闇の感覚〜after〜
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相変わらずの暗い空と無人ながらも物々しい雰囲気のランプキンレーンの中、鼻歌を歌いながら呑気に洗濯物を干しているネムリの姿があった。
「フーンフフフーン♪フフフーフーフーン♪」
少し背伸びをしながら、庭先の物干し竿に洗濯物を掛けていく。
ひんやりとした風がネムリの頬と洗濯物を撫でていく。
ふわり、お気に入りの柔軟剤の香りに、ネムリは頬を緩めた。
近くのベンチに腰を下ろして、ネムリはキャンプから持ってきたお気に入りの本を片手に、ゆったりと周囲を眺めた。
薄暗いながらも、庭の木の中には鮮やかな紅に染まった葉がちらほら見える。
ザワザワと風にざわめく木々の音が、心地良い。
目を細めてそっと深呼吸する。
少しだけひんやりとした、秋の気配を感じる匂いだ。
他の人には物騒で、不気味で、恐ろしい殺人鬼の住処でしかないこの場所も、愛しい人と共に暮らす我が家となっているネムリにとっては、最も心が落ち着く場所だ。
洗濯物が乾くまでの間、ネムリは本を読みながらゆったりと自分の時間を過ごした。
どれくらい経っただろうか。
心地良い風と共に、本の上に風でふわりと舞った何かの影が差し掛かった。
ネムリが本から顔を上げると、目の前でパタパタと真っ白なタオルが揺れていた。
そっと手に取るとふんわりと柔らかく、そしてほんのりと温かかった。
「ん。いい感じ」
にっこりと笑って、ネムリはテキパキと洗濯物を籠の中へと片付けていく。
最後に読んでいた本を籠の一番上に乗せて、ネムリは家の中へと向かって、また鼻歌を歌いながら歩き出した。
「さってと!」
リビングのソファに腰掛けながら、ネムリは傍に置いた籠の中の洗濯物を次々と取り出しては手際良く畳んでいった。
ふわふわのタオルやパジャマ代わりのTシャツ、下着類と次々と畳まれたタワーが積み上がっていく。
「あっ…」
次に手に取ったのは、いつもマイケルが着ているつなぎだ。
改めてまじまじと手に取って眺めると、かなり大きい。
籠から引っ張り出そうとしても胸から上の部分までしか出てこなかった。
手繰り寄せるようにつなぎを籠から取り出す。
両手で目の前に広がるように持って眺める。
やっぱり、かなり大きい…。
こんなサイズあるんだ、とか、やっぱりマイケルって大きいなぁ、とか思っていたネムリの心に、ふと悪戯心が芽生えた。
「…これ、着てみたらどんな感じなんだろう…」
暫くじーっと服を眺めたが、気になって仕方ない。
ネムリは少しだけワクワクしながら、マイケルのつなぎに袖を通していく。
硬い生地だと思っていたが、意外に内側の肌触りは悪くない。
少しごわついてはいるものの意外に快適なんだなぁ、とネムリは感心していた。
ズボンの部分に足を通して、ネムリは自身の姿をマジマジと眺める。
「あはっ…やっぱ大きすぎるなぁ」
ネムリは噴き出すように笑った。
マイケルのつなぎは、予想していた以上にダボダボで全くサイズが合っていなかった。
襟元も胸元も大きく開き、シャツを着ていなかったら完全に胸が見えてしまう状態だ。
本来ウエストで止まるはずの部分は股下ぐらいまで下がっているし、腕も足も到底袖から出ることはなく、お化けの仮装のようにぶらりと袖が垂れ下がり、ズボンの裾を引きずってしまっていた。
まるで、子供がパパやママの服を着ているような状態に、ネムリはクスクスと笑った。
ソファに体を預け、穏やかな笑い声をあげていると、ふわり、嗅ぎ慣れた心地良い香りが鼻腔をくすぐってきた。
「あっ…」
とっても落ち着くのに、心がざわつき、ドキドキと胸が騒ぎ始める。
腕を持ち上げて袖に鼻を近づけると、愛しい匂いがより強く、ネムリの鼻腔と心を擽った。
ネムリ頬を染めて、微笑んでいた。
ぽつり、と呟きが口からこぼれ出す。
「…なんか、マイケルに抱きしめられてるみたい…」
私ってばなに言ってるんだろ?
どうにも緩んでしまう頬を、だぼだぼの袖で押さえてみても、勝手に顔はにやけてしまって、へへっと変な笑い声がこぼれた。
愛しい匂いとつなぎから伝わるほんのりとした温もりが、嬉しいのに少しだけ恥ずかしかった。
「彼シャツって、こんな感じなんだ。…なんか、いいかも」
幸せがじんわりと心に染み渡ってくる。
ゆったりとソファに深く腰掛けて、長すぎる袖で口元を隠すようにしてクスクス笑っていると、突然背後で銃声のようなダァン!!という音が響いた。
地面が揺らぎ、一瞬ソファが浮き上がるような衝撃に、ひぇ!?と間抜けな悲鳴が溢れた。
「なっ、何!?地震!?」
反射的にソファにしがみ付いて音のした方向を振り返ると、すぐ真後ろに、マイケルがジッと佇んでいた。
1m離れているかいないかの距離に突然現れたマイケルにネムリは喜びよりも驚きでその場で硬直してしまった。
「ま、マイケル?いつのまに?」
マイケルはじっとネムリを見つめたまま微動だにしない。
まるで彫像のようにその場に佇んでいるものの、マイケルの目だけはじっと、それこそ舐めるようにこちらを見ているのが伝わってくる。
至近距離での凝視にいたたまれなくて、ネムリはマイケルに再び話しかけた。
「お、おかえりなさい。さっきすごい音して、地震かなぁ?なんて…えへ…えと…あの…マイケル…?」
あいも変わらずマイケルは何も答えない。
ラバーマスク越しの息遣いだけが、部屋に響く。
何?回線でも落ちてる?
目の前でパタパタと手、というか袖を振ってみるも、一切動かない。目線が動く気配も感じない。
どうしたものやらと、ネムリは長すぎる袖を垂らしたまま、そっと自分の頭を抱えた。
真正面から舐めるような視線を注ぎつつ、突然すっとマイケルがその両手を伸ばしてきた。
その手の動きを無意識に目で追いかける。
両手はまっすぐにネムリの方へと伸び、そして
「きゃっ!?な、なに?」
ソファ越しにネムリの脇の下に手を差し入れると容易くヒョイと持ち上げられた。
高い高いのような状態にネムリは足を、バタつかせる。
裾があまりまくってるズボンが、だらーんと尻尾のように垂れ下がっている。
そのせいかまるで、ネムリは持ち上げられた猫のような姿になっていた。
「おーろーしーてーよー!」
ジタバタしても垂れ下がった裾がふわんふわんと揺れるだけだ。
今度はネムリを持ち上げたままマイケルはじっと固まってしまった。
体格が大きく、常人以上に力も強いせいか、とんでもなく安定感があった。
もがいたところで裾がたなびくだけなので、諦めてだらんとされるがままにすることにした。
流石力持ち。安定感がすごい。
なんだろう、マイケルの謎の行動に疑問はあるものの、マイケルの腕に抱えられること自体にはとても安心感があった。
いつもと違う持ち方が少し斬新にも感じて、コレはコレでいいかも…、と思ったネムリは無意識に微笑んでいた。
ネムリを持ち上げて見つめ続けていたマイケルがビシリ、と音を立ててまた固まった。
「マイケル…?」
こてん、とネムリが首を傾げる。
傾げたネムリの首にボソボソと何かが囁くような音が聞こえる。
それと同時にネムリを持ち上げたままマイケルはスタスタと寝室の方へと歩いていく。
…なにか、嫌な予感がする…。
背中を汗がつー、と滑り落ちる感覚に、ぞくぞくとした予感が走り抜けていく。
チラリと伺った背後には、綺麗に整えられたベッドが見えた。
「ま、マイケル?あの…ど、どうしっきゃ!?」
ボスッ!と音を立てて、ネムリの体をベッドが受け止める。
身体が反動で弾むよりも早く、ギシリと音を立ててマイケルが覆いかぶさってくる。
胸元に手を添えて押し留めようと思っても、長すぎる袖の先がマイケルの膝で押さえ込まれているせいで、全く動かせなかった。
「やっちょっ…ず、ずるいっ!んんっ!…はっ…」
開いた唇の隙間から素早くマスクをずらしたマイケルの舌がぬるりと滑り込む。
くちゅり、と音を立てながら、分厚い舌がネムリの口内を蹂躙する。
歯列をなぞり、何度もネムリの舌をにゅるにゅると絡めとる度、ネムリの顔はとろけ、僅かに出来た隙間から甘い声が零れ落ちた。
「ひゃっ…んっ…むぅ…んなぁ…っんっ」
うるみ出した瞳が熱を帯びてマスク越しにマイケルの双眸を見つめる。
マスクの奥、蒼い瞳もまた熱のこもった目でネムリを見つめ返し、彼女の瞳の奥に見え隠れする欲望に応えるように、舌先で上顎をずるりと舐めた。
「んみゃああっ!!ひゃっむ…ぁむぅう…」
ビクリとネムリが体を震わせ目を見開く。
その様子を恍惚として見つめながら、ぴちゃりと音を立ててマイケルが顔を離す。
はぁ、と熱い吐息が頬を撫で、そのまま、ふぅ、と耳元にも吐息がかかる。
「あっ…」
たったそれだけで、ネムリはふるりと体を震わせ、甘い期待を滲ませた吐息を洩らす。
ぼんやりと熱に浮かされたネムリの耳にボソボソと、また囁く声がした。
今度はちゃんと聴き取れた。
低く、熱っぽいマイケルの声が耳を打つ。
ー… ネムリ、可愛すぎて我慢できない…ー
ー…食べていい?ー
囁くような熱い欲望を孕んだ吐息と共に、耳をぬるりと舌が犯す。
脳内に響く嫌らしい水音に、ネムリの下腹部が熱く疼き出す。
「んぁ…ああっ!!っん…ひゃう…なっあぁ…」
耳を舐めながら、マイケルの手が服の上から嫌らしく身体を這い回る。
首筋をツー、となぞり、胸の形を確かめるようにゆっくりと撫で、ネムリの快楽を生み出している腹部を優しく押し込んでくる。
薄い皮膚の下、煮えたぎる熱を生み出す下腹部がまた疼いて、ジュンと熱い蜜を溢す。
腹部から生まれた熱くいやらしい疼きは、波のように全身へと広がっていき、ネムリは抗いようもうない快楽にただただ甘い悲鳴を上げ、身体を震わせた。
「んっ、ま、まいける…っあっ…」
胸元を弄っていたマイケルの手が、突然着ていたTシャツを掴むと強引に左右に引っ張った。
布を裂く音と同時に、着ていたTシャツは見事に左右に裂け、白い胸元と可愛らしい淡いピンク色の下着が露わになった。
「きゃあ!?な、なっ…そんな無茶苦茶なっ」
反射的に抑えようと思っても、手は全く動かせない。
ネムリは顔を赤くして、うーとだけ唸って目を逸らした。
マイケルは口元に笑みを浮かべ、真っ白な胸元に口付ける。
チリッとした熱と共に、胸元が赤く彩られていく。
「ひゃっ…ふっ…ぁ…っあぁ…」
ぴくりぴくりと体を微かに震わせる。
マイケルは下着ごと胸を揉むと、器用に指先で下着のフロントホックを外した。
拘束を解かれた柔らかい胸が、ふるりと震え、期待に先を尖らせる胸の頂きがマイケルの前にさらけ出される
「あっ…そんなに、見ないで…」
必死に身を捩って隠そうとしても、マイケルから見れば誘うようにわざと胸を震わせているようにしか見えない。
ペロリと舌舐めずりをして、マイケルはネムリの胸の頂きを口に含んだ。
柔らかく熱い舌が敏感な部分を舐め、突き、口内で弄ぶ。
堪らずネムリは仰け反りながら甘い悲鳴を上げる。
「あっ!ふぁ…やっああっぁ…んっだ、めぇぇ…あぁ!」
鋭い快感にネムリは涙を零しながら喘ぐ。
その表情は決して嫌がっているようではなく、妖艶に微笑んでいるようですらあった。
身を捩る仕草すら、もっともっとと強請るようにしか見えない。
愛しい人に求められる喜びに震えながら、マイケルは早急に開いたつなぎの間から手を滑り込ませ、下着の上からネムリの秘部に手を這わせた。
「あっあぁ!マイケルっそこっ…やぁ…」
より一層ネムリは顔を赤らめ、ギュッと目をつぶって顔を逸らした。
そこがどうなっているか、ネムリ自身触られる前からわかりきっていたからだ。
くちゅり…
下着越しなのに濡れ切ったいやらしい音がした。
マイケルは下着越しに何度もそこをなぞりながら、ビクビクと震えるネムリの耳元は囁きかける。
ー…触る前からこんなにして… ネムリ可愛い…可愛くてやらしいね…ー
「いやっそんなこと、言わないでぇ…」
真っ赤な顔で切なげに眉を寄せてか細い悲鳴を上げるネムリの姿に、マイケルの中にもっと可愛い姿を見たいと欲望の囁きが聞こえてきた。
マイケルはそっとネムリを抱き起こすと、ベッドの上に座っている自分の足を跨ぐような形でネムリを膝立ちにさせた。
「んっ…な、に…?」
まだ快感の余韻が抜けきらず、息を整えるネムリの両手を背中に回し、長すぎて余った両袖を手に取り、ぎゅっ、と硬く結んだ。
「えっ…やぁ!な、何して!?」
ハッと気づいた時にはもう遅い。
ネムリの両手は背中で縛られたような形になり、先ほど以上に、確実に手を封じられてしまった。
振り解こうと身動ぐネムリの腰を引き寄せながら、つなぎの中へと滑り込んだ手が下着をずらしいく。
「あっやぁ…ぱ、パンツ下げないで…」
座り込んで隠そうにも、腰を抱き寄せられているせいで動くことができない。
つなぎのサイズが大きいせいで、ネムリの秘部はつなぎの隙間から見えてしまい、着ていない時よりもかえっていやらしく、恥ずかしい状態になってしまっていた。
興奮にマイケルは呼吸を荒げ、その大きな手をつなぎの隙間から秘部へと滑り込ませていく。
ネムリを抱き寄せて耳元に息を吹き掛けた。
「あっ…」
熱い吐息と、秘部に感じる熱い掌にネムリにぞくりとした痺れが走る。
羞恥と快楽への期待を隠しきれない甘い声がマイケルの耳朶を打つ。
ー可愛くて、いけないネムリ…僕の服着てそんなに興奮したの…?ー
ぬるりとマイケルの指が直接秘部をなぞる。
先程より鋭い刺激にネムリの腰が揺れる。マイケルの指に自分で擦り付けるように動いてしまったせいで、ネムリはさらに体をびくつかせる。
指先が敏感な芽をかする度に、頭が真っ白になってしまう。
「やっあ…ちが、も…んんっ!だぁめぇ…」
ー…本当に?僕の指に擦り付けて感じてるくらいなのに…?ー
くすり、と低い笑い声がした。
今まで触れるだけだったマイケルの指先が、突然引っ掻くように先端を撫でた。
それだけで、ネムリの身体は呆気なく達してしまった。
「んやぁああっ!!!はっ…ふぁあ…あっ…」
ガクガクと腰が震え、力の抜けて座り込もうとすると、待ち構えたようにそこに這わせたマイケルの指が、未だ快感で震えるネムリの秘部の中へとずぶりと沈み込んだ。
「きゃっああ!!やぁまだ、ダメぇ…」
なんとか腰を浮かせようとするネムリを追い詰めるように、マイケルは二本の指で締め付けてくる中を無理矢理押し広げるように動かし始めた。
「あっああ!!!だめっと、めてぇえ!!やあぁ!あっあぁん!!」
体を貫く快感に身体が屈し、座り込もうとする度に、より奥深くまでマイケルの指が中を抉ってくる。
だめぇおかしくなるっ…!!
なんとか逃れようと腰を浮かせようとするも、マイケルの暴れる指先が中を掠めて蠢いているせいで、勝手に力が抜けて、また奥深くが貫かれてしまう。
必死に動こうとすればするほど、かえってネムリ自身が快感を貪るような形になってしまい、恥ずかしさと強すぎる快感にネムリは羞恥と快楽で顔を歪める。
「やぁっ…はあっあっあ!!いっ…ま、まいけるぅ…だめぇっも、ゆるしてぇ…」
ゆるゆるとびくつきながら腰を微かに上下させるネムリの痴態にマイケルは口元に笑みを浮かべる。
それだけでネムリは察してしまった。
自分はこれから、さらに快楽の沼へと突き落とされるのだろう。
恐怖と甘く抗えない予感が、ぞくぞくと身体に走る。
ー僕の指でするの気持ちいい?ネムリ?ほら、遠慮しないでもっと動いていいんだよ…?手伝ってあげるー
腰を掴んだマイケルの手が強引にネムリの腰を上下に動かす。
ネムリは目を見開いて声にならない悲鳴を上げて体を仰け反らせた。
身体を強すぎる快感が貫き、頭が真っ白に染まってしまう。
ぷつり、とネムリの脳裏で何かが途切れた音がした。
「あっあ…いいっ…だめぇ…きもちいっよぉ…」
ネムリの目は快楽に染まり切り、とろんとした今にも蕩けそうな色で、マイケルを映していた。羞恥以上に、快楽で赤く染まった頬、誘うように舌を覗かせる口の端から、つーと唾液が溢れる。
マイケルが溢れた唾液を舐め上げ、噛み付くように口付けると、ネムリは自ら舌でマイケルの唇を舐め、舌を絡ませてきた。
ーあぁ… ネムリ……可愛すぎ…ー
吐息まじりに溢して、マイケルはネムリの口内を貪り、胎内をさらに責め立てる。
締め付けてくる中をこじ開け、ざらりとした部分を重点的に撫で上げる度にネムリの甘い嬌声と共に身体をビクビクと振るわせて妖艶に踊る。
甘い悲鳴に合わせて夢中で指を動かしていると、指の先がネムリの中の最奥に触れた。
「っきゃああっああ!!やあっ…な、に?」
たった一瞬触れただけで、ネムリはガクガクと震え、達してしまった。
ネムリはマイケルの指をキツく締め上げたまま、力なく肩口に頭をもたれさせ、熱のこもった目に困惑の色を浮かべてマイケルを見つめる。
「やっ…いまの、だめ…きもちよすぎて…おかしくなるぅ…」
ごくり、とマイケルの喉が鳴った。
ニヤリと歪んだマイケルの口元に、快楽に染まり切ったネムリの背中にぞくりと震えが走った。
「やっやぁ…まいけるっだめっ…めぇ…こ、われる…しょこは、こわれるからぁ…だめっ」
とうに理性の飛んだネムリの本能が、これ以上は怖いとブレーキを掛ける。
力なく嫌々と首を振るネムリの頬をそっと撫でマイケルは微笑んだ。
優しい笑顔にネムリの顔がほっとしたように緩む。
ー…僕で壊れて…ネムリー
囁きと同時に、マイケルの熱くはちきれそうな肉棒がネムリの体を貫き、叩きつけるように最奥を突き上げた。
ネムリは目を見開いて、ただ叫んだ。
「ひゃっあっああああ!!!!だぇええええ!!やっゆるじでええぇえええ」
被りを振って快楽から逃れようとするネムリをマイケルはキツく抱きしめて、激しく突き上げ続ける。
何度も脳裏を火花が散り、意識を失いそうになる度にまた快楽で叩き起こされる。
ネムリは壊れた機械のように身体をガクガクと振るわせ叫び続けた。
「あっお、おおおっ…あっあぇ、まい、けるぅも、だめぇえ…おがじぐなう…ぎもぢよしゅぎるよぉ…」
ぐちゅぐちゅと響く水音と、肌がぶつかる乾いた音、二人分の荒い呼吸と、ネムリの快楽の絶叫が部屋に反響する。
ー…ハッ…アッ…っネムリ…愛してる…ー
重ねた唇の中に甘い絶叫が吸い込まれていく。
一瞬、ほんの一瞬だけネムリが快楽の合間に嬉しそうな蕩けるような笑みを浮かべた。
マイケル自身も限界を感じ、キツくネムリを抱きしめて、最奥に煮え滾る欲望を迸らせた。
糸の切れた人形のように、ネムリはマイケルの腕の中でくたりと横たわっている。
先程の乱れようとは打って変わって、ひどく穏やかな微笑みを浮かべて寝入っていた。
汗で額に張り付いた髪を払ってやり、そっと口づけを落とすと、ネムリはふふ、まいける…と声を溢した。
ー… ネムリ?ー
呼び掛けても、返事はない。
寝ぼけて自分を呼ぶネムリの姿に、抑え切れない喜びを感じ、マイケルは微笑みを浮かべて唇にそっと口付けた。
彼女の顔を見つめながら、そっとベッドに体を横たえる。
マイケルは汗ばんで邪魔になった2着のつなぎを剥ぎ取るように投げ捨てると、生まれたままの姿でネムリを抱きしめた。
熱い素肌同士が触れ合い、心地よさと疲労感にすぐに目蓋が降りてくる。
ー…おやすみ、僕のネムリ…ー
穏やかで幸せに満ちた寝息が聞こえるのに、そう時間はかからなかった。