(長編)インカレ!
chap4. midori-gaoka Orangette
「広…」
少し遅れそうだと連絡が入った。研究室の実験が長引いているらしい。初めて入ったT大のキャンパスのあまりの広さに少し迷った。クレフが遅れなかったらむしろ私が遅刻していたかもしれない。
言われたとおり、学生用のカフェテリアで待たせてもらうことにする。この時間は、食事をとるよりもノートパソコンを広げて何やら作業をしている学生たちのほうが多い。
噂通り、キャンパスには女子の姿はほとんど見当たらない。カフェテリアの中も外も、白衣を着た学生や教授が歩いている。理系の学部がない大学に通う私からするとまるで異次元だ。
クレフは、「他大生や外部者が入ることなんてざらだから大丈夫だ」と言っていたけれど、こちらとしては大変気まずい。自意識過剰ではなく、さっきから明らかにちらちらと見られている気がする。
学歴コンプレックスなど微塵もないのだけれど、それでも平均偏差値が十も開いた学校へしれっと入り込んでいることに、私はどうしようもない居心地の悪さを感じていた。
後方から走り寄る足音が聞こえたので振り返る。ほっとしたのと、もう一秒も一人ではいたくなくて、思わず駆け寄った。
「良かったぁ」我ながら情けない声が出る。二回目の待ち合わせにしてはアウェイすぎた。あまりに心細かった。
「すまない、待たせてしまった」
クレフが驚いた表情を見せるので、彼の視線の先を追う。見れば、自分の手がクレフの服の袖をすがるように掴んでいた。
「わ…ごめんなさい…!」
パッと手を離してから時間差で気付く。無意識に手を伸ばせるほど、非常に掴みやすかった、クレフの衣服の正体に。
「白衣!」
クレフは、またあの苦笑いを見せた。私ときたら、クレフの着ているものに毎回反応している気がする。服ばかりを取りざたして悪いとは思うけど、でもそんな顔とスタイルをしているそっちも悪い。
「急いでいたのでこのまま来てしまった。おかしな薬剤はついていないから安心してくれ」
なんならまだ掴んでいてくれてもいいのに、と、クレフはいたずらっぽく笑った。
クレフが、私の手元から紙袋を取って、せっかくだから外で食べるかと言った。
キャンパス内をしばらく歩く。しっとりとしたイチョウの落ち葉が歩道を埋め尽くしている。黄色のじゅうたんの上を、白い裾がゆらゆらと揺れた。白衣姿もこのキャンパス内では全然浮いていない。けれど、私にとっては目に毒だ。コスプレ趣味はないつもりだったのに、変なフェチがあったことに自分でも驚いた。
相変わらず、T大生の視線は気になる。
「ねえ、やっぱり他大生がウロウロしてたらまずいんじゃ……」
「誰も学生の把握などしていない。学園祭ですら入構許可証が必要な君の大学とは違う」
「よく知ってるわね! ねえ、でも、なんだか見られてる気がするのよ」
「君が綺麗だから男の目を集めているんじゃないか?」
「……そういうこと言うの恥ずかしくないの?」
「事実を言うのに何を恥じる必要がある」
「やっぱりチャラい……」
「心外だな」クレフが足を止め、「ここでいいか?」と言った。
メインストリートを抜けた先は、陽の良く当たるウッドデッキだった。等間隔に並ぶ木製のテーブルには、ゼミ生と思しき男女四人組が何やら議論をしている。あるいは、足を組んで腰かけた男子学生が一人、ポータブルゲーム機を手に、見事な猫背を披露してした。
日の当たる一角の席に向かい合わせに座る。クレフは手にしていた紙袋から、紙コップを二つ取り出した。高級チョコのお供が缶コーヒーでは情けないからと、研究室で淹れてきてくれたものだ。
さっき、彼はカフェテリアまで走ってきたというのに、コーヒーは一滴も零れていなかった。「魔法使いみたい」私が言うと、クレフはいつになく可笑しそうに笑った。色気のない紙コップで飲む冷めきったコーヒーは、それでも、びっくりするくらいにおいしかった。
冷えるから、とクレフは白衣を脱ぎ、ひざ掛けがわりに貸してくれた。白衣の内側は、これぞクレフの本領発揮という装いだった。そういえば、飲み会も初デートも、カジュアルな服装しか見ていなかったので、白シャツ姿を見るのは初めてだった。現物は、という意味で。
白い襟はピシッとアイロンがけされていて―
「クレフって、おしゃれよね」と、思わず口をついた。
つい呼び捨てで呼んでしまったことが恥ずかしくなり、口元をおさえる。モデルとしてのクレフとして見てしまっていた。クレフは、一度大きく瞬きをした後、「ありがとう」と言った。
彼が私の褒め言葉をすんなりと受け取ったのがなんとなく意外で、それが私の顔に出ていたのか、クレフはこう教えてくれた。
「撮影の時に気に入ったものを買い取ったり、勧められたものを揃えていたらこうなった。もし海が私をそのように見てくれたのならば、それはスタイリストの見立てが良いということだ。そうだ、そういえば」
続けてクレフが言った。
「この前事務所と通話をしたんだ。ウイッグの件、狙い通りだと皆喜んでいた。海の言った実に詩的な感想をそのまま伝えたら、画面の向こうで音が割れるほど大笑いしていたが」
「ちょっと! それはもう忘れてよね!」
紙コップのコーヒーが波立つ。クレフが可笑しそうに笑って「さあ食べよう」と言った。私は怒りを収め、オレンジ色の紙袋をテーブルの上に恭しく乗せた。
外で見るショコラ・ラネージュ様の麗しさたるや。
家でもさんざん撮ったのだけれど、開封する前にと、もう一度パッケージの写真を撮影した。ついつい何枚も撮っていると、退屈したのかクレフは頬杖をつきながら自分のスマートフォンをぼんやりと眺め始めた。
「ごめんね、もうちょっとだけ待って」と言いながら、箱をずらし、紙袋をずらし、あれこれのアングルでパッケージを撮っていると突然、自分のカメラとは違うシャッター音がパシャと響いた。正面を見ると、クレフが頬杖をついたままニヤニヤと笑みを浮かべている。カメラのレンズがこちらを向いていた。
「盗撮禁止よ」
「次から気を付ける」
クレフが言った。
絶品のオランジェットをつまみながら、「お休みの日はなにを?」と冗談めいて聞いてみる。
今日は私が聞く番よ。
なにせ、先週はクレフにことごとく会話を絡め取られて彼のことを全然聞けなかったのだから。クレフもオランジェットを一つつまみ、そして教えてくれた。
「仕事をしていた時は、撮影か体づくり。あとは基本、研修室だな。生物を飼育しているので当番制で世話を見ている」
「何を飼ってるの?」
「魚とか両生類とかいろいろだ」
「あとはあとは? お出かけとかはしないの?」
「しないこともない」
クレフの返答は、どこかはぐらかすような口調だった。
「わかった! 図書館とか、博物館でしょう! 知的な!」
「思い込みも甚だしいな。まあ行かないことはないが。よく行くのはもっと別の場所だ」
「どこかしら……全然見当もつかないわ」
「ヒントをやろうか?」
私はコクコクと頷いた。
「前に行った公園にもその施設が隣接していた」
「……? あ、動物園?」
クレフは、フと笑って「ヒントが簡単すぎたか」と言った。
「ね、じゃあどうしてこの前、行かなかったの?」
「初デートが動物園というのは少しハードルが高くないか?」
「なによそれ」
あんなにスマートな初デートを展開しておいて、ハードルだなんだと、ちまちましたことを気にしているクレフが少し可笑しかった。
「一人で行くと他の客達に白い目で見られるんだ。誰がどう時間を過ごそうと勝手だろうに」
と、クレフは苦々しげに言った。
「ねえ、それって……」
顔が良いからじろじろ見られただけでは、とは言わなかった。
「学部も生物系だし、クレフは生き物が好きなのね」
「まあ、そうだな」
「何の動物が好き?」
「なんだ、今日は随分と取材がうまいじゃないか」
クレフが、少し意地悪そうに笑った。
「ふざけてないで、教えてよね」
「なんでも好きだ。魚、両生類、鳥も、それから、海」
「海の生き物?」
私もイルカやペンギンは好きよ、と言うとクレフはなぜだか苦笑いをしていた。
「ねえ、じゃあ水族館は行かないの?」
「行きたい……が、水族館こそ一人で行きにくいだろう。カップルは多いし、屋内だから閉塞感もある。そんな中あの白い目で見られたりしたら、それこそいたたまれなくなる」
「そんなことないと思うけど……。ねえ、じゃあ今度……」
私が言いかけると、クレフがわざとらしい仕草で頬杖をついた。またあのニヤニヤとした笑みを浮かべ、明らかにこちらの言葉を待っている。
「ばか! せっかく誘ってあげようと思ったのに!」
「すまない。少しからかいすぎた。もし海と一緒に行けるのなら、こんなに嬉しいことはない」
クレフは続けて言った。
「せっかくだから十二月に行こうか。臨海公園ならイルミネーションが始まるはずだ」
「それって……」
いつの間にか再来月の約束まで取り付けてしまった。しかも、十二月にデートなんて……。
「そんなの、やっぱり手口じゃない…」
「今のは、たしかに」
クレフが、笑った。
オランジェットも、残り少なくなってきた頃合いで、「まさか、全部食べるつもりか?」とクレフが聞いてきた。
「だって、おいしいんですもの。止まらなくって」
「たしかに味は良いが……。こんなに甘いものをよくそう何個も一気に食べられるな」
「全然余裕よ! 甘いもの大好きだもの!」
クレフが、また笑った。
憂いの差した、笑顔だった。
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
23.6.30
LAKI様にイメージイラストをおねだりしちゃいました🙏
かわいすぎてやばい。うれしすぎる。
クレさんがあまりにもかっこよすぎる……🤦好……。
(埋め込み表示用ダミー)
「広…」
少し遅れそうだと連絡が入った。研究室の実験が長引いているらしい。初めて入ったT大のキャンパスのあまりの広さに少し迷った。クレフが遅れなかったらむしろ私が遅刻していたかもしれない。
言われたとおり、学生用のカフェテリアで待たせてもらうことにする。この時間は、食事をとるよりもノートパソコンを広げて何やら作業をしている学生たちのほうが多い。
噂通り、キャンパスには女子の姿はほとんど見当たらない。カフェテリアの中も外も、白衣を着た学生や教授が歩いている。理系の学部がない大学に通う私からするとまるで異次元だ。
クレフは、「他大生や外部者が入ることなんてざらだから大丈夫だ」と言っていたけれど、こちらとしては大変気まずい。自意識過剰ではなく、さっきから明らかにちらちらと見られている気がする。
学歴コンプレックスなど微塵もないのだけれど、それでも平均偏差値が十も開いた学校へしれっと入り込んでいることに、私はどうしようもない居心地の悪さを感じていた。
後方から走り寄る足音が聞こえたので振り返る。ほっとしたのと、もう一秒も一人ではいたくなくて、思わず駆け寄った。
「良かったぁ」我ながら情けない声が出る。二回目の待ち合わせにしてはアウェイすぎた。あまりに心細かった。
「すまない、待たせてしまった」
クレフが驚いた表情を見せるので、彼の視線の先を追う。見れば、自分の手がクレフの服の袖をすがるように掴んでいた。
「わ…ごめんなさい…!」
パッと手を離してから時間差で気付く。無意識に手を伸ばせるほど、非常に掴みやすかった、クレフの衣服の正体に。
「白衣!」
クレフは、またあの苦笑いを見せた。私ときたら、クレフの着ているものに毎回反応している気がする。服ばかりを取りざたして悪いとは思うけど、でもそんな顔とスタイルをしているそっちも悪い。
「急いでいたのでこのまま来てしまった。おかしな薬剤はついていないから安心してくれ」
なんならまだ掴んでいてくれてもいいのに、と、クレフはいたずらっぽく笑った。
クレフが、私の手元から紙袋を取って、せっかくだから外で食べるかと言った。
キャンパス内をしばらく歩く。しっとりとしたイチョウの落ち葉が歩道を埋め尽くしている。黄色のじゅうたんの上を、白い裾がゆらゆらと揺れた。白衣姿もこのキャンパス内では全然浮いていない。けれど、私にとっては目に毒だ。コスプレ趣味はないつもりだったのに、変なフェチがあったことに自分でも驚いた。
相変わらず、T大生の視線は気になる。
「ねえ、やっぱり他大生がウロウロしてたらまずいんじゃ……」
「誰も学生の把握などしていない。学園祭ですら入構許可証が必要な君の大学とは違う」
「よく知ってるわね! ねえ、でも、なんだか見られてる気がするのよ」
「君が綺麗だから男の目を集めているんじゃないか?」
「……そういうこと言うの恥ずかしくないの?」
「事実を言うのに何を恥じる必要がある」
「やっぱりチャラい……」
「心外だな」クレフが足を止め、「ここでいいか?」と言った。
メインストリートを抜けた先は、陽の良く当たるウッドデッキだった。等間隔に並ぶ木製のテーブルには、ゼミ生と思しき男女四人組が何やら議論をしている。あるいは、足を組んで腰かけた男子学生が一人、ポータブルゲーム機を手に、見事な猫背を披露してした。
日の当たる一角の席に向かい合わせに座る。クレフは手にしていた紙袋から、紙コップを二つ取り出した。高級チョコのお供が缶コーヒーでは情けないからと、研究室で淹れてきてくれたものだ。
さっき、彼はカフェテリアまで走ってきたというのに、コーヒーは一滴も零れていなかった。「魔法使いみたい」私が言うと、クレフはいつになく可笑しそうに笑った。色気のない紙コップで飲む冷めきったコーヒーは、それでも、びっくりするくらいにおいしかった。
冷えるから、とクレフは白衣を脱ぎ、ひざ掛けがわりに貸してくれた。白衣の内側は、これぞクレフの本領発揮という装いだった。そういえば、飲み会も初デートも、カジュアルな服装しか見ていなかったので、白シャツ姿を見るのは初めてだった。現物は、という意味で。
白い襟はピシッとアイロンがけされていて―
「クレフって、おしゃれよね」と、思わず口をついた。
つい呼び捨てで呼んでしまったことが恥ずかしくなり、口元をおさえる。モデルとしてのクレフとして見てしまっていた。クレフは、一度大きく瞬きをした後、「ありがとう」と言った。
彼が私の褒め言葉をすんなりと受け取ったのがなんとなく意外で、それが私の顔に出ていたのか、クレフはこう教えてくれた。
「撮影の時に気に入ったものを買い取ったり、勧められたものを揃えていたらこうなった。もし海が私をそのように見てくれたのならば、それはスタイリストの見立てが良いということだ。そうだ、そういえば」
続けてクレフが言った。
「この前事務所と通話をしたんだ。ウイッグの件、狙い通りだと皆喜んでいた。海の言った実に詩的な感想をそのまま伝えたら、画面の向こうで音が割れるほど大笑いしていたが」
「ちょっと! それはもう忘れてよね!」
紙コップのコーヒーが波立つ。クレフが可笑しそうに笑って「さあ食べよう」と言った。私は怒りを収め、オレンジ色の紙袋をテーブルの上に恭しく乗せた。
外で見るショコラ・ラネージュ様の麗しさたるや。
家でもさんざん撮ったのだけれど、開封する前にと、もう一度パッケージの写真を撮影した。ついつい何枚も撮っていると、退屈したのかクレフは頬杖をつきながら自分のスマートフォンをぼんやりと眺め始めた。
「ごめんね、もうちょっとだけ待って」と言いながら、箱をずらし、紙袋をずらし、あれこれのアングルでパッケージを撮っていると突然、自分のカメラとは違うシャッター音がパシャと響いた。正面を見ると、クレフが頬杖をついたままニヤニヤと笑みを浮かべている。カメラのレンズがこちらを向いていた。
「盗撮禁止よ」
「次から気を付ける」
クレフが言った。
絶品のオランジェットをつまみながら、「お休みの日はなにを?」と冗談めいて聞いてみる。
今日は私が聞く番よ。
なにせ、先週はクレフにことごとく会話を絡め取られて彼のことを全然聞けなかったのだから。クレフもオランジェットを一つつまみ、そして教えてくれた。
「仕事をしていた時は、撮影か体づくり。あとは基本、研修室だな。生物を飼育しているので当番制で世話を見ている」
「何を飼ってるの?」
「魚とか両生類とかいろいろだ」
「あとはあとは? お出かけとかはしないの?」
「しないこともない」
クレフの返答は、どこかはぐらかすような口調だった。
「わかった! 図書館とか、博物館でしょう! 知的な!」
「思い込みも甚だしいな。まあ行かないことはないが。よく行くのはもっと別の場所だ」
「どこかしら……全然見当もつかないわ」
「ヒントをやろうか?」
私はコクコクと頷いた。
「前に行った公園にもその施設が隣接していた」
「……? あ、動物園?」
クレフは、フと笑って「ヒントが簡単すぎたか」と言った。
「ね、じゃあどうしてこの前、行かなかったの?」
「初デートが動物園というのは少しハードルが高くないか?」
「なによそれ」
あんなにスマートな初デートを展開しておいて、ハードルだなんだと、ちまちましたことを気にしているクレフが少し可笑しかった。
「一人で行くと他の客達に白い目で見られるんだ。誰がどう時間を過ごそうと勝手だろうに」
と、クレフは苦々しげに言った。
「ねえ、それって……」
顔が良いからじろじろ見られただけでは、とは言わなかった。
「学部も生物系だし、クレフは生き物が好きなのね」
「まあ、そうだな」
「何の動物が好き?」
「なんだ、今日は随分と取材がうまいじゃないか」
クレフが、少し意地悪そうに笑った。
「ふざけてないで、教えてよね」
「なんでも好きだ。魚、両生類、鳥も、それから、海」
「海の生き物?」
私もイルカやペンギンは好きよ、と言うとクレフはなぜだか苦笑いをしていた。
「ねえ、じゃあ水族館は行かないの?」
「行きたい……が、水族館こそ一人で行きにくいだろう。カップルは多いし、屋内だから閉塞感もある。そんな中あの白い目で見られたりしたら、それこそいたたまれなくなる」
「そんなことないと思うけど……。ねえ、じゃあ今度……」
私が言いかけると、クレフがわざとらしい仕草で頬杖をついた。またあのニヤニヤとした笑みを浮かべ、明らかにこちらの言葉を待っている。
「ばか! せっかく誘ってあげようと思ったのに!」
「すまない。少しからかいすぎた。もし海と一緒に行けるのなら、こんなに嬉しいことはない」
クレフは続けて言った。
「せっかくだから十二月に行こうか。臨海公園ならイルミネーションが始まるはずだ」
「それって……」
いつの間にか再来月の約束まで取り付けてしまった。しかも、十二月にデートなんて……。
「そんなの、やっぱり手口じゃない…」
「今のは、たしかに」
クレフが、笑った。
オランジェットも、残り少なくなってきた頃合いで、「まさか、全部食べるつもりか?」とクレフが聞いてきた。
「だって、おいしいんですもの。止まらなくって」
「たしかに味は良いが……。こんなに甘いものをよくそう何個も一気に食べられるな」
「全然余裕よ! 甘いもの大好きだもの!」
クレフが、また笑った。
憂いの差した、笑顔だった。
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
23.6.30
LAKI様にイメージイラストをおねだりしちゃいました🙏
かわいすぎてやばい。うれしすぎる。
クレさんがあまりにもかっこよすぎる……🤦好……。
以前「描きたい!描かせて下さい!」とお話させていただいてた白衣クレフさん&仰天海ちゃんのイメージ画です🤤💜💙✨(眼鏡クレさんは私の趣味ですw)
ミーハーな海ちゃんが可愛くて切ない名作なので読んで!✨↓↓↓https://t.co/AUfzVysZNL#クレ海 pic.twitter.com/W2yWPhVWVy— LAKI👉腐サブ垢開設 (@laki_cu_)June 30, 2023
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