最後まで刀一本かよ」
「これが一番得意なんだ」
「うん、わかる。お前の性格そのものだ」
「はは、三郎、ありがとう。私、本当に死ぬかと思った」
荘助は先程とはうって変わった柔らかい笑顔を三郎にみせた。
「そういう約束だからな」
「三郎、ごめん」
「いや……あれはどう考えても私が悪い」
「今の私は、こうしないと生きられないんだ」
「……わかった」
しばらく三郎の目をじっと見てから、荘助は「ありがとう」と言って踵を返した。
↓↓↓おまけ
[三郎の気持ち]
ーーーーーーーー
荘助の姿が見えなくなってから、三郎は端で腰を下ろした。
先程の試合を振り返る。
恨みも怒りもなく、敬意すら感じるただ真っ直ぐに自分を捕らえる目。他には何も映さずに、あの場であの目に映るのは自分だけだった。
あの場でぶつけられたものは、間違いなく本物だけだった。
それが、たまらなく嬉しいと感じてしまった。
「こうしないと生きられない」というのは、「今は、男として生きるしかない」という意味であろうことは想像がつくが、荘助の過去がどうあれ、私は…………
「三郎、おつかれー!試合すごかったね!」
雷蔵がいつもの優しい笑顔でし近づいてきた。
「らいぞー、私……」
「どした?」
「もう、完全に惚れたよ」
三郎は表情が見えないように手で顔全体を覆った。
「……さっきの試合で?」
三郎はこくこくと頷く。
雷蔵は先程の試合での荘助を思い出した。
三郎を刺すようなあの強い目……
あれで惚れたとは……
「三郎、君やっぱり変態だな」
「え?」
ーーーーーーーー
三郎と荘助の試合が始まろうとしていた。
他にも何組か試合があるが、謎多き新人荘助と武芸の腕は六年をも凌ぐといわれる三郎の闘いは興味深いらしく、観客が多くいた。
さて、本気でやると約束したもののどう出るか…
少し離れた位置で三郎は荘助の表情を見やるが、やはりなんの感情も読み取れない。何を考えているのか、三郎を見ているようでどこも見ていないようだった。
荘助が一度目を閉じ、教師の「始め!」合図で目を開けた。三郎を真っ直ぐに射貫くような目で捕らえたかと思うと、すばやく向かってきた。
いつの間に抜いたのか、荘助の手には刀があり斬りかかってくる。速い。
使われる武器の類いはもちろん試合用なので、研がれてはいないがそれなりに斬れる。
三郎は一瞬ヒヤリとしたがなんなくかわし、同じように刀を抜いた。
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「あの天才がなかなか仕留めきれない」
試合開始からけっこうな時間が経ち、周囲がざわつき始めた。
三郎は決して手を抜いているわけではなかった。うまく間合いに入ることができない。先程から武器を変え、距離を変え、隙を狙うが上手く対応してくる。
一方で荘助はずっと刀一本。
さらには荘助は死角に入るのが上手く、三郎は決してもらいはしないがかわすのもそれなりに苦労するのだ。
三郎は意を決し、鏢刀を取り出した。
*****
「止めっ!」
最後は刀を振り下ろす寸前の荘助の首元に三郎のクナイが突きつけられる形で終わった。
教師の合図で互いに離れて武器を納める。
ふたりとも肩で息をしていた。
「荘助、お前忍というより武士だな。最後まで刀一本かよ」
「これが一番得意なんだ」
「うん、わかる。お前の性格そのものだ」
「はは、三郎、ありがとう。私、本当に死ぬかと思った」
荘助は先程とはうって変わった柔らかい笑顔を三郎にみせた。
「そういう約束だからな」
「三郎、ごめん」
「いや……あれはどう考えても私が悪い」
「今の私は、こうしないと生きられないんだ」
「……わかった」
しばらく三郎の目をじっと見てから、荘助は「ありがとう」と言って踵を返した。
↓↓↓おまけ
[三郎の気持ち]
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荘助の姿が見えなくなってから、三郎は端で腰を下ろした。
先程の試合を振り返る。
恨みも怒りもなく、敬意すら感じるただ真っ直ぐに自分を捕らえる目。他には何も映さずに、あの場であの目に映るのは自分だけだった。
あの場でぶつけられたものは、間違いなく本物だけだった。
それが、たまらなく嬉しいと感じてしまった。
「こうしないと生きられない」というのは、「今は、男として生きるしかない」という意味であろうことは想像がつくが、荘助の過去がどうあれ、私は…………
「三郎、おつかれー!試合すごかったね!」
雷蔵がいつもの優しい笑顔でし近づいてきた。
「らいぞー、私……」
「どした?」
「もう、完全に惚れたよ」
三郎は表情が見えないように手で顔全体を覆った。
「……さっきの試合で?」
三郎はこくこくと頷く。
雷蔵は先程の試合での荘助を思い出した。
三郎を刺すようなあの強い目……
あれで惚れたとは……
「三郎、君やっぱり変態だな」
「え?」
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