第二章
夢小説設定
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太鼓や笛の音が聞こえ祭の気配が近づいてきたとき、梅の香姫は静かに口を開いた。
「……私は、立花様がいらしてくれると思っていました」
荘助はやはり、と思ってはいたが黙って聞いていた。
「立花様には、以前何度か護衛に来ていただいていたのです。危ないところを助けていただいたこともありました」
そう話す彼女はもう完全に恋する乙女だ。
「もっとお近づきになりたかったのですが……かえって遠ざかってしまいました。きっと、私の気持ちが迷惑だったのでしょうね」
仙蔵の立場を思えば、護衛の忍という身分で一城の姫様とどうにかなるわけはいかないだろう。姫の好意がこんなにもあからさまなことを考えると、今回の依頼が仙蔵から自分に来たのは城主の思惑かもしれないと荘助は思った。
「立花先輩の気持ちは分かりませんが、貴女を大切に思っているのは間違いないと思いますよ」
姫が顔をあげて荘助の目を見つめる。その目は少しばかり水を含んでいたが、荘助も姫から目線を外さなかった。
「大事な護衛を私に託したのですから」
姫は一瞬驚いたあと、目を細めてクスクスと笑い出した。
「まぁ!随分と自信家なのですね!」
荘助はそれを見て一度下を向くと、息を吸いもう一度姫を見つめて手を差し出した。
「はる、もうすぐ着く。少し走ろうか」
そはまるで本当の兄であるかのように彼女を慈しんでいる顔だった。姫は荘助の手を取り
「はい、早く行きましょう兄上!」
と言って少女のような笑顔を見せた。
*****
祭は太鼓や笛の音が鳴り響き、人も多く賑わっていた。
山車や屋台を見て歩いていると、ちょっとした人だかりができている場所があった。そこに笛の音に合わせて舞う女が目に入る。
その光景に荘助は既視感を覚え、思わず見入ってしまった。
笛、太鼓、舞……祭に行った記憶だろうか?
いや、なにかもっと身近な存在だったような…
「兄上?」
袖を引かれて意識を姫に戻す。考えるのは後だ。
「兄上は初めてご覧になりますか?毎年来ている旅の一座なんですよ。人気で、いつも人だかりができています」
姫が嬉しそうに話す。
「はは、はるを連れてきたつもりが、私が連れてこられたみたいだ」
「本当ですね」
心底楽しそうに笑う姫を見て荘助はほっとしたが、同時になにか視線を感じた。
敵意の目ではなさそうだが、間違いなく見られている。城の者だろうか?護衛をつけておいて、わざわざ?それに、少し妙だ。見つけてくれと言わんばかりの気配がするのに決して姿を見せようとしない。
「はる、少し移動しよう」
姫の手を取り、人に混じりながらその場を離れたところで気配が消えたが、姫もなにか感づいたようで、
「兄上、そろそろ戻りましょうか」
と言った。
「……私は、立花様がいらしてくれると思っていました」
荘助はやはり、と思ってはいたが黙って聞いていた。
「立花様には、以前何度か護衛に来ていただいていたのです。危ないところを助けていただいたこともありました」
そう話す彼女はもう完全に恋する乙女だ。
「もっとお近づきになりたかったのですが……かえって遠ざかってしまいました。きっと、私の気持ちが迷惑だったのでしょうね」
仙蔵の立場を思えば、護衛の忍という身分で一城の姫様とどうにかなるわけはいかないだろう。姫の好意がこんなにもあからさまなことを考えると、今回の依頼が仙蔵から自分に来たのは城主の思惑かもしれないと荘助は思った。
「立花先輩の気持ちは分かりませんが、貴女を大切に思っているのは間違いないと思いますよ」
姫が顔をあげて荘助の目を見つめる。その目は少しばかり水を含んでいたが、荘助も姫から目線を外さなかった。
「大事な護衛を私に託したのですから」
姫は一瞬驚いたあと、目を細めてクスクスと笑い出した。
「まぁ!随分と自信家なのですね!」
荘助はそれを見て一度下を向くと、息を吸いもう一度姫を見つめて手を差し出した。
「はる、もうすぐ着く。少し走ろうか」
そはまるで本当の兄であるかのように彼女を慈しんでいる顔だった。姫は荘助の手を取り
「はい、早く行きましょう兄上!」
と言って少女のような笑顔を見せた。
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祭は太鼓や笛の音が鳴り響き、人も多く賑わっていた。
山車や屋台を見て歩いていると、ちょっとした人だかりができている場所があった。そこに笛の音に合わせて舞う女が目に入る。
その光景に荘助は既視感を覚え、思わず見入ってしまった。
笛、太鼓、舞……祭に行った記憶だろうか?
いや、なにかもっと身近な存在だったような…
「兄上?」
袖を引かれて意識を姫に戻す。考えるのは後だ。
「兄上は初めてご覧になりますか?毎年来ている旅の一座なんですよ。人気で、いつも人だかりができています」
姫が嬉しそうに話す。
「はは、はるを連れてきたつもりが、私が連れてこられたみたいだ」
「本当ですね」
心底楽しそうに笑う姫を見て荘助はほっとしたが、同時になにか視線を感じた。
敵意の目ではなさそうだが、間違いなく見られている。城の者だろうか?護衛をつけておいて、わざわざ?それに、少し妙だ。見つけてくれと言わんばかりの気配がするのに決して姿を見せようとしない。
「はる、少し移動しよう」
姫の手を取り、人に混じりながらその場を離れたところで気配が消えたが、姫もなにか感づいたようで、
「兄上、そろそろ戻りましょうか」
と言った。