第二章
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
武闘大会続行中。
荘助は水を頭から被って試合の熱を冷ました。
身体はあちこち痛むが、傷は負ってない。三郎は手を抜いたわけではなかろうが、傷を負わせずに勝てる余裕がある。
それは実力差がある証拠だと荘助は思った。
さて、試合が終わったら来いと学園長に呼び出されているのだった。
荘助は手拭いで滴る水を拭うと、学園長の庵まで急いだ。
*****
「お疲れ。あの鉢屋三郎相手になかなかいい闘いっぷりだったね」
庵の中には学園長と向かい合わせて昆奈門が座していた。
「学園長先生、これはいったい……」
「桂川荘助、お主はしばらくタソガレドキ忍隊に預けることになった」
「え!?」
学園長は自分の隣にある座布団をぽんぽんと叩き、荘助に座るよう促す。
「お主、ドクタケに狙われておるぞ」
「え?梅の香姫ではなくて?」
「まあそれもそうなんじゃが。ドクタケにしてみれば、捕らえたはずの女が突然姿を消したら気が気ではなかろう?忍かはたまた妖か、いずれにしても抹殺せねばと思うのは普通じゃ」
学園長に続いて昆奈門が説明を加えた。
「それで、君には姿を消してもらい、なおかつ取り急ぎ自己防衛できるくらいにはなってもらいたいということだよ。梅の香はこの件でドクタケと緊張状態にあるし、学園では君ひとりに時間は割けない。だからうちで見る」
「なぜ、タソガレドキ城が?」
「忍術学園もそうだけど、あちらさんとはそれなりに深交があるのよ。それにこちらにも利があるしね」
理屈は分かるが、荘助はどうも腑に落ちないと感じた。
「荘助。気持ちが追い付かなかろうが、もう決まったことじゃ。急ぎ支度をして雑渡殿と行きなさい」
荘助はもう自分が口を出すことではないと悟り、
「承知しました」
と頭を下げた。
「では雑渡殿、よろしく頼む」
「お預かりします」
庵を出ると、荘助は昆奈門を見上げた。
「あの、出立前に少し時間をいただけませんか」
「なにかな?」
「ここを離れることを報告しなければならない人がいるんです」
昆奈門は全て分かったように頷いて、目を細めた。
「……良いよ、行ってきなさい。私は学園の外で待っているから」
「ありがとうございます」
*****
「兵助、試合終わったのか。どうだった?」
荘助は汗を拭きながら木陰で休む兵助に声をかけた。
「勝ったよ。次の相手は三郎。あいつ茶化してくるところがあるからやりづらくて…」
そう言ったところで、兵助は思い出したように荘助を見た。
「そうか、俺は見られなかったけど、荘助の相手三郎だったよな」
「うん。真剣に相手してもらった。敵わなかったけど」
「あれを真剣にさせたんだから、やるじゃん」
兵助の言葉と笑顔とが、荘助をくすぐったくさせた。
「兵助、あのさ……私、しばらく学園を離れることになったんだ」
「え?」
「兵助には言うって約束だったから」
どこに、いつまで、とは聞けなかった。恐らく言えないであろうことは荘助が学園長に呼び出されたということを考えれば分かる。
「……分かった。俺は、卒業までここにいるから、帰りを待ってるよ」
「うん」
「じゃあ…えっと、いってらっしゃい」
「うん。いってきます」
荘助は支度のため足早に部屋へ向かったが、先程まで残暑を含んでいた秋風が急に冷たくなってきたと感じた。
荘助は水を頭から被って試合の熱を冷ました。
身体はあちこち痛むが、傷は負ってない。三郎は手を抜いたわけではなかろうが、傷を負わせずに勝てる余裕がある。
それは実力差がある証拠だと荘助は思った。
さて、試合が終わったら来いと学園長に呼び出されているのだった。
荘助は手拭いで滴る水を拭うと、学園長の庵まで急いだ。
*****
「お疲れ。あの鉢屋三郎相手になかなかいい闘いっぷりだったね」
庵の中には学園長と向かい合わせて昆奈門が座していた。
「学園長先生、これはいったい……」
「桂川荘助、お主はしばらくタソガレドキ忍隊に預けることになった」
「え!?」
学園長は自分の隣にある座布団をぽんぽんと叩き、荘助に座るよう促す。
「お主、ドクタケに狙われておるぞ」
「え?梅の香姫ではなくて?」
「まあそれもそうなんじゃが。ドクタケにしてみれば、捕らえたはずの女が突然姿を消したら気が気ではなかろう?忍かはたまた妖か、いずれにしても抹殺せねばと思うのは普通じゃ」
学園長に続いて昆奈門が説明を加えた。
「それで、君には姿を消してもらい、なおかつ取り急ぎ自己防衛できるくらいにはなってもらいたいということだよ。梅の香はこの件でドクタケと緊張状態にあるし、学園では君ひとりに時間は割けない。だからうちで見る」
「なぜ、タソガレドキ城が?」
「忍術学園もそうだけど、あちらさんとはそれなりに深交があるのよ。それにこちらにも利があるしね」
理屈は分かるが、荘助はどうも腑に落ちないと感じた。
「荘助。気持ちが追い付かなかろうが、もう決まったことじゃ。急ぎ支度をして雑渡殿と行きなさい」
荘助はもう自分が口を出すことではないと悟り、
「承知しました」
と頭を下げた。
「では雑渡殿、よろしく頼む」
「お預かりします」
庵を出ると、荘助は昆奈門を見上げた。
「あの、出立前に少し時間をいただけませんか」
「なにかな?」
「ここを離れることを報告しなければならない人がいるんです」
昆奈門は全て分かったように頷いて、目を細めた。
「……良いよ、行ってきなさい。私は学園の外で待っているから」
「ありがとうございます」
*****
「兵助、試合終わったのか。どうだった?」
荘助は汗を拭きながら木陰で休む兵助に声をかけた。
「勝ったよ。次の相手は三郎。あいつ茶化してくるところがあるからやりづらくて…」
そう言ったところで、兵助は思い出したように荘助を見た。
「そうか、俺は見られなかったけど、荘助の相手三郎だったよな」
「うん。真剣に相手してもらった。敵わなかったけど」
「あれを真剣にさせたんだから、やるじゃん」
兵助の言葉と笑顔とが、荘助をくすぐったくさせた。
「兵助、あのさ……私、しばらく学園を離れることになったんだ」
「え?」
「兵助には言うって約束だったから」
どこに、いつまで、とは聞けなかった。恐らく言えないであろうことは荘助が学園長に呼び出されたということを考えれば分かる。
「……分かった。俺は、卒業までここにいるから、帰りを待ってるよ」
「うん」
「じゃあ…えっと、いってらっしゃい」
「うん。いってきます」
荘助は支度のため足早に部屋へ向かったが、先程まで残暑を含んでいた秋風が急に冷たくなってきたと感じた。