V DAY
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
朝から寺田屋の大広間に、高杉さん桂さんが来ていて賑やかな午前中を過ごしていた。
そこへ、桂さんが用意してくれた茶菓子が用意され、喜んで食べる私に高杉さんが問いかけが今回のきっかけだった。
高杉「未来の茶菓子でおまえが一番好きな物
は何だ!?」
未来の設定は置いておいて、頭を悩ました私の脳内には、たくさんのお菓子が次々と浮かんで出てくるわけで、想像するとお菓子の美味しさを思い出し自然と頬が緩む。
慎ちゃんに「幸せそうっすね」なんて言われて考えていた事が顔に出ていた事がわかり、恥ずかしさから俯いてしまう。
それでも高杉さんに「早く教えろ」と急かされ、あるお菓子を口にした。
高杉「おい!その、ちこれえーと?とは、何だっ!?」
私は一番よく食べていたチョコレートを答えると、高杉さんは目をキラキラと輝かせながら聞いてくる。
さくら「えっと、チョコレートは、とっても甘くて、口に入れたら溶けちゃって!幸せになる西洋のお菓子です!」
龍馬「ほう!なんと西洋の!さくらは物知りじゃのう」
さくら「食べると気持ちも身体も元気になるんです!スポーツ…あ、運動の後とか勉強の後、たまに間食で食べたりしていました。しかもバラエティーも豊富ですから、いろんなチョコレートがあるんですよ!」
武市「ばらえ…なるほど。それは是非一度食してみたいものだ」
さくら「ああ!そうだ!ちょっと待っていてください!」
私はあるものを思い出し、パタパタと急いで部屋へと戻った。
そして私は部屋の隅にあるバックに手をかけた。
合宿の移動中、みんなと食べようと思ってそのままにしていた大量のお菓子の山だ。
その中から、大きな袋を取り出した。
一粒一粒小包装のチョコレートが沢山入ったものだ。
それを少しだけ持ち、目に付いた他に別の種類も掴んだ所でみんなの元へ戻った。
喜んでるくれるだろうか?
どうせならサプライズにしよう!
みんなのところへ戻るなり、目を閉じて片手を出してくださいっとお願いをした。
龍馬「おお?なんじゃ、なんじゃ?楽しみじゃのぅ」
高杉「みんな!オレ様の嫁に従え!」
さくら「嫁じゃありません!」
高杉「今はな!」
さくら「もう!からかわないでください!」
少しだけ上気した頬を膨らませ、みんなが目をつぶった事を確認した。
そして先ほど部屋から取ってきたチョコレート一粒づつをみんなの手のひらに乗せた。
みんな、手に乗せる瞬間顔がこわばったり、そわそわと身体を揺らしたりしていた。
そんなみんなの姿を見ていると、私まで楽しくなってくる。
さくら「どうぞ、目を開けて下さい!……いつもありがとうございます!ハッピーバレンタイン!」
みんな目を開けて手の中にコロンと収まった一口サイズのチョコレートの包みを見て、みんな顔を歪ませた。
中岡「姉さん、こ、この黒いものは…。」
さくら「これが、チョコレートだよ!」
「「「ええええええー!!?」」」
一斉に驚かれてしまった。
喜ばれると思ったが、みんな始めてみるチョコレートに食べ物なのか?と怪しんでいるようだった。
そうだよね。私も始めて見たものは、少しだけ驚いたり警戒したりしちゃうかも。
イカスミと同じで最初は驚くよね。きっと。
桂「こ、これが。……想像と違うね。」
さくら「是非、包みから出して召し上がってみてください!」
その言葉にみんな恐る恐る包装をとき、一口サイズのチョコレートを口へ運んだ。
私も緊張の面持ちで静寂の中見守る。
武市「……ほぉ…なんとも…。」
武市さんがめちゃくちゃ艶っぽい吐息をはいたかと思うと、なんとも上品に口を動かし、チョコレートが溶けている感じが私にも伝わってくるような面もちで味わっていた。
そして桂さんも頬に手を当て、武市さん同様に瞳を閉じ味わっていた。
二人ともとても綺麗に食べるし、なんか見ているこっちが照れてしまうほど絵になる。
岡田「なんだこれは。口の中で溶けますね、先生!」
武市「あぁ。これが『ちょこれいと』と言うものか。…とても美味だ。」
中岡「凄いっス姉さん!こんな美味しいの始めて食べたっス!」
龍馬「まっこと驚いて、腰を抜かすところじゃった。かすていらとまた違う菓子じゃ!〜〜ッッうんまい!やっぱりおまん凄いのぉ」
桂「おい晋作。…息をしているかい?」
通常だと開口一番に賑やかな高杉さんが、驚きの表情のまま固まっており、桂さんもやれやれと首を振り放置の状態だ。
だが次の瞬間!
「だぁぁぁぁーーーー!!!」
「きゃ!!」
高杉さんが、ガバっと立ち上がり私に向かって勢い良く詰め寄ってくるのだった。
普段と違う行動から座ったまま後退る私の間に以蔵が入ってくれた。
高杉「うまい!美味いぞこれは!!!!未来の菓子はなんと不思議な味なんだ!!衝撃が走ったぞ!!!」
桂「晋作。気持ちはわかるがさくらさんが怯えているよ」
高杉「何を怯えることがある!こんな美味い菓子を知れたんだ!さくらを抱きしめたい衝動と、感動と、興奮で止まらないだけだ!」
龍馬「確かに高杉さんが凄い事になっちょるんは分かったけんど、ちっくと落ち着きぃ」
中岡「そうっスよ。高杉さん。」
今にも暴れだしそうな高杉さんは、興奮鳴り止まぬ感じで、更にグイグイっと私へ近づきこう言った。
高杉「おい!さくら。さっき言ってた呪文みたいな、はっぴーばれんたい…とはなんだ?」
さくら「え?ああ。ハッピーバレンタイン!ですね。」
高杉「その呪文はなんだ!!?」
私は、みんなへバレンタインの話を簡単に話し始めた。
季節的にも思い浮かんだのは良いきっかけだったと思う。
さくら「えっと、ザックリ言うと2月14日…えっと、年を越して次の月の14日の日に、いろんな愛を込めてチョコレートを送るんですよ。なので、今回私は皆さんへ義理チョコですが、感謝の愛を送りました!」
武市「ほう。感謝の愛。」
さくら「もう少し詳しく離すと、バレンタインの日は確か、世界各地でカップルの愛の誓いの日って言われています。だけど、日本だけちょっと特別なんですよねー。」
中岡「日本だけっスか?」
さくら「そうなの。それは、女性が好きなの男性に愛情の告白として、本命チョコを贈るって事なんです。」
「「「何!!!?意中の相手に!?」」」
綺麗に声がハモったみんなに、私は更に続けた。
さくら「はい。それ以外にも年々いろんな渡し方も増えてきて、恋人までは行かないが友人として贈る「義理チョコ」、女性間で贈り合ったりする「友チョコ」、男性が女性に渡す「逆チョコ」。…自分で買って食べる「自己チョコ」。あ!あと、最近は、男性が男友達に送り合ったりするのもあります。確か、強敵と書いてトモとよむ「強敵(トモ)チョコ」というのもあるって聞きましたよ!」
私の話をみんな真剣に聞いてくれていた。
私も嬉しくなりどんどんお喋りが止まらなくなってしまった。
さくら「でも、やっぱり…」
中岡「やっぱり?なんスか?」
さくら「あ、いや。…やっぱり女の子は好きな人へ本命チョコを渡せるかが毎年の勝負ですよね!ドキドキしちゃったり、もーその日は大変なんですよ。」
龍馬「ほ、本命に…。」
さくら「まだ本命はいないんですけど、これ。」
1つだけ包みの違う、ハート型のチョコレートをみんなへ見せた。
さくら「溶かして型にはめてこの様なハート型にするのが多いですね。心臓の形にもなっている、ハートって言う形です。なんて言うんですかね。私の気持ち?この胸のドキドキを貴方へ…みたいな?私もそんな日が来たら他の女の子みたいに、もっとバレンタインを楽しめるのかもしれないですけど」
私はハートのチョコレートを持ったまま、口元にあてた。
話しているとドキドキ高鳴る左胸にそのまま両手を当て、恥ずかしくなりはにかんでしまっていた。
まだいない好きな人を思い、恋を想像し、話をした。
みんなの方をみると少し赤い顔をしていて、変なことを告げてしまったのかと、なんか恥ずかしくなってしまった。
すると、横から腕が伸びてきて、そのままハート型のチョコレートが奪われていった。
高杉「よし!このはーとの型はオレ様が頂く!そんな可愛い顔をして言われては、断る理由がないからな!」
龍馬「高杉さん!なんもさくらは高杉さんにと言うとらんじゃろ?これはわしが貰うぜよ」
そういう時龍馬さんが高杉さんから奪い取って、その手を高く上げた。
しかし、その後ろから武市さんがさらに奪い取る。
武市「何をみな戯けたことを。これは私のですよ。ね?さくらさん?」
さくら「えっ!?」
岡田「おい、先生のだと言え!…そうしたら他の奴に菓子を渡さないよう守ってやる。」
中岡「みんなズルイっス!」
ギャイギャイと取り合う中、桂さんが一呼吸吐いて声を張った。
桂「では、こうしよう!さくらさん本人に決めてもらうって言うのはどうだい?」
さくら「ええ!?」
みんなピタッと止まり、賛成と言う様に身体をわたしに向けた。
桂さんの手からハート型のチョコレートが私の手元へ一旦戻されてしまう。
みんな真剣な面持ちで私を食い入るように見つめてくる。
頭の中でどうしたらよいのか、ループして頭が痛く働かなくなってきた。
私は意を決して叫んだ。
さくら「あ!あの!!大事なチョコレートなので…しっかり決めてからお渡ししたいです。なので…これはまだ誰にも渡せません!ごめんなさい!」
シーンと静まり返ってしまった。
だって、嘘でも渡したらバレンタインの意味がない。
女の子から男の子へ思いを伝える、勇気をくれるイベントだから。
頭を下げた私の頭に優しく手がのり、声が響いた。
龍馬「わかったぜよ。さくらが謝る必要は何もありゃせん!だから、顔を上げとおせ?なんも怒っちょらんぜよ。」
この言葉に私は顔ををあげた。
武市「困らせてしまって悪かったね。」
岡田「そんな顔をするな。」
中岡「姉さんっ、すまなかったっス。」
桂「君に押し付けた形となり悪かったね。」
さくら「いえ!私の方こそ…」
高杉「そーんな顔をするな!嘘で渡されるよりよっぽど良い!清々しい!!さすがはオレ様の嫁だ!」
武市「まぁ。勝負は決まってないのだから、落ち込む必要もないと言うもの。」
中岡「そうっスね!負けないっスよ!」
岡田「慎太強気だな。」
中岡「以蔵君にも負けないよ!」
こうして、ハート型のチョコレートは一旦わたしの元へ戻ってきた。
そして、そお遠くない未来。
そのチョコレートの行方は、呼び出した本人と、受け取った本人のみぞ知る物語。
完
そこへ、桂さんが用意してくれた茶菓子が用意され、喜んで食べる私に高杉さんが問いかけが今回のきっかけだった。
高杉「未来の茶菓子でおまえが一番好きな物
は何だ!?」
未来の設定は置いておいて、頭を悩ました私の脳内には、たくさんのお菓子が次々と浮かんで出てくるわけで、想像するとお菓子の美味しさを思い出し自然と頬が緩む。
慎ちゃんに「幸せそうっすね」なんて言われて考えていた事が顔に出ていた事がわかり、恥ずかしさから俯いてしまう。
それでも高杉さんに「早く教えろ」と急かされ、あるお菓子を口にした。
高杉「おい!その、ちこれえーと?とは、何だっ!?」
私は一番よく食べていたチョコレートを答えると、高杉さんは目をキラキラと輝かせながら聞いてくる。
さくら「えっと、チョコレートは、とっても甘くて、口に入れたら溶けちゃって!幸せになる西洋のお菓子です!」
龍馬「ほう!なんと西洋の!さくらは物知りじゃのう」
さくら「食べると気持ちも身体も元気になるんです!スポーツ…あ、運動の後とか勉強の後、たまに間食で食べたりしていました。しかもバラエティーも豊富ですから、いろんなチョコレートがあるんですよ!」
武市「ばらえ…なるほど。それは是非一度食してみたいものだ」
さくら「ああ!そうだ!ちょっと待っていてください!」
私はあるものを思い出し、パタパタと急いで部屋へと戻った。
そして私は部屋の隅にあるバックに手をかけた。
合宿の移動中、みんなと食べようと思ってそのままにしていた大量のお菓子の山だ。
その中から、大きな袋を取り出した。
一粒一粒小包装のチョコレートが沢山入ったものだ。
それを少しだけ持ち、目に付いた他に別の種類も掴んだ所でみんなの元へ戻った。
喜んでるくれるだろうか?
どうせならサプライズにしよう!
みんなのところへ戻るなり、目を閉じて片手を出してくださいっとお願いをした。
龍馬「おお?なんじゃ、なんじゃ?楽しみじゃのぅ」
高杉「みんな!オレ様の嫁に従え!」
さくら「嫁じゃありません!」
高杉「今はな!」
さくら「もう!からかわないでください!」
少しだけ上気した頬を膨らませ、みんなが目をつぶった事を確認した。
そして先ほど部屋から取ってきたチョコレート一粒づつをみんなの手のひらに乗せた。
みんな、手に乗せる瞬間顔がこわばったり、そわそわと身体を揺らしたりしていた。
そんなみんなの姿を見ていると、私まで楽しくなってくる。
さくら「どうぞ、目を開けて下さい!……いつもありがとうございます!ハッピーバレンタイン!」
みんな目を開けて手の中にコロンと収まった一口サイズのチョコレートの包みを見て、みんな顔を歪ませた。
中岡「姉さん、こ、この黒いものは…。」
さくら「これが、チョコレートだよ!」
「「「ええええええー!!?」」」
一斉に驚かれてしまった。
喜ばれると思ったが、みんな始めてみるチョコレートに食べ物なのか?と怪しんでいるようだった。
そうだよね。私も始めて見たものは、少しだけ驚いたり警戒したりしちゃうかも。
イカスミと同じで最初は驚くよね。きっと。
桂「こ、これが。……想像と違うね。」
さくら「是非、包みから出して召し上がってみてください!」
その言葉にみんな恐る恐る包装をとき、一口サイズのチョコレートを口へ運んだ。
私も緊張の面持ちで静寂の中見守る。
武市「……ほぉ…なんとも…。」
武市さんがめちゃくちゃ艶っぽい吐息をはいたかと思うと、なんとも上品に口を動かし、チョコレートが溶けている感じが私にも伝わってくるような面もちで味わっていた。
そして桂さんも頬に手を当て、武市さん同様に瞳を閉じ味わっていた。
二人ともとても綺麗に食べるし、なんか見ているこっちが照れてしまうほど絵になる。
岡田「なんだこれは。口の中で溶けますね、先生!」
武市「あぁ。これが『ちょこれいと』と言うものか。…とても美味だ。」
中岡「凄いっス姉さん!こんな美味しいの始めて食べたっス!」
龍馬「まっこと驚いて、腰を抜かすところじゃった。かすていらとまた違う菓子じゃ!〜〜ッッうんまい!やっぱりおまん凄いのぉ」
桂「おい晋作。…息をしているかい?」
通常だと開口一番に賑やかな高杉さんが、驚きの表情のまま固まっており、桂さんもやれやれと首を振り放置の状態だ。
だが次の瞬間!
「だぁぁぁぁーーーー!!!」
「きゃ!!」
高杉さんが、ガバっと立ち上がり私に向かって勢い良く詰め寄ってくるのだった。
普段と違う行動から座ったまま後退る私の間に以蔵が入ってくれた。
高杉「うまい!美味いぞこれは!!!!未来の菓子はなんと不思議な味なんだ!!衝撃が走ったぞ!!!」
桂「晋作。気持ちはわかるがさくらさんが怯えているよ」
高杉「何を怯えることがある!こんな美味い菓子を知れたんだ!さくらを抱きしめたい衝動と、感動と、興奮で止まらないだけだ!」
龍馬「確かに高杉さんが凄い事になっちょるんは分かったけんど、ちっくと落ち着きぃ」
中岡「そうっスよ。高杉さん。」
今にも暴れだしそうな高杉さんは、興奮鳴り止まぬ感じで、更にグイグイっと私へ近づきこう言った。
高杉「おい!さくら。さっき言ってた呪文みたいな、はっぴーばれんたい…とはなんだ?」
さくら「え?ああ。ハッピーバレンタイン!ですね。」
高杉「その呪文はなんだ!!?」
私は、みんなへバレンタインの話を簡単に話し始めた。
季節的にも思い浮かんだのは良いきっかけだったと思う。
さくら「えっと、ザックリ言うと2月14日…えっと、年を越して次の月の14日の日に、いろんな愛を込めてチョコレートを送るんですよ。なので、今回私は皆さんへ義理チョコですが、感謝の愛を送りました!」
武市「ほう。感謝の愛。」
さくら「もう少し詳しく離すと、バレンタインの日は確か、世界各地でカップルの愛の誓いの日って言われています。だけど、日本だけちょっと特別なんですよねー。」
中岡「日本だけっスか?」
さくら「そうなの。それは、女性が好きなの男性に愛情の告白として、本命チョコを贈るって事なんです。」
「「「何!!!?意中の相手に!?」」」
綺麗に声がハモったみんなに、私は更に続けた。
さくら「はい。それ以外にも年々いろんな渡し方も増えてきて、恋人までは行かないが友人として贈る「義理チョコ」、女性間で贈り合ったりする「友チョコ」、男性が女性に渡す「逆チョコ」。…自分で買って食べる「自己チョコ」。あ!あと、最近は、男性が男友達に送り合ったりするのもあります。確か、強敵と書いてトモとよむ「強敵(トモ)チョコ」というのもあるって聞きましたよ!」
私の話をみんな真剣に聞いてくれていた。
私も嬉しくなりどんどんお喋りが止まらなくなってしまった。
さくら「でも、やっぱり…」
中岡「やっぱり?なんスか?」
さくら「あ、いや。…やっぱり女の子は好きな人へ本命チョコを渡せるかが毎年の勝負ですよね!ドキドキしちゃったり、もーその日は大変なんですよ。」
龍馬「ほ、本命に…。」
さくら「まだ本命はいないんですけど、これ。」
1つだけ包みの違う、ハート型のチョコレートをみんなへ見せた。
さくら「溶かして型にはめてこの様なハート型にするのが多いですね。心臓の形にもなっている、ハートって言う形です。なんて言うんですかね。私の気持ち?この胸のドキドキを貴方へ…みたいな?私もそんな日が来たら他の女の子みたいに、もっとバレンタインを楽しめるのかもしれないですけど」
私はハートのチョコレートを持ったまま、口元にあてた。
話しているとドキドキ高鳴る左胸にそのまま両手を当て、恥ずかしくなりはにかんでしまっていた。
まだいない好きな人を思い、恋を想像し、話をした。
みんなの方をみると少し赤い顔をしていて、変なことを告げてしまったのかと、なんか恥ずかしくなってしまった。
すると、横から腕が伸びてきて、そのままハート型のチョコレートが奪われていった。
高杉「よし!このはーとの型はオレ様が頂く!そんな可愛い顔をして言われては、断る理由がないからな!」
龍馬「高杉さん!なんもさくらは高杉さんにと言うとらんじゃろ?これはわしが貰うぜよ」
そういう時龍馬さんが高杉さんから奪い取って、その手を高く上げた。
しかし、その後ろから武市さんがさらに奪い取る。
武市「何をみな戯けたことを。これは私のですよ。ね?さくらさん?」
さくら「えっ!?」
岡田「おい、先生のだと言え!…そうしたら他の奴に菓子を渡さないよう守ってやる。」
中岡「みんなズルイっス!」
ギャイギャイと取り合う中、桂さんが一呼吸吐いて声を張った。
桂「では、こうしよう!さくらさん本人に決めてもらうって言うのはどうだい?」
さくら「ええ!?」
みんなピタッと止まり、賛成と言う様に身体をわたしに向けた。
桂さんの手からハート型のチョコレートが私の手元へ一旦戻されてしまう。
みんな真剣な面持ちで私を食い入るように見つめてくる。
頭の中でどうしたらよいのか、ループして頭が痛く働かなくなってきた。
私は意を決して叫んだ。
さくら「あ!あの!!大事なチョコレートなので…しっかり決めてからお渡ししたいです。なので…これはまだ誰にも渡せません!ごめんなさい!」
シーンと静まり返ってしまった。
だって、嘘でも渡したらバレンタインの意味がない。
女の子から男の子へ思いを伝える、勇気をくれるイベントだから。
頭を下げた私の頭に優しく手がのり、声が響いた。
龍馬「わかったぜよ。さくらが謝る必要は何もありゃせん!だから、顔を上げとおせ?なんも怒っちょらんぜよ。」
この言葉に私は顔ををあげた。
武市「困らせてしまって悪かったね。」
岡田「そんな顔をするな。」
中岡「姉さんっ、すまなかったっス。」
桂「君に押し付けた形となり悪かったね。」
さくら「いえ!私の方こそ…」
高杉「そーんな顔をするな!嘘で渡されるよりよっぽど良い!清々しい!!さすがはオレ様の嫁だ!」
武市「まぁ。勝負は決まってないのだから、落ち込む必要もないと言うもの。」
中岡「そうっスね!負けないっスよ!」
岡田「慎太強気だな。」
中岡「以蔵君にも負けないよ!」
こうして、ハート型のチョコレートは一旦わたしの元へ戻ってきた。
そして、そお遠くない未来。
そのチョコレートの行方は、呼び出した本人と、受け取った本人のみぞ知る物語。
完