闇の感覚(マイケル)
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抵抗する気力もなく、マイケルに横抱きにされたまま連れてこられたのは、彼の根城、ランプキンレーンだった。
揺られながら視界の端に映ったのは、いつもそこに置いてあるジャックオランタン。
ぼんやりと鈍い輝きを、放ちながら、薄気味悪いニヤニヤ笑いを浮かべている。
オマエハモウモドレナイ
そんな風に嘲笑われているようで、ネムリは風も無いのに身震いをした。
私は一体どうなるんだろう?
何故マイケルは誰にも渡さないといったんだろう?
脳裏に蘇るのは、骸のおぞましい芸術品と化した仲間たち。
私も数分後には…
ネムリはギュッと目を閉じ、居もしない神に祈った。
マイケルがギィギィと音を立てて、傷んだ階段を登って家の中へと入っていく。
恐る恐る目を開けると、そこには古めかしいチェストがあった。
マイケルは片手でネムリを担ぎ直すと、空いた右手でチェストをゆっくりと押していく。
重そうな音を立ててチェストが後ろにずれていくと、マイケルの足元には階段があった。
見下ろす形で視界に映る階段は、まるで、暗闇が口を開けているかのような不気味さがあった。
ネムリは最後の抵抗とばかりに気力を振り絞り手足をばたつかせた。
しかし、マイケル相手ではあまりにも無力だった。
マイケルに強く抱きしめられると、それだけで手足の動きが全て封じられてしまう。
あぁ…
絶望の闇の中へ、ネムリはゆっくりと引き摺りこまれていった。
完全に地下へと降りると、マイケルは階段の上に位置するチェストを片手で引っ張って動かし、階段の出入り口を塞いでしまう。
あんなに重そうだったチェストを片手で…?
ネムリは先程暴れた際、もしマイケルが本気で力を込めていたら、今頃自分の身体は文字通りバラバラになっていたのかもしれない。
暗闇でわからないが、ネムリの顔はとうに血の気が失せ真っ青になっていた。
重たい音を立てながら、頭上から差し込むか細い光が徐々に細くなり、ついに地上への道は完全に閉ざされてしまった。
真っ暗な中、パチッと小さな音がした。
どうやら、マイケルがスイッチを押したらしい。
部屋が明るくなる。明るくなるとはいっても、心許ないランタンがいくつか灯ったくらいで、部屋の中は、薄暗い。
マイケルの腕の中から様子を伺うと、ここはどうやら住居のようになっているようだ。
簡易なキッチンや冷蔵庫、食器棚に簡素なテーブルと椅子、少し離れたところに古ぼけたベットが置かれていた。
隠れ家のような場所だ、とネムリはおもった。
でもなぜ、こんな場所に私を?
混乱しているネムリに構わず、マイケルはネムリをベッドの上に下ろした。
「……どうする、つもり…?」
ネムリは震える自身の身体をぎゅっと抱きとめながらマイケルを見上げた。
体を押さえてもなお震えが止まらない。
マイケルはただじっとネムリを見つめ続ける。
何をいうでもなく、マスクから溢れる息遣いだけが聞こえた。
おもむろにマイケルが右手を上げた。
手に持つ何かがキラリと光る。
「…っ!!」
包丁!?
目を見開いて固まる。
恐怖に凍りついたままよくよくみると、マイケルの手にあるのは包丁ではなく、小瓶のようだった。
そのままマイケルは、小瓶をネムリの方へと差し出した。
「…っ…な、に?」
戸惑いを隠せないネムリに、マイケルは小瓶を押し付ける。
いつの間に持ってきたのか、ベッドの傍にはノートとペンが置かれていた。
小瓶をネムリに持たせて、マイケルはペンを走らせる。
ー飲んでー
それだけ書いてノートを指差す。
ネムリの渡された小瓶の中には、何やら液体が入っているようだった。
水のような透明な液体。
でも、明らかに怪しいもののようにしか見えない。
「…ころす、つもり?」
カタカタと、手に持つ小瓶も震えた。
刺殺か、毒殺か。
どちらか選べと言われている気しかしない。
抗う力も気力もなくても、生きることを諦めたくはなかった。
マイケルは首を傾げると、またペンを走らせる。
ー君を殺したりはしないー
「…なにが、目的?」
部屋の中ではマイケルの呼吸音と共に、ペンを走らせる音が加わった。
ー君を誰にも渡さないー
ー僕だけが、君に触れる存在になるー
ー誰にも邪魔されない空間で、君を愛し尽くしたいー
スッと音もなくマイケルが詰め寄る。
ベッドの上。愛する。
まさかと思って後ろに下がるも、壁がネムリの行手を塞いだ。
顔の両隣に、マイケルが肘をつき、完全に逃げ道は無くなった。
目と鼻の先、顔が触れ合いそうな距離でじっとマイケルに見つめられる。
「…は、辱める、つもり?」
最後の抵抗とばかりにマイケルを睨みつける。
マイケルは首を傾げてそのままネムリの耳元へ口を寄せると…
ー君を愛したいだけだよ。怖がらなくていいー
優しく低い音色が確かに耳元で響いた。
殺人鬼とは到底思えない、まるで恋人に愛を囁くような声に、ネムリはただ困惑していた。
「い、みがわからない…」
震える手で恐々マイケルの胸を押し返す。
すると、瓶を持つ方の手をそっと握られた。
またマイケルが耳元で囁く。
ー大丈夫。毒なんかじゃないからこれを飲んでー
「…一体、これは何?なんなの?」
マイケルは何も答えず、そっと瓶を持つネムリの手を握る。
マイケルのマスクの奥、マイケルの目が笑ったような気がした。
揺られながら視界の端に映ったのは、いつもそこに置いてあるジャックオランタン。
ぼんやりと鈍い輝きを、放ちながら、薄気味悪いニヤニヤ笑いを浮かべている。
オマエハモウモドレナイ
そんな風に嘲笑われているようで、ネムリは風も無いのに身震いをした。
私は一体どうなるんだろう?
何故マイケルは誰にも渡さないといったんだろう?
脳裏に蘇るのは、骸のおぞましい芸術品と化した仲間たち。
私も数分後には…
ネムリはギュッと目を閉じ、居もしない神に祈った。
マイケルがギィギィと音を立てて、傷んだ階段を登って家の中へと入っていく。
恐る恐る目を開けると、そこには古めかしいチェストがあった。
マイケルは片手でネムリを担ぎ直すと、空いた右手でチェストをゆっくりと押していく。
重そうな音を立ててチェストが後ろにずれていくと、マイケルの足元には階段があった。
見下ろす形で視界に映る階段は、まるで、暗闇が口を開けているかのような不気味さがあった。
ネムリは最後の抵抗とばかりに気力を振り絞り手足をばたつかせた。
しかし、マイケル相手ではあまりにも無力だった。
マイケルに強く抱きしめられると、それだけで手足の動きが全て封じられてしまう。
あぁ…
絶望の闇の中へ、ネムリはゆっくりと引き摺りこまれていった。
完全に地下へと降りると、マイケルは階段の上に位置するチェストを片手で引っ張って動かし、階段の出入り口を塞いでしまう。
あんなに重そうだったチェストを片手で…?
ネムリは先程暴れた際、もしマイケルが本気で力を込めていたら、今頃自分の身体は文字通りバラバラになっていたのかもしれない。
暗闇でわからないが、ネムリの顔はとうに血の気が失せ真っ青になっていた。
重たい音を立てながら、頭上から差し込むか細い光が徐々に細くなり、ついに地上への道は完全に閉ざされてしまった。
真っ暗な中、パチッと小さな音がした。
どうやら、マイケルがスイッチを押したらしい。
部屋が明るくなる。明るくなるとはいっても、心許ないランタンがいくつか灯ったくらいで、部屋の中は、薄暗い。
マイケルの腕の中から様子を伺うと、ここはどうやら住居のようになっているようだ。
簡易なキッチンや冷蔵庫、食器棚に簡素なテーブルと椅子、少し離れたところに古ぼけたベットが置かれていた。
隠れ家のような場所だ、とネムリはおもった。
でもなぜ、こんな場所に私を?
混乱しているネムリに構わず、マイケルはネムリをベッドの上に下ろした。
「……どうする、つもり…?」
ネムリは震える自身の身体をぎゅっと抱きとめながらマイケルを見上げた。
体を押さえてもなお震えが止まらない。
マイケルはただじっとネムリを見つめ続ける。
何をいうでもなく、マスクから溢れる息遣いだけが聞こえた。
おもむろにマイケルが右手を上げた。
手に持つ何かがキラリと光る。
「…っ!!」
包丁!?
目を見開いて固まる。
恐怖に凍りついたままよくよくみると、マイケルの手にあるのは包丁ではなく、小瓶のようだった。
そのままマイケルは、小瓶をネムリの方へと差し出した。
「…っ…な、に?」
戸惑いを隠せないネムリに、マイケルは小瓶を押し付ける。
いつの間に持ってきたのか、ベッドの傍にはノートとペンが置かれていた。
小瓶をネムリに持たせて、マイケルはペンを走らせる。
ー飲んでー
それだけ書いてノートを指差す。
ネムリの渡された小瓶の中には、何やら液体が入っているようだった。
水のような透明な液体。
でも、明らかに怪しいもののようにしか見えない。
「…ころす、つもり?」
カタカタと、手に持つ小瓶も震えた。
刺殺か、毒殺か。
どちらか選べと言われている気しかしない。
抗う力も気力もなくても、生きることを諦めたくはなかった。
マイケルは首を傾げると、またペンを走らせる。
ー君を殺したりはしないー
「…なにが、目的?」
部屋の中ではマイケルの呼吸音と共に、ペンを走らせる音が加わった。
ー君を誰にも渡さないー
ー僕だけが、君に触れる存在になるー
ー誰にも邪魔されない空間で、君を愛し尽くしたいー
スッと音もなくマイケルが詰め寄る。
ベッドの上。愛する。
まさかと思って後ろに下がるも、壁がネムリの行手を塞いだ。
顔の両隣に、マイケルが肘をつき、完全に逃げ道は無くなった。
目と鼻の先、顔が触れ合いそうな距離でじっとマイケルに見つめられる。
「…は、辱める、つもり?」
最後の抵抗とばかりにマイケルを睨みつける。
マイケルは首を傾げてそのままネムリの耳元へ口を寄せると…
ー君を愛したいだけだよ。怖がらなくていいー
優しく低い音色が確かに耳元で響いた。
殺人鬼とは到底思えない、まるで恋人に愛を囁くような声に、ネムリはただ困惑していた。
「い、みがわからない…」
震える手で恐々マイケルの胸を押し返す。
すると、瓶を持つ方の手をそっと握られた。
またマイケルが耳元で囁く。
ー大丈夫。毒なんかじゃないからこれを飲んでー
「…一体、これは何?なんなの?」
マイケルは何も答えず、そっと瓶を持つネムリの手を握る。
マイケルのマスクの奥、マイケルの目が笑ったような気がした。