はじまりは
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「……で?」
頬杖をついて、呆れたように私を見つめるカナちゃんに私は昨夜のことを鮮明に思い出しながら思った事を伝えた。
「え?で?って、それで、良い夢を見て今日も元気!!」
「マジか!!」
「あーー武市さんかっこよかったーー!」
「ねー、あんたさ。それでいいの??」
「え??」
「だーーーかーーらーー!連絡先!!聞かなくてよかったの??」
「!?あっ!!!!」
明らかに落胆する私の頭を撫でながら、カナちゃんは気づいてなかったかーと、あやしてくれていた。
でも、なんだろ。また、会えそうな気がするんだ。
不思議な気持ちが芽生えていた。
これってやっぱり…偶然が運命に変わったのかな?
それから各部署の社員研修も終わり、新入社員はそれぞれの配属先が決まった。
私はカナちゃんと同じ部署になり、いい出会いと、これからの生活に期待とちょっとの不安もあるが忙しい毎日を送ることになったのだ。
先輩方と挨拶も交わし、自分のデスクにつくと、なんとも言えない高揚感が出た。
これは、学生の頃と似ている気がした。
「おい、春風。部長にこの書類届けて来てもらえないか?ついでに挨拶もしっかりしてこい。部長もお呼びだ。」
「わかりました。」
足早に部長室へ行き、部屋をノックし声をかけた。
「頼まれた書類を持って来ました。失礼します。」
部長室に入ると職員室みたいで緊張する。
重厚感のあるソファーにテーブル。
その奥にあるデスクは私のよりはるかに大きく、書類の山があった。
しかし、それを感じさせない整理の仕方は、その人を表しているようだ。
「ありがとう。」
「はい!!この度新しく配属になりました。春風 さくらです。よろしくお願いします!!」
緊張で声が上ずってしまった。
私は思いっきり頭を下げた。
その私の頭上からは、なんとも優しい声が降って来たのだ。
「部長の武市です。期待していますよ?」
「は、はい!ありがとうございます!ぅ?」
ん????た、けち??
私は頭を上げてハッとした。
緊張もあるけど、メガネをみてハッとした。
まさか。いや、でももしかして。
「あの…メガネ…」
「あぁ、すまないね。仕事中はよくやるんだよ。これで思い出したかな??」
心臓の速さと音がドンドン大きくなっていく。
まさか、そんなことって??
私はあまりの衝撃に書類を落としてしまった。
「実はね、前から僕は君のことをしっていましたよ?社員の、しかも同じ部署の仲間の顔と名前は全て知っておきたいしね。」
うそ…こんなことって。
驚きと喜びで声が出ない私の髪をひとすくい指にとって、それは綺麗に微笑むから…
私は立っていられないほど、力が抜けてしまい。
「おっと!大丈夫ですか?」
膝からカクっと力が抜けた私を抱きとめて、なんともスマートにソファーへとそのまま座らされてしまった。
肩肘をついて今にもお互いの口が触れそうな距離に、憧れていた武市さんの顔。
その瞳から目が離れない。
深い海の様な綺麗なブルーの瞳に私は息をするのもわすれていた。
キス…されちゃう…
思わずそう思った。
その時だった、軽快に扉をノックすり音が響き、武市さんが顔を上げた。
「失礼します。武市先生。」
ドアからは若い赤髪の男の人が入って来た。
「貴様!!!武市先生に何をしている!!!」
「落ち着け、以蔵。彼女は体調が優れない様で様子を見ていたんだ。」
「流石、先生です!!」
怒られたし!!?なんで?
以蔵と呼ばれた赤髪の男の人は私に年が近い様だが、武市さんのお世話がかりらしい。
目をキラキラと光らせて、初対面の私ですら、武市さんの事が大好きなんだなと分かるほどだ。
「先生、車の用意が」
「わかった。では、さくらさん。せっかくだが、出ないといけないのでね、また。」
「はっはい。」
すれ違う際に耳にかすかに聞こえた言葉。
「また電車で」
耳元で響いた声。
声が身体を駆け巡り、腰の力を奪い去っていった。
私は顔が真っ赤になりながら、その場を動くことが出来なかった。
1回目は偶然で2回目は運命
そして3回目は…必然に。
私の手の中にはすれ違いざまに渡された、武市さんの番号が書かれた小さな紙が握られていた。
これが、恋のはじまり。
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頬杖をついて、呆れたように私を見つめるカナちゃんに私は昨夜のことを鮮明に思い出しながら思った事を伝えた。
「え?で?って、それで、良い夢を見て今日も元気!!」
「マジか!!」
「あーー武市さんかっこよかったーー!」
「ねー、あんたさ。それでいいの??」
「え??」
「だーーーかーーらーー!連絡先!!聞かなくてよかったの??」
「!?あっ!!!!」
明らかに落胆する私の頭を撫でながら、カナちゃんは気づいてなかったかーと、あやしてくれていた。
でも、なんだろ。また、会えそうな気がするんだ。
不思議な気持ちが芽生えていた。
これってやっぱり…偶然が運命に変わったのかな?
それから各部署の社員研修も終わり、新入社員はそれぞれの配属先が決まった。
私はカナちゃんと同じ部署になり、いい出会いと、これからの生活に期待とちょっとの不安もあるが忙しい毎日を送ることになったのだ。
先輩方と挨拶も交わし、自分のデスクにつくと、なんとも言えない高揚感が出た。
これは、学生の頃と似ている気がした。
「おい、春風。部長にこの書類届けて来てもらえないか?ついでに挨拶もしっかりしてこい。部長もお呼びだ。」
「わかりました。」
足早に部長室へ行き、部屋をノックし声をかけた。
「頼まれた書類を持って来ました。失礼します。」
部長室に入ると職員室みたいで緊張する。
重厚感のあるソファーにテーブル。
その奥にあるデスクは私のよりはるかに大きく、書類の山があった。
しかし、それを感じさせない整理の仕方は、その人を表しているようだ。
「ありがとう。」
「はい!!この度新しく配属になりました。春風 さくらです。よろしくお願いします!!」
緊張で声が上ずってしまった。
私は思いっきり頭を下げた。
その私の頭上からは、なんとも優しい声が降って来たのだ。
「部長の武市です。期待していますよ?」
「は、はい!ありがとうございます!ぅ?」
ん????た、けち??
私は頭を上げてハッとした。
緊張もあるけど、メガネをみてハッとした。
まさか。いや、でももしかして。
「あの…メガネ…」
「あぁ、すまないね。仕事中はよくやるんだよ。これで思い出したかな??」
心臓の速さと音がドンドン大きくなっていく。
まさか、そんなことって??
私はあまりの衝撃に書類を落としてしまった。
「実はね、前から僕は君のことをしっていましたよ?社員の、しかも同じ部署の仲間の顔と名前は全て知っておきたいしね。」
うそ…こんなことって。
驚きと喜びで声が出ない私の髪をひとすくい指にとって、それは綺麗に微笑むから…
私は立っていられないほど、力が抜けてしまい。
「おっと!大丈夫ですか?」
膝からカクっと力が抜けた私を抱きとめて、なんともスマートにソファーへとそのまま座らされてしまった。
肩肘をついて今にもお互いの口が触れそうな距離に、憧れていた武市さんの顔。
その瞳から目が離れない。
深い海の様な綺麗なブルーの瞳に私は息をするのもわすれていた。
キス…されちゃう…
思わずそう思った。
その時だった、軽快に扉をノックすり音が響き、武市さんが顔を上げた。
「失礼します。武市先生。」
ドアからは若い赤髪の男の人が入って来た。
「貴様!!!武市先生に何をしている!!!」
「落ち着け、以蔵。彼女は体調が優れない様で様子を見ていたんだ。」
「流石、先生です!!」
怒られたし!!?なんで?
以蔵と呼ばれた赤髪の男の人は私に年が近い様だが、武市さんのお世話がかりらしい。
目をキラキラと光らせて、初対面の私ですら、武市さんの事が大好きなんだなと分かるほどだ。
「先生、車の用意が」
「わかった。では、さくらさん。せっかくだが、出ないといけないのでね、また。」
「はっはい。」
すれ違う際に耳にかすかに聞こえた言葉。
「また電車で」
耳元で響いた声。
声が身体を駆け巡り、腰の力を奪い去っていった。
私は顔が真っ赤になりながら、その場を動くことが出来なかった。
1回目は偶然で2回目は運命
そして3回目は…必然に。
私の手の中にはすれ違いざまに渡された、武市さんの番号が書かれた小さな紙が握られていた。
これが、恋のはじまり。
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