一歩
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土方さんの愛情溢れる介錯で、新選組一番隊組長、沖田総司は死んだ。
そして、新しい未来へ大きく踏み出し、優しさに溢れる白光の中に私達は包まれていた。
繋がれた両手は離さない。
二人で視線を合わせ、微笑んだ。
言葉なんていらない。
この手から伝わる貴方の温もりが私の不安を吹き飛ばしてくれるから。
そっと…目を閉じた。
次の瞬間、強い光が差し込み私達はお互いに抱き合った。
眩しくて、目が開けられない。
強い光に包まれ意識を飛ばした。
暫くして、耳に風と木々の音が聞こえてきた。
さわさわと爽やかな風が頬を撫でていった。
私はゆっくり目を開いた。
さくら「………あ……。」
そこは林の中だった。
土方さんが居ないだけで、あとは変わりない様に見えた。
私はハッとして、隣を見た。
沖田「………ん……」
隣には総司君がまだ目を瞑ったまま横たわっていた。
呼吸音が聞こえ、一安心した私は総司君の身体を揺さぶり起こした。
さくら「総司君、起きて?…総司君。」
私は総司君の綺麗な瞼がゆっくり開いたのを確認した。
その透き通る瞳を見て、にっこりと優しく微笑んだ。
沖田「………さくら。」
さくら「大丈夫?総司君。」
沖田「うん。ありがとう。さくらこそ。大丈夫?」
さくら「うん。大丈夫だよ?」
ムウ「ワン!」
総司君の懐に入っていたムウが顔を出し、元気良く吠え飛び出した。
ムウは、総司君と世話をしていた小さな白犬。
もふもふと可愛いチビ助もしっかり尾を振り、元気だよとアピールしていた。
沖田「ムウも大丈夫だってさ。」
さくら「ふふ。本当だね。」
沖田「ここが…未来なのかな?」
辺りを見回しても、雑木林でさっきまでいた時代と変わらない気がしたのは総司君も同じの様だった。
もしかして失敗…
嫌な予感が頭を掠めた。
私の不安を察してか、総司君が手を優しく包んでくれた。
繋がれたその温もりに「考えても無駄」と言う総司君との言葉を思い出し、少し赤い顔をした総司君の目を見て、ありがとうの気持ちを笑顔で返した。
そう。
何があっても大丈夫。
彼が側にいるなら、二人ならどんな場所でも生きていける。
そう確信をしているから。
怖くは無い。
私達は手を繋いだまま、歩き出した。
雑木林から出て古い寺を見て、心が騒ついた。
振り向き見た景色は、車の騒音に建物、歩く人の姿に戻って来たんだと涙が溢れた。
総司君も良かったねと自分の事の様に喜んでくれた。
空気が淀み、排気ガスの匂いが鼻を掠めた。
未来の空気に少し悲しさを覚えた、私の夏の体験だった。
私は以前、高杉さんから「いつか役に立つ」と頂いたお駄賃を財布にいれ忍ばせていた。
その財布は、晋作から聞いたよと桂さんがプレゼントしてくれたお財布だった。
手にした時、私がひとりになっても困らないようにと気遣ってくれた人達の顔が脳裏に浮かんで、涙が溢れた。
他の荷物は全ておいてきてしまい、携帯電話も滝の事件以来使い物にならず、大切にカバンにしまっていた。
街を歩くと、京都の為レンタル着物や浴衣姿の人もいて、私達の姿は目立ちはしなかったが、本家本元の総司君は立ち振る舞いが違う。
通り過ぎる人々が、見惚れているのがわかるくらいだった。
当の本人には現代の洋服に興味津々だった訳だけど、私は懐かしいなとどこか遠い感覚で街の中を歩いていた。
交番へ行き電話を貸して貰い、実家に電話をかけた。
お母さんの声を聴き泣き崩れた私を総司君が支えてくれ、お母さんに驚かれてしまった。
とりあえず、学校へ連絡を入れてもらい私はすぐ実家のある東京へ戻る事にしたのだった。
いろいろ解決しなくちゃいけない事が多すぎるもん。
お父さん、お母さん、大丈夫かな。
二人分の交通費が必要なため、私は今あるお金を見て、この時代では使用できない事に悩んだ。
龍馬さんがお金を助けてくれた様に、高杉さんが困らない様にと小判のお駄賃をくれた様に、一生懸命考えた。
お金を今のお金に変えられたら。
その思いから質屋を思い出し、現代にもあると向かった。
しかし当たり前のようにはじめての経験で学生の身ではそれは厳しかった。
何軒か回っていると、総司君から一人で行ってくるから待ってて欲しいと言われ、私は近くで待つ事にした。
すると、戻ってきた総司君が怒っていた。
その手には封筒をもっていた。
私はその封筒を手渡され、中を確認するとあまりにも大金が入っていて驚いたのだった。
沖田「聞いてよ!これがお金だって言うんだ!確認するからって出てきたんだけど、紙には手配書みたいな顔が書かれてるんだ。ふざけてると思わないかい?」
私は当たり前のように疑う総司君に笑ってしまいそうで、口元にとっさに手を当てた。
沖田「終いには店主が、どこからきたんだ!この時代のお金はこれだ!って言うから、徳川の時代だよ!って答えたら笑うんだ!酷いだろ?」
限界だった。
私は吹き出してしまった。
当たり前のように話す総司君が可愛いって思ってしまった。
当の本人はぽかんとした顔をしていたが、すぐに顔を赤らめ目を逸らし、さくらまで笑うのかと恥ずかしがっていた。
話を聴くと総司君は、質屋を何度も使用した事があるため慣れているとのことだった。
元々質屋は古くから存在し、もちろん江戸時代にもあった。
空気感から地元の質屋に入った総司君は、部屋の奥に新選組の旗を見つけた。
新選組が大好きな店の店主さんと話が盛り上がりそれで特別に対応してくれたそうだ。
お金を持っていた総司君は、それを売ろうとしてくれた様だった。
高額過ぎて小さなお店のため金額が用意出来ないと言われたらしく小銭全てと小判一枚だけ買い取ってもらったというのだった。
さくら「でも、すごいね。」
沖田「質屋も人によるからね。最後はお茶していけと誘われたよ。」
さくら「でもお金、ありがとう。」
沖田「はい。さくらのお金。…大切な人達との思い出の品だろ?」
さくら「……総司君」
歴史からしたら数あるうちの一枚にすぎないであろう小判を大事に胸の前で握りしめた。
総司君に抱きつき、ありがとうと心からの感謝を伝えた。
私達は店主へ改めてお礼を言ってから、新幹線に乗り込んだのだった。
そして切符を買うところから、新幹線を見て乗込み、発車するまで総司君の質問責めに合うのだった。
私ははしゃぐ総司君に先程の店主の話を思い出し、思い出し笑いをしてしまった。
さくら「でも総司君が、紙だ。本当にお金なのか?ってずっとマジマジみてるのはちょっと可愛かったな。」
沖田「っ。ひどいな。だって紙なんて破れたらおしまいだろ?驚くじゃないか。」
さくら「ふふ!あ!総司君アイス食べない?あとお茶も買おうか?」
沖田「えっ?あいす?食べ物なの?」
さくら「うん!あま~いお菓子だよ!そして冷たいの!干菓子も美味しいけど、アイスもとっても美味しいよ!」
売り子のお姉さんに声をかけアイスとお茶を購入した。
アイスの蓋を取り、総司君にプラスチックのスプーンを渡し笑顔で見守る。
ひとすくいし、意を決して口にアイスをいれた総司君の目が驚いて見開かれた。
彼が私を見て目で訴えかけてくる。
スプーンもつ手を震わせた。
そして、もう一度目が見開かれたと思ったらようやく総司君が口を開いた。
沖田「冷たいのに…甘くて美味しい。こんなの始めてだ。そして、そのまま溶けて消えちゃったよ。氷菓子とはまた違って…驚いたな…」
さくら「良かった!気に入って貰えた?」
沖田「ああ!とても気に入ったよ。未来の始めての食べ物があいすと言うのは忘れないな。僕の大好物になりそうだ。」
さくら「余り食べ過ぎちゃうと身体冷えちゃうんだよ?そうだ!お母さんに電話で伝えたけどあとは何て話そう。本当の事…信じて…もらえるかな。そして、早く病院に…」
沖田「さくら。」
さくら「ふぁい。」
急に総司君が私の頬を摘み、名前を呼んだ。
もー。
変な返事になっちゃった。
沖田さん「そんな顔しないで。君には笑っていて欲しいんだ。僕が何があっても守るから。運命にも打ち勝ってみせるって約束しただろ?」
私は笑顔でうなづいた。
そしてしっかり総司君の顔を見てると総司君の顔が近づいてきた。
私は恥ずかしさで目を閉じた。
総司君の息が瞼にあたりくすぐったい。
どうしよう。心臓飛び出しちゃいそう!!!!!
すると、小さな笑い声が聞こえて耳元で声が響く。
沖田「それに君がそんなに可愛い顔して目をつぶってくれてるのに、病に打ち勝ってから口づけするって、約束もしたしね。」
私はその一言に顔から火が出るんじゃないかと思うほど、熱を顔中に感じた。
そして両手で覆うと総司君の笑い声が聞こえた。
沖田「はははは!本当にさくらは可愛くて面白いな!あ!あいす溶けかけてる!うん!美味しい!!」
もうと、少し頬を赤らめ膨れた見せたが、総司君はアイスに夢中だった。
でも、私の不安を取り除いてくれたんだよなと、考えることはやめた。
笑顔であいすを口にする総司君とこれからどう過ごすか、今はその彼と笑って過ごそうと思うのだった。
私達の未来を乗せた、未来の乗り物に乗って。
支えてくれたみんなの為にも総司君と二人で行きていくんだ。
土方さんの愛情ある介錯から私達の小さな一歩は今始まったのだった。
完
.
そして、新しい未来へ大きく踏み出し、優しさに溢れる白光の中に私達は包まれていた。
繋がれた両手は離さない。
二人で視線を合わせ、微笑んだ。
言葉なんていらない。
この手から伝わる貴方の温もりが私の不安を吹き飛ばしてくれるから。
そっと…目を閉じた。
次の瞬間、強い光が差し込み私達はお互いに抱き合った。
眩しくて、目が開けられない。
強い光に包まれ意識を飛ばした。
暫くして、耳に風と木々の音が聞こえてきた。
さわさわと爽やかな風が頬を撫でていった。
私はゆっくり目を開いた。
さくら「………あ……。」
そこは林の中だった。
土方さんが居ないだけで、あとは変わりない様に見えた。
私はハッとして、隣を見た。
沖田「………ん……」
隣には総司君がまだ目を瞑ったまま横たわっていた。
呼吸音が聞こえ、一安心した私は総司君の身体を揺さぶり起こした。
さくら「総司君、起きて?…総司君。」
私は総司君の綺麗な瞼がゆっくり開いたのを確認した。
その透き通る瞳を見て、にっこりと優しく微笑んだ。
沖田「………さくら。」
さくら「大丈夫?総司君。」
沖田「うん。ありがとう。さくらこそ。大丈夫?」
さくら「うん。大丈夫だよ?」
ムウ「ワン!」
総司君の懐に入っていたムウが顔を出し、元気良く吠え飛び出した。
ムウは、総司君と世話をしていた小さな白犬。
もふもふと可愛いチビ助もしっかり尾を振り、元気だよとアピールしていた。
沖田「ムウも大丈夫だってさ。」
さくら「ふふ。本当だね。」
沖田「ここが…未来なのかな?」
辺りを見回しても、雑木林でさっきまでいた時代と変わらない気がしたのは総司君も同じの様だった。
もしかして失敗…
嫌な予感が頭を掠めた。
私の不安を察してか、総司君が手を優しく包んでくれた。
繋がれたその温もりに「考えても無駄」と言う総司君との言葉を思い出し、少し赤い顔をした総司君の目を見て、ありがとうの気持ちを笑顔で返した。
そう。
何があっても大丈夫。
彼が側にいるなら、二人ならどんな場所でも生きていける。
そう確信をしているから。
怖くは無い。
私達は手を繋いだまま、歩き出した。
雑木林から出て古い寺を見て、心が騒ついた。
振り向き見た景色は、車の騒音に建物、歩く人の姿に戻って来たんだと涙が溢れた。
総司君も良かったねと自分の事の様に喜んでくれた。
空気が淀み、排気ガスの匂いが鼻を掠めた。
未来の空気に少し悲しさを覚えた、私の夏の体験だった。
私は以前、高杉さんから「いつか役に立つ」と頂いたお駄賃を財布にいれ忍ばせていた。
その財布は、晋作から聞いたよと桂さんがプレゼントしてくれたお財布だった。
手にした時、私がひとりになっても困らないようにと気遣ってくれた人達の顔が脳裏に浮かんで、涙が溢れた。
他の荷物は全ておいてきてしまい、携帯電話も滝の事件以来使い物にならず、大切にカバンにしまっていた。
街を歩くと、京都の為レンタル着物や浴衣姿の人もいて、私達の姿は目立ちはしなかったが、本家本元の総司君は立ち振る舞いが違う。
通り過ぎる人々が、見惚れているのがわかるくらいだった。
当の本人には現代の洋服に興味津々だった訳だけど、私は懐かしいなとどこか遠い感覚で街の中を歩いていた。
交番へ行き電話を貸して貰い、実家に電話をかけた。
お母さんの声を聴き泣き崩れた私を総司君が支えてくれ、お母さんに驚かれてしまった。
とりあえず、学校へ連絡を入れてもらい私はすぐ実家のある東京へ戻る事にしたのだった。
いろいろ解決しなくちゃいけない事が多すぎるもん。
お父さん、お母さん、大丈夫かな。
二人分の交通費が必要なため、私は今あるお金を見て、この時代では使用できない事に悩んだ。
龍馬さんがお金を助けてくれた様に、高杉さんが困らない様にと小判のお駄賃をくれた様に、一生懸命考えた。
お金を今のお金に変えられたら。
その思いから質屋を思い出し、現代にもあると向かった。
しかし当たり前のようにはじめての経験で学生の身ではそれは厳しかった。
何軒か回っていると、総司君から一人で行ってくるから待ってて欲しいと言われ、私は近くで待つ事にした。
すると、戻ってきた総司君が怒っていた。
その手には封筒をもっていた。
私はその封筒を手渡され、中を確認するとあまりにも大金が入っていて驚いたのだった。
沖田「聞いてよ!これがお金だって言うんだ!確認するからって出てきたんだけど、紙には手配書みたいな顔が書かれてるんだ。ふざけてると思わないかい?」
私は当たり前のように疑う総司君に笑ってしまいそうで、口元にとっさに手を当てた。
沖田「終いには店主が、どこからきたんだ!この時代のお金はこれだ!って言うから、徳川の時代だよ!って答えたら笑うんだ!酷いだろ?」
限界だった。
私は吹き出してしまった。
当たり前のように話す総司君が可愛いって思ってしまった。
当の本人はぽかんとした顔をしていたが、すぐに顔を赤らめ目を逸らし、さくらまで笑うのかと恥ずかしがっていた。
話を聴くと総司君は、質屋を何度も使用した事があるため慣れているとのことだった。
元々質屋は古くから存在し、もちろん江戸時代にもあった。
空気感から地元の質屋に入った総司君は、部屋の奥に新選組の旗を見つけた。
新選組が大好きな店の店主さんと話が盛り上がりそれで特別に対応してくれたそうだ。
お金を持っていた総司君は、それを売ろうとしてくれた様だった。
高額過ぎて小さなお店のため金額が用意出来ないと言われたらしく小銭全てと小判一枚だけ買い取ってもらったというのだった。
さくら「でも、すごいね。」
沖田「質屋も人によるからね。最後はお茶していけと誘われたよ。」
さくら「でもお金、ありがとう。」
沖田「はい。さくらのお金。…大切な人達との思い出の品だろ?」
さくら「……総司君」
歴史からしたら数あるうちの一枚にすぎないであろう小判を大事に胸の前で握りしめた。
総司君に抱きつき、ありがとうと心からの感謝を伝えた。
私達は店主へ改めてお礼を言ってから、新幹線に乗り込んだのだった。
そして切符を買うところから、新幹線を見て乗込み、発車するまで総司君の質問責めに合うのだった。
私ははしゃぐ総司君に先程の店主の話を思い出し、思い出し笑いをしてしまった。
さくら「でも総司君が、紙だ。本当にお金なのか?ってずっとマジマジみてるのはちょっと可愛かったな。」
沖田「っ。ひどいな。だって紙なんて破れたらおしまいだろ?驚くじゃないか。」
さくら「ふふ!あ!総司君アイス食べない?あとお茶も買おうか?」
沖田「えっ?あいす?食べ物なの?」
さくら「うん!あま~いお菓子だよ!そして冷たいの!干菓子も美味しいけど、アイスもとっても美味しいよ!」
売り子のお姉さんに声をかけアイスとお茶を購入した。
アイスの蓋を取り、総司君にプラスチックのスプーンを渡し笑顔で見守る。
ひとすくいし、意を決して口にアイスをいれた総司君の目が驚いて見開かれた。
彼が私を見て目で訴えかけてくる。
スプーンもつ手を震わせた。
そして、もう一度目が見開かれたと思ったらようやく総司君が口を開いた。
沖田「冷たいのに…甘くて美味しい。こんなの始めてだ。そして、そのまま溶けて消えちゃったよ。氷菓子とはまた違って…驚いたな…」
さくら「良かった!気に入って貰えた?」
沖田「ああ!とても気に入ったよ。未来の始めての食べ物があいすと言うのは忘れないな。僕の大好物になりそうだ。」
さくら「余り食べ過ぎちゃうと身体冷えちゃうんだよ?そうだ!お母さんに電話で伝えたけどあとは何て話そう。本当の事…信じて…もらえるかな。そして、早く病院に…」
沖田「さくら。」
さくら「ふぁい。」
急に総司君が私の頬を摘み、名前を呼んだ。
もー。
変な返事になっちゃった。
沖田さん「そんな顔しないで。君には笑っていて欲しいんだ。僕が何があっても守るから。運命にも打ち勝ってみせるって約束しただろ?」
私は笑顔でうなづいた。
そしてしっかり総司君の顔を見てると総司君の顔が近づいてきた。
私は恥ずかしさで目を閉じた。
総司君の息が瞼にあたりくすぐったい。
どうしよう。心臓飛び出しちゃいそう!!!!!
すると、小さな笑い声が聞こえて耳元で声が響く。
沖田「それに君がそんなに可愛い顔して目をつぶってくれてるのに、病に打ち勝ってから口づけするって、約束もしたしね。」
私はその一言に顔から火が出るんじゃないかと思うほど、熱を顔中に感じた。
そして両手で覆うと総司君の笑い声が聞こえた。
沖田「はははは!本当にさくらは可愛くて面白いな!あ!あいす溶けかけてる!うん!美味しい!!」
もうと、少し頬を赤らめ膨れた見せたが、総司君はアイスに夢中だった。
でも、私の不安を取り除いてくれたんだよなと、考えることはやめた。
笑顔であいすを口にする総司君とこれからどう過ごすか、今はその彼と笑って過ごそうと思うのだった。
私達の未来を乗せた、未来の乗り物に乗って。
支えてくれたみんなの為にも総司君と二人で行きていくんだ。
土方さんの愛情ある介錯から私達の小さな一歩は今始まったのだった。
完
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