桜の季節
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さくら「只今戻りました~。」
お登勢「お帰りさくらちゃん。あら、大久保様、おいでやす。どうぞお上がりください。もうみなはん、大広間で待たれてますよ?」
大久保「?」
お登勢「さくらちゃん。荷物変わりに持って行くから、先にご挨拶しておいで?」
お登勢さんにお礼を言って、何時もの大広間へ大久保さんと向かった。
大広間へつくと声をかけ、襖を開けようとしたら、その前に勢いよく襖があいたのだった。
さくら「きゃ!!」
高杉「おい!さくら!遅かったな!待ちくたびれたぞ!!」
さくら「たっ高杉さん!」
桂「やぁ、さくらさん。お邪魔しているよ?」
さくら「桂さん!」
そこには高杉さんと桂さんが立っていた。またその奥には龍馬さん達も帰ってきていた。
桂「おや、大久保さんも一緒でしたか。」
龍馬「おーおー。大久保さん!良かったぜよ。今迎えに行こうと思っちょったんじゃ。一緒じゃったか。」
大久保「途中小娘に会ったからな。ついでだ。さ、小娘、早く用意しろ。」
以蔵「おいなんだ。その口の聞き方は。」
さくら「まーまー以蔵。落ち着いて」
中岡「聞きましたよ!今日は姉さんがオレらの為に、夕餉を用意してくれるって。
時間も時間だったので、高杉さんと桂さんにはお越しいただいたんス。
でも、その後長州藩邸に行くと聞いて驚きました。夜に出歩くのは良くないっスよ、心配するっス。」
慎ちゃんの目を見てしっかりと謝罪の言葉を口にした。確かに慎ちゃんや大久保さんの言う通りだ。
武市「最初聞いた時は、空いた口が塞がらなかったよ。でも、それも僕たちを思っての行動。しかも一人で全員分の買い出しまでしてきてくれたそうじゃないか。
本当にいつも君は…ありがとう。楽しみにしているよ。」
中岡「なんかあったら言って欲しいっス。お手伝いしますから。」
さくら「ありがとう。慎ちゃん!」
慎ちゃんとエヘヘと笑い合うと、後ろから低い声が聞こえてきた。
高杉「オレも晋ちゃんなんだけどな。」
さくら「高杉さんも!楽しみに待っていてください!」
大久保「小娘の料理か。期待はせん。」
さくら「むー。絶対美味しいって言わせてみせます!」
龍馬「さくら。おんしが作る料理は初めての事じゃき、まっこと楽しみじゃ。」
龍馬さんの笑顔を見て、私は当初の目的を思い出した。
みんなが笑顔になってくれるようしっかりと作ろう。
さくら「龍馬さん。はいっ。皆さんのために一生懸命作りますね。待ってて下さい!」
そして、私はパタパタと台所へ向かい、タスキをし、よしッと気合を入れ、両手を握りしめた。
そして、応援してくれたみんなの為にも頑張ろうと、私は調理を始めたのだった。
炊飯器もないし、お水は井戸の水汲みから始まるし、調味料も少ない。
包丁だって重くて大きい。
でも、私は一生懸命、手順をこなして行った。
皆んなが笑顔になります様に。
ありがとうが、伝わります様に。
そして、カバンからペンと、友達とのやり取りで使用していたミニメモ帳。
花形になっていて、色は10種類ほどで300枚綴。
付箋もあるけど、手紙なら模様があるこっちの方が可愛いよね!
一人一人に感謝の手紙も添えた。
でも、これは最後のサプライズ!
口には出せないことも、手紙なら書けちゃうから本当不思議。
それから、ご飯が炊け、一番の自信作のお味噌もできた。
味見もバッチリ!
鶏肉も私が大好きだった照り焼きチキンにした。
お登勢さんから聞いて驚いた事がある。
実はちょっと前まで、醤油や鰹節が、なかったと聞いたのだった。
時代って進歩するんだなーとしみじみに思ったのと、食材一つにしても無駄にしない大切さを学んだのだった。
テリヤキが出来たら、切り分けて、色とりどりの野菜も添えて、和食器だけど、洋食っぽく綺麗に盛り付けて見た。
武市さんから、目で味わう大切さも教わったから。
綺麗に、綺麗に。
伝わるといーな。
菜の花のおひたしに食用で用意してくれた花も添えた。
ま、メインはお味噌!!
お登勢さん達に先に出したら、本当に美味しいと喜んでもらえて、勇気も出た。
よし!!いざ!
気合いを入れた私は人数分の膳を持ち運び始めるのだった。