【Kingsman】お互いの愛【キングスマン】【短編集】
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朝日が昇り空に淡い明るさが浮かべた頃にエグジーは目を覚ました。心地の好いベッドに眠っていたエグジーは横にいるユーを見る。柔らかい頬を枕に押し付け、顔を向ける彼女の可愛いさにふっと笑みを浮かんだ。閉じられたカーテンの隙間から朝日の光がユーの後ろ髪を照らす。
エグジーは艶やかに光る彼女の髪の毛に指を通す。するりと指から落ちる一本一本の髪の毛はユーの存在を主張をしているようにエグジーは見えた。かつて自堕落だった俺とは大違いだ。暴力を振るわれることも絶望を味わうことも君はなかっただろうと、パブで酒に酔った俺は彼女にそう言っていた。その昨夜の対話をエグジーは鮮明に覚えている。
ユーは目に見えない愛と優しさよりはマシだわと健気に笑ってエグジーに返していた。なんとなくわかるかな。醒めた頭でエグジーは思い返した。彼女は身じろぎ、睫毛がしっとりと濡れていることに気づく。顔を近づけて観察すれば涙が滲んでいると理解した。
やがて、彼女は目覚め彼女の瞳にエグジーの顔が映った。涙で潤っていたユーの眼球にエグジーは言いようもない思いに襲われ、横へ目を逸らす。ユーは微笑んでシーツの中に入れていた手をエグジーの頬へ添えた。じんわりと彼女の温もりにエグジーは口を開いた。
「ユーは目に見えない愛よりマシって言ったよな」
「ふふ、そうね」
「俺の愛は見えない愛?」
彼女は呼吸を一瞬だけ止めてしまい、寝ぼけていたまぶたを見開いた。エグジーは言葉を吐かないユーに哀情 が募る感覚がし彼女を見つめ続ける。彼女は目線を泳がして言葉を探しているようだった。エグジーは目線を落として鼻で深く息を吐いた。
「それでも俺はユーを愛してるよ」
「そう、そっか。貴方は今までの人とは違うものね」
エグジーの言葉に強張っていた彼女の表情が一気に安らぎ、目を泳がすことなくエグジーを見つめ返した。エグジーはユーの添えられていた手に自身の手を重ねて触れると彼女の冷めていく体温を感じる。彼女の体温を逃がさないようエグジーはユーの手をエグジーは握った。彼女は朗らかな声と表情で語り始める。
「目に見えない愛って言うのはね、愛を与えてくれた人が死んでしまうと与えられていた愛は形を残さないで消えてしまうことを指していたの」
「愛が見えればいいの?」
「いいえ、愛を残してほしいの。形として、私の側にいつも居てくれる愛が」
「俺ならできるな」
彼女の言う愛の価値を改めて知ったエグジーは幼さの残る笑顔でそう言い放った。ユーは思わず肩を上げて笑い声を立てた。笑う彼女を抱きしめ、エグジーは微笑みながらこの時間を噛み締める。キングスマンの俺はいつ彼女を置いて先立つかわからない。だからこそ彼女の見えない愛を完全に理解した。
「ユー、俺が高級テーラーなのは知ってるよね」
「もちろん」
「俺は君に何か残そうと思う」
「ほんとうに? 私、高級なものなんて望まないわよ」
「知ってる。でも今は持ち合わせてないから、少し君を待たせることになるけれど」
「エグジー、それだけでも嬉しいわ」
強くエグジーを抱きしめ、素直に喜ぶ彼女にエグジーは一生の愛を残してくれる一つのものが浮かんでいた。彼女には“メダル”をあげよう。メダルに彫るのは電話番号ではなく、“愛している”という文字を添えて彼女に贈ろう。エグジーは算段を考えながら、ユーと顔を合わせた。
「まだ言ってなかったね。おはよう、ユー」
「おはよう、エグジー」
「愛しているよ、ユー」
「愛しているわ、エグジー」
ささやかな愛の言葉を交わす二人は幸せそうに微笑み合った。さしてユーは立ち上がってカーテンを開け、窓を少し開けて部屋の空気を入れ替える。ベッドは彼女の暖かさが強く残り、エグジーは起き上がって窓の外を眺める彼女に一つキスをしてやって最高の朝だと幸福が満たされた心中でそう呟いた。
エグジーは艶やかに光る彼女の髪の毛に指を通す。するりと指から落ちる一本一本の髪の毛はユーの存在を主張をしているようにエグジーは見えた。かつて自堕落だった俺とは大違いだ。暴力を振るわれることも絶望を味わうことも君はなかっただろうと、パブで酒に酔った俺は彼女にそう言っていた。その昨夜の対話をエグジーは鮮明に覚えている。
ユーは目に見えない愛と優しさよりはマシだわと健気に笑ってエグジーに返していた。なんとなくわかるかな。醒めた頭でエグジーは思い返した。彼女は身じろぎ、睫毛がしっとりと濡れていることに気づく。顔を近づけて観察すれば涙が滲んでいると理解した。
やがて、彼女は目覚め彼女の瞳にエグジーの顔が映った。涙で潤っていたユーの眼球にエグジーは言いようもない思いに襲われ、横へ目を逸らす。ユーは微笑んでシーツの中に入れていた手をエグジーの頬へ添えた。じんわりと彼女の温もりにエグジーは口を開いた。
「ユーは目に見えない愛よりマシって言ったよな」
「ふふ、そうね」
「俺の愛は見えない愛?」
彼女は呼吸を一瞬だけ止めてしまい、寝ぼけていたまぶたを見開いた。エグジーは言葉を吐かないユーに
「それでも俺はユーを愛してるよ」
「そう、そっか。貴方は今までの人とは違うものね」
エグジーの言葉に強張っていた彼女の表情が一気に安らぎ、目を泳がすことなくエグジーを見つめ返した。エグジーはユーの添えられていた手に自身の手を重ねて触れると彼女の冷めていく体温を感じる。彼女の体温を逃がさないようエグジーはユーの手をエグジーは握った。彼女は朗らかな声と表情で語り始める。
「目に見えない愛って言うのはね、愛を与えてくれた人が死んでしまうと与えられていた愛は形を残さないで消えてしまうことを指していたの」
「愛が見えればいいの?」
「いいえ、愛を残してほしいの。形として、私の側にいつも居てくれる愛が」
「俺ならできるな」
彼女の言う愛の価値を改めて知ったエグジーは幼さの残る笑顔でそう言い放った。ユーは思わず肩を上げて笑い声を立てた。笑う彼女を抱きしめ、エグジーは微笑みながらこの時間を噛み締める。キングスマンの俺はいつ彼女を置いて先立つかわからない。だからこそ彼女の見えない愛を完全に理解した。
「ユー、俺が高級テーラーなのは知ってるよね」
「もちろん」
「俺は君に何か残そうと思う」
「ほんとうに? 私、高級なものなんて望まないわよ」
「知ってる。でも今は持ち合わせてないから、少し君を待たせることになるけれど」
「エグジー、それだけでも嬉しいわ」
強くエグジーを抱きしめ、素直に喜ぶ彼女にエグジーは一生の愛を残してくれる一つのものが浮かんでいた。彼女には“メダル”をあげよう。メダルに彫るのは電話番号ではなく、“愛している”という文字を添えて彼女に贈ろう。エグジーは算段を考えながら、ユーと顔を合わせた。
「まだ言ってなかったね。おはよう、ユー」
「おはよう、エグジー」
「愛しているよ、ユー」
「愛しているわ、エグジー」
ささやかな愛の言葉を交わす二人は幸せそうに微笑み合った。さしてユーは立ち上がってカーテンを開け、窓を少し開けて部屋の空気を入れ替える。ベッドは彼女の暖かさが強く残り、エグジーは起き上がって窓の外を眺める彼女に一つキスをしてやって最高の朝だと幸福が満たされた心中でそう呟いた。
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