ー次の日

『おはよ〜マリィ』

『おはよ！ユウリ、よく眠れた？』


次の日の朝、スパイクタウンのホテルから出たユウリは、中央に設立された広場でマリィと会う。昨晩、よく眠れたかと問いかけてくるマリィに ユウリは、ううんと首をひねった

『寝たような…寝てないような？』

『なにそれ』

マリィがクスクス笑うと、スパイクタウンに入ってきた人物が二人。


『おはよう…、ユウリ。マリィ…さん。』

ラテラルタウン、ゴーストタイプ使いのジムリーダー、オニオンと

『おはよーございます！』

オニオンの幼馴染の女の子、コトハだった。
何故オニオンとコトハがスパイクタウンにやってきたかと言うと、昨日の時点でダンテとネズがゴーストタイプに長けているオニオンに連絡をとり、協力要請を出していたのだった。


『オニオン…コトハも一緒に来たんやね』

『…そう、本当は危ないからって、止めたんだけど……ぼくのことが心配だって言うから……』

オニオンはゴーストタイプ使いのジムリーダー。きっと彼の言う通り、たしかに心配する必要はないのだろうが、それはコトハに言っても無意味なものだと彼自身理解しているようで、それ以上は何も言わずにそのまま調査を進めることにした。


『ねえ……なんだか、あっちの方から気配を感じるよ』

その後にネズとダンデも合流して、調査を開始するが、ものの数分でオニオンが路地裏の気配を感じ取ると、みんなで其方に向かった。薄暗い路地裏、街灯に照らされてフヨフヨと紫色の影が泳いでる。

『ゲゲ、ゲンガー！』

特徴的な大きな口をにんまりと悪戯に浮かべ、沢山の物に囲まれてテンションが上がってる主はゲンガーだった。

『ゲンガー！！』

ユウリが声を上げ、そしてマリィもオニオンも、ダンデもネズもコトハもゲンガーに警戒する。けれど、当のゲンガーはただ遊んでいるだけのようだ。

『ゲンガー、あの子が多分…、一連の』

『犯人ですね』

オニオンが犯人であろうゲンガーを推測すると、続いてネズがそれを指摘する。しかし困ったものでゲンガー自身に敵意は感じないので、無闇に攻撃もできないからこそ、右往左往する。


『こんなときは〜！いくよ、ユキゲツキ』


『ミミッキュ！』

ユウリがなにかを思い立ったのか、自分のポケモンであるミミッキュと一緒にゲンガーの方へ歩み寄った。


『ゲン？』

『はじめまして、ゲンガー！私はユウリ。ねえ、どうして君はこんなに物を集めているの？』

『ミミッキュ』

ゲンガーに歩み寄りながら対話を試みる、ミミッキュもゲンガーに話しかけて、なにやら不思議な絵面が出来上がるがゲンガーに敵意が無いのが唯一の救いである。ミミッキュがピョンピョン飛び跳ねてユウリの言葉を通訳し、ゲンガーに必死に言葉を伝えて、ゲンガーもその対話に応えると一連の会話が収束する。話によれば、このゲンガーは言われた通りにやってただけだと言うのだ。その大元の命令をしているポケモンがいると言う。そのポケモンに会わなければ、この怪事件は止まらないだろう。


『それなら、大元のポケモンに会わなければいけないな。』


『はい！』

ダンデがポケモンの調査を進めることにするなら、それに返事をして元気よく挨拶するとゲンガーは裏路地の方に入って行く。そこにいたのは…