DbD短編
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「ふー!いいお湯だったぁ」
ネムリはお気に入りのパジャマを身につけ、湯上りのご機嫌気分で部屋へと戻ってきた。
ふかふかのタオルで髪を拭いつつ、備え付けの冷蔵庫へ向かう。
「なーにのもうっかなぁ?」
ご機嫌で冷蔵庫へと手を伸ばそうとしたら、
「ぐえっ!?」
背後からドン!と何かがぶつかる衝撃。
突然冷蔵庫の扉と何かに身体をプレスされた。
「いでででで…んんっ!なにぃ?」
後ろを見るも、何にも見えない。
いや、かすかーに、空間が揺らめいて居るのは見える。
ふぅ、とため息をついて、後ろになんとか身体を捻る。
ネムリは自分の胸の辺りに蹲る何かに手を乗せる。
案の定、手は空中でなにかの上に乗った。
「…どーしたの?レイス」
「……」
「なんかあった?」
「……」
何を聞いても返事はないが、背中と冷蔵庫の間に奇妙な隙間が出来ていた。
身体がぎゅーっと抱きしめられているような気がする。
そして、その力は徐々に強くなっているように感じる。
もう一度ぽんぽん、と叩くと、カーンカーン、と鐘の音がした。
目の前の透明な揺らぎが徐々に姿を表していく。
見慣れた茶色のローブに、目が光っている顔の見えない仮面をつけた、背の高い男の姿だ。
目の部分の目尻にあたる部分ががしょんぼりと落ち込んだように下がっている。
「なんか嫌なことでもあったの?」
「……うん。」
小さな声で呟いて、レイスはグリグリと頭を胸に押し付けてくる。
「お疲れ様みたいね。」
レイスの背中に手を回して抱き締める。
仕草は子供っぽいものの、レイスは体格の大きい大人だ。
上手く背中まで手が回りきらない。
背中をヨシヨシと叩くと、さらにぎゅうっと抱きしめてきた。
「うん…… ねえ、ネムリ」
レイスはネムリの胸元から顔を上げる。
泣きそうな顔のままスッとネムリに顔を近づけてきた。
「んっ…」
ネムリは微笑みながら目を閉じる。
チュ、と小さなリップ音を立てて、レイスの乾燥している唇にキスをした。
そのまま彼の首に手を回し、軽く背伸びをして、より強く唇を彼に押し付ける。
「んっ、レイス。おかえりなさい」
「うん…。ただいま。」
レイスは弱々しく笑った。
いまだに落ち込んだままのレイスをベッドに座らせ、ネムリは冷蔵庫からペリエとオレンジジュースのペットボトルを取り出した。
しょんぼりと項垂れるレイスにオレンジジュースを差し出す。
「ん…ありがとう」
「何があったの?そんなに落ち込むなんて」
プシュ、と音を立ててペットボトルの蓋を開ける。
しゅわしゅわと口の中で弾ける炭酸と、冷たくて少し苦味のある水が、喉を爽やかに通り過ぎ、風呂上がりで乾いた身体に染みていく。
隣を見ると、レイスも両手でペットボトルを持ち、オレンジジュースを飲んでいた。
しょんぼりとしていた表情が、少し和らいでいる。
「うん。…実はさ、今日のマッチで出会ったサバイバー全員にライト当てられ続けちゃってさ…」
「そっかぁ…それは大変だったね」
レイスが気落ちしているのにもなんだか納得した。
レイスは光に弱く、ライトを当てられるのは大の苦手だ。
余程苦痛らしく、しばらく動けなくなってしまう。
それなのに、ライトを当てられ続けたのだとしたら、相当堪えた事だろう。
「そっか…サバイバー達には逃げられちゃったの?」
「んーん。全員2回づつ釣ってメメントした」
「そ、そう…」
落ち込んでても、しっかりと復讐は遂げていたらしい。
おっとりしてるようで、どこか狂気も孕んでいる彼も、やはり生粋のキラーなのだと思った。
でもまだ、落ち込んでいるようで、また再びしょんぼりとしてしまった。
「全員釣れたならよかったじゃない。他にも何か嫌なことあったの?」
「んーん……疲れた」
ポツリと、呟くと、そのままどさっと膝の上に頭を乗せてきた。
先程と同じように、甘えるみたいに腰に手をぎゅっと回してくる。
「まだアイツらはムカつくし、できることなら何回でもメメントしてやりたいなとは思うけど、でも…なんか、疲れた」
なんだか、思い通りに行かなくて拗ねてる子供みたいだな、と思って、思わずクスリと笑ってしまった。
「今日も頑張ったんだねレイス。ほーんと、お疲れ様」
よしよしと頭を何度も撫でる。
レイスは一度腰から手を離し、仰向けになるとネムリの頬へと手を伸ばした。
ネムリも伸ばした掌に頬をすり寄せる。
両手がネムリの頬を包み、レイスの手で下へと引き寄せられた。
至近距離で見つめ合う。
じっと見つめてくる丸い目を見つめ返す。
レイスもまた、優しい眼差しで自分を写すネムリの目を見つめる。
ネムリは優しく微笑み、
「大好きよ、レイス。今日も無事帰ってきてくれてありがとう」
そう言ってそっと触れるような優しいキスをしてくれた。
あぁ…この子が今、僕だけを見てくれているなら、
それで、十分幸せじゃないか…
レイスの心の中の、荒んだ気持ちがすーっと溶けて消えていく。
代わりに心を満たすのは、この世界で誰よりも愛する人が自分を受け入れ、愛してくれているという幸福感。
レイスが今日この部屋にきて初めて、にっこりと笑った。
「うん…。僕も大好きだよ、ネムリ。愛してる」
いつも真っ直ぐに気持ちをつたえてくれるレイスに、ネムリは少し顔を赤らめた。
とっても嬉しくて、でもやっぱり、少し照れて、心臓がドキドキと騒いでしまう。
ふとしたことで、
あ、私本当にレイスが好きなんだなぁ
といつも感じる。
私のこの気持ちが伝わりますように、と思いながら、ネムリはレイスの額にそっとキスをする。
レイスは再びにっこりと笑った。
そして一転。
「えっ!?あ、あれ?」
気づいた時には身体がベッドに押し倒されていた。
上に乗ったレイスが両肩を優しく押さえながらこちらを見つめている。
「ネムリ大好き。もっとくっつきたいんだ。ダメ?」
あくまで無理強いするような気配は微塵もない。
余裕の様子で、優しく微笑みながら、そっと頬に手が触れる。
偶に小さな子供のように感じるけれど、こういう時のレイスは、不思議と落ち着いた男の人の顔をする。
なんか、ずるいなぁ。
既に心臓がドキドキと高鳴っているのに、こうやってまた、私の心に火を点けてくる。
「嫌…?」
少し切なそうに眉を潜めてレイスがこちらを伺う。
大人の男で、それで子供みたいな所もあって。
ドキドキするのと、愛しいのとでネムリの胸はいっぱいだった。
「もう。バカ。嫌なんて言わないのわかってるくせに」
ネムリが甘い声ではにかみながらクスリと笑う。
可愛らしくて、でもどこか妖艶で。
あぁもう!本当にこの子は!
抑えようもない気持ちとともに、身体が昂ってくる。
そのままネムリの隅々まで愛し尽くそう、とした途端、
「まだだーめ!まずはお風呂入って、汚れと疲れとってきて?」
ネムリの唇に触れるはずの僕の唇は、ネムリの指先に口づけていた。
「えーっ…お風呂よりご飯より、ネムリを食べたいんだけど」
「ふふ。だーめ!せっかくお風呂あったかいし、凄くいい香りの入浴剤入れたんだよ?」
ネムリがほら、と言って僕の首に両手を回して抱きつく。
ふわりと広がるいい香りと、その香りに負けないくらい漂う甘くてしあわせになるネムリの香り。
匂いと色香にふらつきそうになるものの、ネムリと同じ香りに包まれるのも悪くないかな。
「むう…。うーん。わかった。お風呂入ってくる」
「ん!ゆっくりくつろいで来なよー」
名残惜しそうに頬をすり寄せた後、レイスが離れていく。
「あ、そうだ。もし眠かったら寝てていいよ」
思い出したかのようにレイスが呟いた。
「え?大丈夫!起きてるよ。まだ眠たくないし」
「でも今寝とかないと、多分もう寝られないよ?」
「えー?夜更かしでもするの?ふふ。大丈夫!」
そっか、と笑ってレイスが立ち上がる。
手を振って見送っていると、
着替えを手に取り部屋を出る直前、レイスが振り返って、
「先に言っておくね。僕、今日ネムリを寝かせるつもりないから。」
怪しく微笑んでから、レイスは足取り軽く部屋を出て行った。
残されたネムリはベッドの上で顔を真っ赤にして、しばらく固まってしまったのだった。
ネムリはお気に入りのパジャマを身につけ、湯上りのご機嫌気分で部屋へと戻ってきた。
ふかふかのタオルで髪を拭いつつ、備え付けの冷蔵庫へ向かう。
「なーにのもうっかなぁ?」
ご機嫌で冷蔵庫へと手を伸ばそうとしたら、
「ぐえっ!?」
背後からドン!と何かがぶつかる衝撃。
突然冷蔵庫の扉と何かに身体をプレスされた。
「いでででで…んんっ!なにぃ?」
後ろを見るも、何にも見えない。
いや、かすかーに、空間が揺らめいて居るのは見える。
ふぅ、とため息をついて、後ろになんとか身体を捻る。
ネムリは自分の胸の辺りに蹲る何かに手を乗せる。
案の定、手は空中でなにかの上に乗った。
「…どーしたの?レイス」
「……」
「なんかあった?」
「……」
何を聞いても返事はないが、背中と冷蔵庫の間に奇妙な隙間が出来ていた。
身体がぎゅーっと抱きしめられているような気がする。
そして、その力は徐々に強くなっているように感じる。
もう一度ぽんぽん、と叩くと、カーンカーン、と鐘の音がした。
目の前の透明な揺らぎが徐々に姿を表していく。
見慣れた茶色のローブに、目が光っている顔の見えない仮面をつけた、背の高い男の姿だ。
目の部分の目尻にあたる部分ががしょんぼりと落ち込んだように下がっている。
「なんか嫌なことでもあったの?」
「……うん。」
小さな声で呟いて、レイスはグリグリと頭を胸に押し付けてくる。
「お疲れ様みたいね。」
レイスの背中に手を回して抱き締める。
仕草は子供っぽいものの、レイスは体格の大きい大人だ。
上手く背中まで手が回りきらない。
背中をヨシヨシと叩くと、さらにぎゅうっと抱きしめてきた。
「うん…… ねえ、ネムリ」
レイスはネムリの胸元から顔を上げる。
泣きそうな顔のままスッとネムリに顔を近づけてきた。
「んっ…」
ネムリは微笑みながら目を閉じる。
チュ、と小さなリップ音を立てて、レイスの乾燥している唇にキスをした。
そのまま彼の首に手を回し、軽く背伸びをして、より強く唇を彼に押し付ける。
「んっ、レイス。おかえりなさい」
「うん…。ただいま。」
レイスは弱々しく笑った。
いまだに落ち込んだままのレイスをベッドに座らせ、ネムリは冷蔵庫からペリエとオレンジジュースのペットボトルを取り出した。
しょんぼりと項垂れるレイスにオレンジジュースを差し出す。
「ん…ありがとう」
「何があったの?そんなに落ち込むなんて」
プシュ、と音を立ててペットボトルの蓋を開ける。
しゅわしゅわと口の中で弾ける炭酸と、冷たくて少し苦味のある水が、喉を爽やかに通り過ぎ、風呂上がりで乾いた身体に染みていく。
隣を見ると、レイスも両手でペットボトルを持ち、オレンジジュースを飲んでいた。
しょんぼりとしていた表情が、少し和らいでいる。
「うん。…実はさ、今日のマッチで出会ったサバイバー全員にライト当てられ続けちゃってさ…」
「そっかぁ…それは大変だったね」
レイスが気落ちしているのにもなんだか納得した。
レイスは光に弱く、ライトを当てられるのは大の苦手だ。
余程苦痛らしく、しばらく動けなくなってしまう。
それなのに、ライトを当てられ続けたのだとしたら、相当堪えた事だろう。
「そっか…サバイバー達には逃げられちゃったの?」
「んーん。全員2回づつ釣ってメメントした」
「そ、そう…」
落ち込んでても、しっかりと復讐は遂げていたらしい。
おっとりしてるようで、どこか狂気も孕んでいる彼も、やはり生粋のキラーなのだと思った。
でもまだ、落ち込んでいるようで、また再びしょんぼりとしてしまった。
「全員釣れたならよかったじゃない。他にも何か嫌なことあったの?」
「んーん……疲れた」
ポツリと、呟くと、そのままどさっと膝の上に頭を乗せてきた。
先程と同じように、甘えるみたいに腰に手をぎゅっと回してくる。
「まだアイツらはムカつくし、できることなら何回でもメメントしてやりたいなとは思うけど、でも…なんか、疲れた」
なんだか、思い通りに行かなくて拗ねてる子供みたいだな、と思って、思わずクスリと笑ってしまった。
「今日も頑張ったんだねレイス。ほーんと、お疲れ様」
よしよしと頭を何度も撫でる。
レイスは一度腰から手を離し、仰向けになるとネムリの頬へと手を伸ばした。
ネムリも伸ばした掌に頬をすり寄せる。
両手がネムリの頬を包み、レイスの手で下へと引き寄せられた。
至近距離で見つめ合う。
じっと見つめてくる丸い目を見つめ返す。
レイスもまた、優しい眼差しで自分を写すネムリの目を見つめる。
ネムリは優しく微笑み、
「大好きよ、レイス。今日も無事帰ってきてくれてありがとう」
そう言ってそっと触れるような優しいキスをしてくれた。
あぁ…この子が今、僕だけを見てくれているなら、
それで、十分幸せじゃないか…
レイスの心の中の、荒んだ気持ちがすーっと溶けて消えていく。
代わりに心を満たすのは、この世界で誰よりも愛する人が自分を受け入れ、愛してくれているという幸福感。
レイスが今日この部屋にきて初めて、にっこりと笑った。
「うん…。僕も大好きだよ、ネムリ。愛してる」
いつも真っ直ぐに気持ちをつたえてくれるレイスに、ネムリは少し顔を赤らめた。
とっても嬉しくて、でもやっぱり、少し照れて、心臓がドキドキと騒いでしまう。
ふとしたことで、
あ、私本当にレイスが好きなんだなぁ
といつも感じる。
私のこの気持ちが伝わりますように、と思いながら、ネムリはレイスの額にそっとキスをする。
レイスは再びにっこりと笑った。
そして一転。
「えっ!?あ、あれ?」
気づいた時には身体がベッドに押し倒されていた。
上に乗ったレイスが両肩を優しく押さえながらこちらを見つめている。
「ネムリ大好き。もっとくっつきたいんだ。ダメ?」
あくまで無理強いするような気配は微塵もない。
余裕の様子で、優しく微笑みながら、そっと頬に手が触れる。
偶に小さな子供のように感じるけれど、こういう時のレイスは、不思議と落ち着いた男の人の顔をする。
なんか、ずるいなぁ。
既に心臓がドキドキと高鳴っているのに、こうやってまた、私の心に火を点けてくる。
「嫌…?」
少し切なそうに眉を潜めてレイスがこちらを伺う。
大人の男で、それで子供みたいな所もあって。
ドキドキするのと、愛しいのとでネムリの胸はいっぱいだった。
「もう。バカ。嫌なんて言わないのわかってるくせに」
ネムリが甘い声ではにかみながらクスリと笑う。
可愛らしくて、でもどこか妖艶で。
あぁもう!本当にこの子は!
抑えようもない気持ちとともに、身体が昂ってくる。
そのままネムリの隅々まで愛し尽くそう、とした途端、
「まだだーめ!まずはお風呂入って、汚れと疲れとってきて?」
ネムリの唇に触れるはずの僕の唇は、ネムリの指先に口づけていた。
「えーっ…お風呂よりご飯より、ネムリを食べたいんだけど」
「ふふ。だーめ!せっかくお風呂あったかいし、凄くいい香りの入浴剤入れたんだよ?」
ネムリがほら、と言って僕の首に両手を回して抱きつく。
ふわりと広がるいい香りと、その香りに負けないくらい漂う甘くてしあわせになるネムリの香り。
匂いと色香にふらつきそうになるものの、ネムリと同じ香りに包まれるのも悪くないかな。
「むう…。うーん。わかった。お風呂入ってくる」
「ん!ゆっくりくつろいで来なよー」
名残惜しそうに頬をすり寄せた後、レイスが離れていく。
「あ、そうだ。もし眠かったら寝てていいよ」
思い出したかのようにレイスが呟いた。
「え?大丈夫!起きてるよ。まだ眠たくないし」
「でも今寝とかないと、多分もう寝られないよ?」
「えー?夜更かしでもするの?ふふ。大丈夫!」
そっか、と笑ってレイスが立ち上がる。
手を振って見送っていると、
着替えを手に取り部屋を出る直前、レイスが振り返って、
「先に言っておくね。僕、今日ネムリを寝かせるつもりないから。」
怪しく微笑んでから、レイスは足取り軽く部屋を出て行った。
残されたネムリはベッドの上で顔を真っ赤にして、しばらく固まってしまったのだった。