闇の感覚(マイケル)
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儀式終了後、各々が元いた焚火のある広場に帰ってきた。
あるものはやり遂げたような満足げな顔、またある者は疲れたような顔、戻ってきたことにホッとしているもの。
そんな面々を見ながら、ネムリは内心落ち込んだままキャンプへと戻ってきた。
「ggー!みんなお疲れー!」
「フェンミンただいま!」
ニコニコと手を振るフェンミンに抱きつくと、背中をよしよしと撫でられた。
「やれやれ。疲れたぜ」
ジェイクは手に持ったライトをどさりと落とし、丸太の上に座り込んだ。
「ハッ。柔だな。」
その様子をデイビットが鼻で笑いながら焚き火に当たっていた。
「体力バカには言われたくない」
「なんだと?隠密ばっかでセコセコフック破壊しかしねぇ野郎に言われたくねぇなぁ」
ろくに見向きもせず呟くジェイクに、デイビットは胸ぐらを掴むくらいの勢いで詰め寄った。
「ちょっとやめな、二人とも。気が立ってんのはわかるけどキャンプの雰囲気荒らすんじゃないよ」
焚火で夜食のスープを作っていたネアが、出来立てのスープが入ったマグカップを二人に差し出す。
二人は無言のまま受け取ると、そのまま互いを見ないようにスープを飲んだ。
夕食を終え、各々の時間を過ごす中、ネムリはキャンプから少し離れた川の側でぼんやりと流れる水を見つめていた。
「はぁ…」
今回も、足引っ張っちゃったなぁ…。
今日の儀式に呼ばれた仲間たちからは何も言われなかったけど、ネムリの成果は散々なものだった。
今日のキラーはマイケルで、発電機を爆発させてしまい、ネムリはすぐに見つかってしまった。
どうしようとパニックになりかける私の背中をデイビットが叩き、「俺に任せろ!」と私の身代わりでチェイスをしてくれた。
その後も、発電機を回しては爆発、マイケルが来て逃げるの繰り返し。
全然発電機も回らず、下手くそなりに必死でチェイスするも、ほんの数秒後、窓を越えようとしたところで捕まってしまった。
運ばれる中、必死で暴れるものの、マイケルはビクともせず、ズンズンと小屋へと向かっていく。
これはもしかして地下?
恐怖で力が抜けてしまう。
絶望で暴れるのすら諦めようとしたネムリの後ろで、ガシャン!と何かが落ちる音がした。
音に気を取られたのか、マイケルが足を止める。
その直後に、周囲が急に眩しくなった。
ぐぉ!!
という声とともに、マイケルが私を落とす。
なんとか立ち上がった私の手を握り、「走れ!」と、ジェイクが引っ張ってくれた。
背中に、突き刺さるようなマイケルの視線を感じ、死に物狂いでジェイクについて行った。
そのままついていくと、こちらに向かって駆けてくるデイビットと、開放したゲート前で手を振るドワイトがいた。
3人に支えられてなんとかゲートから駆け出していく。
背後を窺うと、ゲートの前でマイケルがこちらをじっと見つめていた。
一身に注がれる視線に、何かいつもと違う仄暗いものを感じて、ネムリは身体が震えた。
マイケルの視線を思い出し、またぞくりと身体が震えた。
自身を抱きしめるように蹲っていると、ポン、と肩に手をおかれた。
「っきゃああ!!!」
「わぁああ!!!ご、ごめん!!驚かすつもりは無かったんだ!」
「ド、ドワイト?」
ネムリの叫び声に驚いたのか、肩を叩いたドワイトもひっくり返って尻餅をついていた。
照れたように頬をかきながら、ドワイトが立ち上がる。
「なんだか落ち込んでたみたいに見えたからさ。心配で」
「あ…うん。」
バレてたのか…
でも、流石ドワイトだな、とも思った。
穏やかで、一見弱腰に見えるけど、個性的なメンバーを纏める事ができるのは彼しかいないだろう。
「今日の儀式、私足引っ張りまくっちゃって…。みんなで脱出は出来たけど、私じゃなかったら、もっとスムーズにいけたんじゃないかなぁって」
「そんな事ないよ。僕も実は今日散々でね。発電機何度か爆発させちゃって…」
すごくジェイクに睨まれたよ、とドワイトが申し訳なさそうに言った。
「え?うそ」
「本当だよ。でも、今回マイケルはなぜか君を熱心に追いかけ続けてたからね。もしかしたら、ネムリの行動が立派な揺動になってたのかもしれない」
「あ、確かに…」
「ネムリには申し訳ないけど、マイケルがネムリだけを追ってくれたお陰で、発電機もかなりのスピードでついた。足を引っ張ったどころか、今日のMVPっていってもいいんじゃないかな?」
「ふふ…そうなのかな?」
「自信持って!ネムリが笑顔でいてくれたら、皆んな元気出せるんだからさ」
「ありがと、ドワイト」
穏やかなドワイトの笑顔にネムリの落ち込んでいた気分も、少し軽くなった。
「いいとこ取りしてんじゃねーぞドワイト。」
「足手纏いとか一切思ってないからな。誤解すんな」
ガヤガヤと騒がしくデイビットがやってきた。
そのすぐ後ろからジェイクもこちらに向かってきた。
ワイワイと騒がしい3人を見て、ネムリは心からの笑みを浮かべた。
でも、この薄寒い感覚はなんだろう。
背中が凍るような、冷水に浸っているかのような、寒気が止まらない感覚…。
そろそろ戻ろうと促すドワイトに連れられて、キャンプへと足を運ぶ。
ふと、後ろを振り返った川の対岸、チラッと白いマスクが見えたような気がした。
立ちすくみ、ジッと目を凝らしてみる。
しかし、そこには何もいなかった。
「おい行くぞネムリ」
デイビットに背中を押され、不安を取り除けないまま、ネムリはみんなとキャンプへ戻って行った。
誰もいなくなった川辺に、まるで銃声のような爆音が轟いた。
天までそびえるような1本の巨木がメキメキと音を立てて折れる。
握り締め真っ赤になった拳を見つめながら、白いマスクの殺人鬼はじっと、ネムリの立ち去った方をいつまでも見つめ続けていた。
あるものはやり遂げたような満足げな顔、またある者は疲れたような顔、戻ってきたことにホッとしているもの。
そんな面々を見ながら、ネムリは内心落ち込んだままキャンプへと戻ってきた。
「ggー!みんなお疲れー!」
「フェンミンただいま!」
ニコニコと手を振るフェンミンに抱きつくと、背中をよしよしと撫でられた。
「やれやれ。疲れたぜ」
ジェイクは手に持ったライトをどさりと落とし、丸太の上に座り込んだ。
「ハッ。柔だな。」
その様子をデイビットが鼻で笑いながら焚き火に当たっていた。
「体力バカには言われたくない」
「なんだと?隠密ばっかでセコセコフック破壊しかしねぇ野郎に言われたくねぇなぁ」
ろくに見向きもせず呟くジェイクに、デイビットは胸ぐらを掴むくらいの勢いで詰め寄った。
「ちょっとやめな、二人とも。気が立ってんのはわかるけどキャンプの雰囲気荒らすんじゃないよ」
焚火で夜食のスープを作っていたネアが、出来立てのスープが入ったマグカップを二人に差し出す。
二人は無言のまま受け取ると、そのまま互いを見ないようにスープを飲んだ。
夕食を終え、各々の時間を過ごす中、ネムリはキャンプから少し離れた川の側でぼんやりと流れる水を見つめていた。
「はぁ…」
今回も、足引っ張っちゃったなぁ…。
今日の儀式に呼ばれた仲間たちからは何も言われなかったけど、ネムリの成果は散々なものだった。
今日のキラーはマイケルで、発電機を爆発させてしまい、ネムリはすぐに見つかってしまった。
どうしようとパニックになりかける私の背中をデイビットが叩き、「俺に任せろ!」と私の身代わりでチェイスをしてくれた。
その後も、発電機を回しては爆発、マイケルが来て逃げるの繰り返し。
全然発電機も回らず、下手くそなりに必死でチェイスするも、ほんの数秒後、窓を越えようとしたところで捕まってしまった。
運ばれる中、必死で暴れるものの、マイケルはビクともせず、ズンズンと小屋へと向かっていく。
これはもしかして地下?
恐怖で力が抜けてしまう。
絶望で暴れるのすら諦めようとしたネムリの後ろで、ガシャン!と何かが落ちる音がした。
音に気を取られたのか、マイケルが足を止める。
その直後に、周囲が急に眩しくなった。
ぐぉ!!
という声とともに、マイケルが私を落とす。
なんとか立ち上がった私の手を握り、「走れ!」と、ジェイクが引っ張ってくれた。
背中に、突き刺さるようなマイケルの視線を感じ、死に物狂いでジェイクについて行った。
そのままついていくと、こちらに向かって駆けてくるデイビットと、開放したゲート前で手を振るドワイトがいた。
3人に支えられてなんとかゲートから駆け出していく。
背後を窺うと、ゲートの前でマイケルがこちらをじっと見つめていた。
一身に注がれる視線に、何かいつもと違う仄暗いものを感じて、ネムリは身体が震えた。
マイケルの視線を思い出し、またぞくりと身体が震えた。
自身を抱きしめるように蹲っていると、ポン、と肩に手をおかれた。
「っきゃああ!!!」
「わぁああ!!!ご、ごめん!!驚かすつもりは無かったんだ!」
「ド、ドワイト?」
ネムリの叫び声に驚いたのか、肩を叩いたドワイトもひっくり返って尻餅をついていた。
照れたように頬をかきながら、ドワイトが立ち上がる。
「なんだか落ち込んでたみたいに見えたからさ。心配で」
「あ…うん。」
バレてたのか…
でも、流石ドワイトだな、とも思った。
穏やかで、一見弱腰に見えるけど、個性的なメンバーを纏める事ができるのは彼しかいないだろう。
「今日の儀式、私足引っ張りまくっちゃって…。みんなで脱出は出来たけど、私じゃなかったら、もっとスムーズにいけたんじゃないかなぁって」
「そんな事ないよ。僕も実は今日散々でね。発電機何度か爆発させちゃって…」
すごくジェイクに睨まれたよ、とドワイトが申し訳なさそうに言った。
「え?うそ」
「本当だよ。でも、今回マイケルはなぜか君を熱心に追いかけ続けてたからね。もしかしたら、ネムリの行動が立派な揺動になってたのかもしれない」
「あ、確かに…」
「ネムリには申し訳ないけど、マイケルがネムリだけを追ってくれたお陰で、発電機もかなりのスピードでついた。足を引っ張ったどころか、今日のMVPっていってもいいんじゃないかな?」
「ふふ…そうなのかな?」
「自信持って!ネムリが笑顔でいてくれたら、皆んな元気出せるんだからさ」
「ありがと、ドワイト」
穏やかなドワイトの笑顔にネムリの落ち込んでいた気分も、少し軽くなった。
「いいとこ取りしてんじゃねーぞドワイト。」
「足手纏いとか一切思ってないからな。誤解すんな」
ガヤガヤと騒がしくデイビットがやってきた。
そのすぐ後ろからジェイクもこちらに向かってきた。
ワイワイと騒がしい3人を見て、ネムリは心からの笑みを浮かべた。
でも、この薄寒い感覚はなんだろう。
背中が凍るような、冷水に浸っているかのような、寒気が止まらない感覚…。
そろそろ戻ろうと促すドワイトに連れられて、キャンプへと足を運ぶ。
ふと、後ろを振り返った川の対岸、チラッと白いマスクが見えたような気がした。
立ちすくみ、ジッと目を凝らしてみる。
しかし、そこには何もいなかった。
「おい行くぞネムリ」
デイビットに背中を押され、不安を取り除けないまま、ネムリはみんなとキャンプへ戻って行った。
誰もいなくなった川辺に、まるで銃声のような爆音が轟いた。
天までそびえるような1本の巨木がメキメキと音を立てて折れる。
握り締め真っ赤になった拳を見つめながら、白いマスクの殺人鬼はじっと、ネムリの立ち去った方をいつまでも見つめ続けていた。
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