若者のすべて
『若者のすべて4』
馬鹿にしているんだと思った。
振った女に連絡をしてくるなんて。
無視しようと思っていたけれど、結局は、届いた写真を眺めたまま小一時間が経っている。
撮り慣れていないのか。
暗い画面にはブレた打ち上げ花火が写っていた。
『綺麗ね』
『ブレてる』
『何か用?』
そんな文字を打っては消し、打っては消し。
「一体どういうつもり?」
呟き、スマートフォンをシーツの上に投げた。
失恋の痛みと、悔しさに似た感情がないまぜになって
腕を目に当て、視界を塞ぐ。
ともすれば溢れ出そうな涙を零してなるものかと、どうにか耐えた。
暗くなった視界に、色々の花火が浮かんだ。
ジェオとイーグルがはぐれて、期せずしてクレフと二人きりで見ることになった花火。
つい最近、大泣きしながらイーグルと灯した線香花火。
クレフが送ってきた、画面の中のブレた花火。
花火大会、今年はまだあったかしら。
もう一度スマートフォンに手を伸ばし検索をする。
月末だ。夏の終わりも終わり。
近場とは言えないけれど、行けなくもない郊外に一つだけあった。
電話帳を適当に開く。
「ねえ花火見に行かない? 8月31日 xx町。そう。xx駅の。すこし遠いけど、どうかしら?」
ブラウザの情報をかいつまんで読み上げると、電話口が「行ける」と答えたので胸がスッとした。
まるでときめかないことに数ミリの申し訳なさを感じつつも、でも告白してきたのはそっちだし、と高慢なことを思わなくもない。
そう。結局、好きになったほうが負けなのだ。
待ち合わせの時間を決めて電話を切ってから、クレフからの画像に返信をした。
『綺麗ね、でもブレてる笑』
『写真を見たら本物が見たくなっちゃって、職場の――君と行ってくることにしたわ。あ、何か用事だった?』
送るだけ送ったら電源を切って部屋の隅に投げつけた。
こんな当てつけみたいなメッセージが、何の意味もないことなんてわかってる。
私の傷を癒そうとしているのか。
それとも傷ついてなんてないと思っているのか。
なんにしても、こんな写真一枚送りつけたくらいでどうにかなると思われているのがたまらなく嫌だった。
あんまり馬鹿にしないでって言いたい。
『若者のすべて4』end
----------------------------------
完結ー🙏(ほんとか?)
たまにはクレフさんも悶々しなさい。ということでアナザーエンドはありません😊w
来年も、真夏のピークが去った頃に気が向いたら書くかも。
ないかな~ないよな~きっとね~いないよな~
----------------------------------
【あとがき】
去年2023年、夏の帰り道に突然書きたくなった「若者のすべて」
切ない歌なのでクレ海ちゃんをどっぷり失恋の海に落としてみたいな~と思いつつも
クレさんの曲ではないよな、と思うところもあり。(若者?)
それから「イーくんとの関係に悶々と怖がるジェオくんもいいよなー」となって、欲張りに全部書いていった作品になります。
私の中のこの曲はジェオくんに一番似合ってるかなと思ってます。一番最初に書いただけに。
クレ海ちゃんはハピエンの未来もあったんですが、
私の性格的に「ハピエンにしない」ほうに軸を取るのってすごく難しいので、
「せっかく失恋軸にしたんだからこのままにしておこう」→が「4」になります。
失恋して自暴自棄になる海ちゃん。
クレさんに当てつけるためなら「優しさ」も捨てちゃう残酷さが人間ぽくてお気に入りです。
モブ君はごめん。
馬鹿にしているんだと思った。
振った女に連絡をしてくるなんて。
無視しようと思っていたけれど、結局は、届いた写真を眺めたまま小一時間が経っている。
撮り慣れていないのか。
暗い画面にはブレた打ち上げ花火が写っていた。
『綺麗ね』
『ブレてる』
『何か用?』
そんな文字を打っては消し、打っては消し。
「一体どういうつもり?」
呟き、スマートフォンをシーツの上に投げた。
失恋の痛みと、悔しさに似た感情がないまぜになって
腕を目に当て、視界を塞ぐ。
ともすれば溢れ出そうな涙を零してなるものかと、どうにか耐えた。
暗くなった視界に、色々の花火が浮かんだ。
ジェオとイーグルがはぐれて、期せずしてクレフと二人きりで見ることになった花火。
つい最近、大泣きしながらイーグルと灯した線香花火。
クレフが送ってきた、画面の中のブレた花火。
花火大会、今年はまだあったかしら。
もう一度スマートフォンに手を伸ばし検索をする。
月末だ。夏の終わりも終わり。
近場とは言えないけれど、行けなくもない郊外に一つだけあった。
電話帳を適当に開く。
「ねえ花火見に行かない? 8月31日 xx町。そう。xx駅の。すこし遠いけど、どうかしら?」
ブラウザの情報をかいつまんで読み上げると、電話口が「行ける」と答えたので胸がスッとした。
まるでときめかないことに数ミリの申し訳なさを感じつつも、でも告白してきたのはそっちだし、と高慢なことを思わなくもない。
そう。結局、好きになったほうが負けなのだ。
待ち合わせの時間を決めて電話を切ってから、クレフからの画像に返信をした。
『綺麗ね、でもブレてる笑』
『写真を見たら本物が見たくなっちゃって、職場の――君と行ってくることにしたわ。あ、何か用事だった?』
送るだけ送ったら電源を切って部屋の隅に投げつけた。
こんな当てつけみたいなメッセージが、何の意味もないことなんてわかってる。
私の傷を癒そうとしているのか。
それとも傷ついてなんてないと思っているのか。
なんにしても、こんな写真一枚送りつけたくらいでどうにかなると思われているのがたまらなく嫌だった。
あんまり馬鹿にしないでって言いたい。
『若者のすべて4』end
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完結ー🙏(ほんとか?)
たまにはクレフさんも悶々しなさい。ということでアナザーエンドはありません😊w
来年も、真夏のピークが去った頃に気が向いたら書くかも。
ないかな~ないよな~きっとね~いないよな~
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【あとがき】
去年2023年、夏の帰り道に突然書きたくなった「若者のすべて」
切ない歌なのでクレ海ちゃんをどっぷり失恋の海に落としてみたいな~と思いつつも
クレさんの曲ではないよな、と思うところもあり。(若者?)
それから「イーくんとの関係に悶々と怖がるジェオくんもいいよなー」となって、欲張りに全部書いていった作品になります。
私の中のこの曲はジェオくんに一番似合ってるかなと思ってます。一番最初に書いただけに。
クレ海ちゃんはハピエンの未来もあったんですが、
私の性格的に「ハピエンにしない」ほうに軸を取るのってすごく難しいので、
「せっかく失恋軸にしたんだからこのままにしておこう」→が「4」になります。
失恋して自暴自棄になる海ちゃん。
クレさんに当てつけるためなら「優しさ」も捨てちゃう残酷さが人間ぽくてお気に入りです。
モブ君はごめん。