第一章
夢小説設定
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桂川荘助と名乗った女。
あれから学園忍医の新野先生も来ていくつか質問をしたが、住まいや年齢すらもわからないようで、記憶があるのは幼少期の、それも断片的なものであった。
とは言っても
「母は私を生んで死にました。父と暮らしていたと思います」
程度なのだか。
ひとまず、怪我の具合もひどいのでもう少し休ませようということになり伊作は保健室を出た。
うーんと唸りながら歩く。
彼女を見つけたのは実習帰りだった。森の中には敗残兵らしき者たちが複数倒れていたがほとんどの者は息がなく、かろうじて生きているのが彼女だけだったのだ。
甲冑などつけておらず普通の女物の着物を着ていたが、乱れており痣や打撲が多い。あちこち血がついていたが斬り傷はほとんど見られず、これは彼女のものではない。そして、手にはべっとりと血がついた刀…
もしや、戦場を斬り抜けてきたのか...もしくは逃走兵に襲われて斬り伏せたのか。
彼女の状態を診るに後者の可能性が高いか…
いずれにせよ、森に散らばっていた動かぬ者たちは彼女が手にかけたということになる。
記憶がなく、出自不明で刀を扱える女とは、なんとも怪しいではないか。
そんな怪しいやつを学園に置いておくなと同学年のやつらには怒られそうだが、放っておけないのが自分の性質だ。
とにかく学園長先生に報告しに行こうと、伊作は庵に向かうことにした。
*****
「よし、では五年生に編入させることにする!」
伊作の報告を聞いた学園長のひと言は思いもよらぬものだった。
学園長の庵にはすでに複数教師が集まっており、全員が顔をこわばらせた。
「は!?」
伊作はこの人はちゃんと話を聞いていたのかと不安になる。それを察したのか再び学園長が話し始める。
「記憶がないんじゃろう?刀も扱える、武術の心得が多少ありそうじゃ。ここは忍術学園、忍に育てる他あるまい」
さすが思考がぶっ飛んでいる、と伊作は思った。普通ここは記憶がない間、学園の手伝いをしてもらう程度ではないのか…
「それにしてもくのいち教室ではなく五年生ですか?」
くのいち教室担当の山本シナ先生が口を開く。
「本人は男名を名乗ったんじゃろう?そのように生きてきたのかもしれぬ。見た目は16、7くらいかと思うたが、六年生だと卒業も迫り実習も多くて慌ただしい。五年生くらいが妥当なとこじゃろ。費用は、まあ色々こちらから仕事を頼むかの」
誰も口を挟む隙もないまま、話が進んで行った。
あれから学園忍医の新野先生も来ていくつか質問をしたが、住まいや年齢すらもわからないようで、記憶があるのは幼少期の、それも断片的なものであった。
とは言っても
「母は私を生んで死にました。父と暮らしていたと思います」
程度なのだか。
ひとまず、怪我の具合もひどいのでもう少し休ませようということになり伊作は保健室を出た。
うーんと唸りながら歩く。
彼女を見つけたのは実習帰りだった。森の中には敗残兵らしき者たちが複数倒れていたがほとんどの者は息がなく、かろうじて生きているのが彼女だけだったのだ。
甲冑などつけておらず普通の女物の着物を着ていたが、乱れており痣や打撲が多い。あちこち血がついていたが斬り傷はほとんど見られず、これは彼女のものではない。そして、手にはべっとりと血がついた刀…
もしや、戦場を斬り抜けてきたのか...もしくは逃走兵に襲われて斬り伏せたのか。
彼女の状態を診るに後者の可能性が高いか…
いずれにせよ、森に散らばっていた動かぬ者たちは彼女が手にかけたということになる。
記憶がなく、出自不明で刀を扱える女とは、なんとも怪しいではないか。
そんな怪しいやつを学園に置いておくなと同学年のやつらには怒られそうだが、放っておけないのが自分の性質だ。
とにかく学園長先生に報告しに行こうと、伊作は庵に向かうことにした。
*****
「よし、では五年生に編入させることにする!」
伊作の報告を聞いた学園長のひと言は思いもよらぬものだった。
学園長の庵にはすでに複数教師が集まっており、全員が顔をこわばらせた。
「は!?」
伊作はこの人はちゃんと話を聞いていたのかと不安になる。それを察したのか再び学園長が話し始める。
「記憶がないんじゃろう?刀も扱える、武術の心得が多少ありそうじゃ。ここは忍術学園、忍に育てる他あるまい」
さすが思考がぶっ飛んでいる、と伊作は思った。普通ここは記憶がない間、学園の手伝いをしてもらう程度ではないのか…
「それにしてもくのいち教室ではなく五年生ですか?」
くのいち教室担当の山本シナ先生が口を開く。
「本人は男名を名乗ったんじゃろう?そのように生きてきたのかもしれぬ。見た目は16、7くらいかと思うたが、六年生だと卒業も迫り実習も多くて慌ただしい。五年生くらいが妥当なとこじゃろ。費用は、まあ色々こちらから仕事を頼むかの」
誰も口を挟む隙もないまま、話が進んで行った。