第二章
夢小説設定
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高坂陣内左衛門は目を見張った。
昆奈門から、荘助は向いているだろうから仕込んでやれと命を受けて長物の稽古をつけていたが、本当に筋が良い。最初はこの女の細腕で六尺ほどある棒が振れるかと思っていたが、力に頼らず全身を使った良い動きをする。それに、剣術が得意というだけあって、必要な場所には必要なだけの筋肉もちゃんとついていた。
そして、何より陣内左衛門が感心したのは荘助のこちらの意図を汲み取る能力だ。教えたことをそのまま真綿のように吸収していく。
教えがいがある。
忍術学園の生徒だというが、教師や先輩らは荘助に教えるのがさぞ楽しかろうと思った。
なぜ、タソガレドキ忍隊にやってきたのか、なぜ男の名前を名乗っているのか詳細は知らない。
状況を考えるに梅の香絡みであることは間違いないだろうが、昆奈門となんの関係があるのか、陣内左衛門は疑問だった。
梅の香姫の影武者育てだろうか。だとするとタソガレドキと梅の香でなにか密約があるのか。いずれにしても近々、戦がありそうだ。
「よし、今日はこれくらいにしよう」
「ありがとうがざいました」
荘助は深々と頭を下げた。
「そうだ、この後うちのくのいちが来るから待っていろと組頭からのお達しだ」
荘助の整った眉がぴくりと動いた。
昆奈門に言われたことを思い出したのであろう。
武器術、体術、忍術はもちろん教えるが、くのいちから色も学びなさい。
女であることを武器にすることも厭うな。
と。
陣内左衛門はそれを傍で聞いていたが、そのときの荘助の嫌そうな顔が忘れられない。
「あのな、荘助。これは生き残るための術だ」
陣内左衛門は荘助に向き合って真剣な顔で言った。
「組頭はあんたを生かすことを考えているんだよ。使えるものは全て使うのが忍だろう。それは自分の顔、肉体とて同じことだ」
「…はい。分かってはいます」
荘助が答えたそのとき、くのいちの指導役がちょうど来たところだった。
*****
「あなた、過去に経験があるの?」
くのいちの姐さんに直球を投げられ、荘助は狼狽した。
「あるのね。そして、それは嫌なことだった」
荘助はこくりと頷いた。
目元のほくろが妙に色っぽいこの女性に頬を撫でられ、荘助は言葉を発することができなくなっていた。
「なら、大丈夫よ」
「?」
「色なんて言っても、別に身体を売るわけじゃない。敵を惑わし、必要なものを手に入れるというだけのこと。騙してやるのよ。考えてもみなさい。相手の持つ情報、命すら手玉に取れるの。快感でしょ?なんなら男も女装して同じようなことをする場合もある。男も女も関係ないの。さっきの高坂さんの女装なんかすごく様になるんだから」
この女性の言葉は荘助の心の中にするんと滑り込んできた。
そうか、あの頃やっていたこととは違う。
"生きる術"
今の私は女を売るのがそれではないのだ。
荘助はずっと心の奥底にある不快なものなやっと取れたように思った。
昆奈門から、荘助は向いているだろうから仕込んでやれと命を受けて長物の稽古をつけていたが、本当に筋が良い。最初はこの女の細腕で六尺ほどある棒が振れるかと思っていたが、力に頼らず全身を使った良い動きをする。それに、剣術が得意というだけあって、必要な場所には必要なだけの筋肉もちゃんとついていた。
そして、何より陣内左衛門が感心したのは荘助のこちらの意図を汲み取る能力だ。教えたことをそのまま真綿のように吸収していく。
教えがいがある。
忍術学園の生徒だというが、教師や先輩らは荘助に教えるのがさぞ楽しかろうと思った。
なぜ、タソガレドキ忍隊にやってきたのか、なぜ男の名前を名乗っているのか詳細は知らない。
状況を考えるに梅の香絡みであることは間違いないだろうが、昆奈門となんの関係があるのか、陣内左衛門は疑問だった。
梅の香姫の影武者育てだろうか。だとするとタソガレドキと梅の香でなにか密約があるのか。いずれにしても近々、戦がありそうだ。
「よし、今日はこれくらいにしよう」
「ありがとうがざいました」
荘助は深々と頭を下げた。
「そうだ、この後うちのくのいちが来るから待っていろと組頭からのお達しだ」
荘助の整った眉がぴくりと動いた。
昆奈門に言われたことを思い出したのであろう。
武器術、体術、忍術はもちろん教えるが、くのいちから色も学びなさい。
女であることを武器にすることも厭うな。
と。
陣内左衛門はそれを傍で聞いていたが、そのときの荘助の嫌そうな顔が忘れられない。
「あのな、荘助。これは生き残るための術だ」
陣内左衛門は荘助に向き合って真剣な顔で言った。
「組頭はあんたを生かすことを考えているんだよ。使えるものは全て使うのが忍だろう。それは自分の顔、肉体とて同じことだ」
「…はい。分かってはいます」
荘助が答えたそのとき、くのいちの指導役がちょうど来たところだった。
*****
「あなた、過去に経験があるの?」
くのいちの姐さんに直球を投げられ、荘助は狼狽した。
「あるのね。そして、それは嫌なことだった」
荘助はこくりと頷いた。
目元のほくろが妙に色っぽいこの女性に頬を撫でられ、荘助は言葉を発することができなくなっていた。
「なら、大丈夫よ」
「?」
「色なんて言っても、別に身体を売るわけじゃない。敵を惑わし、必要なものを手に入れるというだけのこと。騙してやるのよ。考えてもみなさい。相手の持つ情報、命すら手玉に取れるの。快感でしょ?なんなら男も女装して同じようなことをする場合もある。男も女も関係ないの。さっきの高坂さんの女装なんかすごく様になるんだから」
この女性の言葉は荘助の心の中にするんと滑り込んできた。
そうか、あの頃やっていたこととは違う。
"生きる術"
今の私は女を売るのがそれではないのだ。
荘助はずっと心の奥底にある不快なものなやっと取れたように思った。