幽霊とウサギ(ゴスフェ)
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ふわふわと、揺蕩うような微睡の中、ネムリはすやすやと寝息を立てながら、ゴーストフェイスの腕の中で眠っていた。
安心し切った様子で自身の腕に抱かれるネムリの姿に、ゴーストフェイスは恐らく誰も見たことがないほど顔をデレデレと緩ませてその寝顔を見つめ続けていた。
「はぁ〜……いやマジで最高すぎるわネムリ。愛しすぎてヤバイ。俺幸せすぎて溶けそう」
悪戯に頬を軽く突くと、むー…と声を上げながらゴーストフェイスの胸元へとすり寄ってくる。
「っ!!!!っ!!!っはぁぁあ…」
ゴーストフェイスは片手で口元を押さえつつ、激しくベッドの上で身悶えしていた。
そしてふと、枕元へと置いたデジカメへと手を伸ばす。
電源を押すと、3時間弱にも及ぶ、昨日の行為がきちんとカメラ内に録画してあった。
ゴーストフェイスはにやりともう一度笑うと録画を重要フォルダに保存してロックをかけてから、カメラを起動する。
腕の中で微笑みを浮かべたまま眠るネムリの顔をパシャリと撮る。
「んんっ!!いいねぇ最高!!可愛いよネムリ」
ゴーストフェイスはそっとネムリの頬に口付け、空かさずカメラのシャッターを切る。
カメラの中には幸せそうに眠るネムリの頬に口付け、にやりと笑いながらカメラを見る自身の姿があった。
「んっんー!はぁ本当に最高…」
そっと額に口付け、柔らかい髪に指を通し、また彼女の柔らかい身体を抱きしめる。
ふわりと漂う甘い匂いを身体一杯に吸い込んで、ゴーストフェイスは幸福を噛み締めていた。
そんなゴーストフェイスの腕の中、ネムリが小さく呻き声を上げて身動いだ。
ゴーストフェイスは咄嗟に息を殺して、ネムリの様子をじっと見つめる。
黒い睫毛が震え、閉じられていた瞼がゆっくりと開いていく。
ぼんやりとした様子で、まだ微睡んでいるのか、虚な目にゴーストフェイスの顔が写り込んでいた。
「んん…」
なんだか妙に暑くて目が覚めた。
ふかふかのベッドに包まれて、心地よいはずなのに妙に身動きが取りづらい。
もぞもぞと動きながら目を開くと、
「おはようネムリ」
「っきゃっ!」
すぐ真横に男の顔があって驚いてしまった。
飛びのこうにもしっかりと抱きしめられていたせいでせいぜい身体を硬らせる程度しかできなかった。
せめてもの抵抗に布団を手繰り寄せて顔が半分隠れるくらいに潜り込む。
そのままびくびくと様子を伺っていると、はぁ、と男からため息が聞こえ、抱きしめてくる力が強くなった。
「ふぇっ!?」
「はぁーもう!なんでネムリそんなに可愛いかなぁ。もうほんっと!可愛すぎて俺どうにかなっちゃいそう」
でれっでれ、といった言葉が似合うほど、目の前の男の人は破顔していた。
ネムリは顔に困惑している様がありありと浮かんでいる。
困ったように眉根を寄せ、上目遣いでゴーストフェイスを見上げていた。
その姿に、何度目かわからないがゴーストフェイスの胸がキュン!と鳴る。
「っっ!!!はぁああ〜…」
「あ、あのっ…ええっと…」
ぎゅうぎゅうに抱きしめられながら、ネムリはただただゴーストフェイスの腕の中で固まっていた。
ど、どうしよう…
男の人に抱きしめられて、頬擦りされて、勿論恥ずかしくないわけじゃないけど、それよりもどうして良いのかわからない…
ネムリはゴーストフェイスになされるがまま、半ば呆然として布団とゴーストフェイスの腕の中に収まっていた。
可愛い可愛いと言われ続けていると、嬉しい反面かなり恥ずかしい。
そんなに可愛いと言われるほど目立つ容姿をしているわけでもないのに…
赤面しつつ布団に蹲っていると、
くぅ…きゅるるるる…
捨てられた子犬の泣き声のようなか細い音が、ネムリのお腹から響いた。
ネムリの顔がみるみる真っ赤に染まっていく。
そんなネムリに、ゴーストフェイスはさらに顔がでれっでれに溶けていく。
「っっっ!!!!ネムリかぁわいいい!!!」
「や、やめて下さい!き、聞かなかったことにっ!」
「もう本当にネムリヤバイわ!俺もうネムリのことしか考えらんない!」
さぁてご飯にしようなぁと、ウキウキしながら、ゴーストフェイスはベッドから飛び起き、シーツを纏っただけのネムリをお姫様抱っこして部屋を出て行こうとした。
ネムリはゴーストフェイスの腕の中、シーツを引っ張れるだけ引っ張って真っ赤になった顔を隠していた。
密かに見える真っ赤な耳に、ゴーストフェイスがまた可愛いなぁと破顔するのも時間の問題だった。