第二章
夢小説設定
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あの日から心の奥底に渦巻く不快な塊が取れない。
だが、不思議と三郎を恨む気持ちにはならなかった。良いか悪いかは別として彼のお陰で記憶の一部を取り戻すことができたからだ。
ただただ、嫌なのは我が身の不快さだけだった。
荘助は毎夜、文次郎の鍛練に付き合うようになった。ただひたすらに技術をあげ、体力を上げ、己を鍛え上げることだけに集中すると、気持ちが楽になった。
何より腕が上がっていくのも嬉しかったし、何も知らない文次郎が自分を男として扱うのが本当にありがたかった。
そうか、私は男になりたかったんだ、否、女であることが嫌になったんだ。
それに気がついた荘助はひとり覚悟を決めたのだった。
*****
「なぁ、なんか、荘助最近雰囲気変わったよな」
五年ろ組の教室で八左ヱ門が雷蔵と三郎に声をかけた。
「あ、それ僕も思ってた。言葉数減ったし、言葉遣い自体少し変わった気がする。そういえば潮江先輩の鍛練に毎夜付き合ってるみたいだし。そのせいかなぁ」
「顔つきも険しくなったよな」
「でも、なんかかっこよくなってる気がする。ね、三郎もそう思わない?」
雷蔵が黙っている三郎に話を振ると、
「あぁ」と気のない返事をした。
「…そういえば荘助、くのたまに人気あるらしいよ」
雷蔵がぽつりと呟くとガクンと音を立て三郎の頬杖が外れた。
「どした、大丈夫か、三郎?」
三郎を心配する八左ヱ門に対し、雷蔵は訝しげに彼を見ていた。
*****
「荘助、最近ますます詰め込みすぎてないか?」
夜、荘助がまた鍛練に出ようとすると、兵助に呼び止められた。
「倒れるなよ?勘右衛門も気にしてたぞ」
「無理はしていないから心配無用と伝えてくれ。強くなりたいんだ、私は」
荘助がそう言うと、兵助が顔を覗き込んだ。
「確かに…顔色は悪くない」
兵助の言葉に荘助は自信たっぷりに笑う。
「腕が上がるのが楽しいんだ。分かるだろ」
「それは、分かるな。うん、今日は俺も行こう」
兵助の申し出に、荘助は大きく頷いてみせる。
「兵助も池で寝るか?」
「え!?荘助、あれやってるのか!?」
「毎日はやってない」
今夜の鍛練を想像して、兵助は一気に気が重たくなった。
だが、不思議と三郎を恨む気持ちにはならなかった。良いか悪いかは別として彼のお陰で記憶の一部を取り戻すことができたからだ。
ただただ、嫌なのは我が身の不快さだけだった。
荘助は毎夜、文次郎の鍛練に付き合うようになった。ただひたすらに技術をあげ、体力を上げ、己を鍛え上げることだけに集中すると、気持ちが楽になった。
何より腕が上がっていくのも嬉しかったし、何も知らない文次郎が自分を男として扱うのが本当にありがたかった。
そうか、私は男になりたかったんだ、否、女であることが嫌になったんだ。
それに気がついた荘助はひとり覚悟を決めたのだった。
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「なぁ、なんか、荘助最近雰囲気変わったよな」
五年ろ組の教室で八左ヱ門が雷蔵と三郎に声をかけた。
「あ、それ僕も思ってた。言葉数減ったし、言葉遣い自体少し変わった気がする。そういえば潮江先輩の鍛練に毎夜付き合ってるみたいだし。そのせいかなぁ」
「顔つきも険しくなったよな」
「でも、なんかかっこよくなってる気がする。ね、三郎もそう思わない?」
雷蔵が黙っている三郎に話を振ると、
「あぁ」と気のない返事をした。
「…そういえば荘助、くのたまに人気あるらしいよ」
雷蔵がぽつりと呟くとガクンと音を立て三郎の頬杖が外れた。
「どした、大丈夫か、三郎?」
三郎を心配する八左ヱ門に対し、雷蔵は訝しげに彼を見ていた。
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「荘助、最近ますます詰め込みすぎてないか?」
夜、荘助がまた鍛練に出ようとすると、兵助に呼び止められた。
「倒れるなよ?勘右衛門も気にしてたぞ」
「無理はしていないから心配無用と伝えてくれ。強くなりたいんだ、私は」
荘助がそう言うと、兵助が顔を覗き込んだ。
「確かに…顔色は悪くない」
兵助の言葉に荘助は自信たっぷりに笑う。
「腕が上がるのが楽しいんだ。分かるだろ」
「それは、分かるな。うん、今日は俺も行こう」
兵助の申し出に、荘助は大きく頷いてみせる。
「兵助も池で寝るか?」
「え!?荘助、あれやってるのか!?」
「毎日はやってない」
今夜の鍛練を想像して、兵助は一気に気が重たくなった。