V DAY 〜Another story〜
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初めてのチョコレートを食べた志士達は、ハート型のチョコレートの行方は気になるものの、未だ口の中に残るチョコレートの余韻を楽しんでいた。
とろける感覚を例えては、話が弾む姿を見てさくらは心から良かったと感じていた。
そして、もう一つ手の中にある袋を見て、歓談する志士たちに向かい、新たに提案をしてみることにしたのだった。
さくら「みなさん!あと、これ。一緒に食べませんか?」
銀色の袋を開くと細い棒状のものがたくさん入っており、志士たちは歓喜の声をあげ、香りからチョコレートだと察したようだった。
中岡「姉さん!これも『ちょこれえと』っスか?」
さくら「そうだよ!名前はポッキーって言って、焼き菓子にチョコレートがコーティング…えっと、覆われたお菓子なの。名前の由来も面白いの。食べたら分かると思うので、まずは一本どうぞ!」
さくらが言うと、みんな次々とポッキーを1本摘みあげていった。
ぽりぽりと食べる姿を見ながら可愛いなと思ってしまった。
岡田「あ!」
さくら「あちゃー、以蔵の折れちゃったかー。よく折れるんだよね。」
坂本「確かに、こんなにも細いと心許ないのぉ」
中岡「もしかして、これが名前の由来っスか?」
さくら「そう!ポッキンって折れるからポッキー!それが由来です。」
高杉「未来の菓子は名前も珍妙だな!だが面白い!」
笑顔で自信満々に話すと、それぞれの反応が返ってきた。
でも、ポッキーと言えば確かゲームがあったよね!
さくら「そうだ!高杉さん!これを使った勝負事の遊びがあるんですよ!」
高杉「何!?どんな仕様だ!?」
私はポッキーゲームを、友達のカナちゃんと遊んでいた記憶でその時のルールを話し始めた。
さくら「2人が向かい合って1本のポッキーの端を互いに食べ進んでいって、先に口を離したほうが負けです!自然と折れたら引き分けで、どっちかが故意で割ったら、割った人の負けです」
高杉「よし!わかった!参加しなかった奴は切腹だ!くじ引きで対戦相手を決めるぞ!」
さくら「あと、私は友達とお互い負けた時の条件を出して、何かを掛けていました!簡単なもので買出しとか、掃除当番とかを掛けてましたね。」
高杉「ほお、それも面白い!それもやろう!」
高杉さんは、ニコニコ楽しそうに小さく切った紙を用意し、何かを書いていた。
そして出来た紙を小さく折りたたんでいた。
さくら「あれ?高杉さん、6人分ですか?」
高杉「ああ。お前は経験者で強い!だから大将戦までドーンと待ってろ!」
そう言うと高杉さんは上座に座布団を二枚重ね、そこへ座るよう指示を出した。
私は、「なるほど、シードってことかな?」と、心で思いながら、私は用意された座布団二枚重ねの上にちょこんと座った。
そうしてくじ引きが始まったのだが、私には聞こえない声で何か話をしているようだった。
高杉「おい。わかっているな?この遊びはただの遊びではない」
武市「どう言う意味ですか?」
高杉「勝ったものが大将戦のさくらとこの遊びが出来るわけだ。」
坂本「おう。これは負けられんのぉ」
高杉「ま、本当の意味は後からわかるだろ。ほら!さっさと引け!」
高杉さんの言葉に次々とくじを引いていった。
そして、決まった組に互いを確認すると、絶対に負けないと闘争心を燃やすのだった。
先ずは一回戦。
武市半平太。
対するは、桂小五郎となった。
中岡「じゃ、お二方準備はいいですか?」
武市「桂さん。手加減はしませんよ?」
桂「おや。お互い様だね。勿論、こっちもそのつもりだよ。」
さくら「武市さん!桂さん!二人とも頑張ってください!」
笑顔で手を振るさくらを見た武市、桂は自然と笑みがこぼれ出てくる。
武市「これは負けられないな。」
桂「そうだね。」
中岡「では、お互いに負けた時の条件を提示して下さいっス」
武市「…………。では、僕が勝ったら、桂さんには長州藩邸全ての廊下掃除をして頂きましょう。」
桂「!……なるほど。では私が勝ったら、武市君にはみんなの前で、腹踊りでもして頂こうかな。」
武市「!!!?」
岡田「先生に腹踊りなど!!」
坂本「桂さーん、頑張れー!」
岡田「な!龍馬!!武市先生!頑張って下さい!」
高杉「良いぞー!どっちもやれやれー!」
中岡「では準備はいいっスか?」
武市、桂「っ!!!!」
ポッキーを加えた二人は一瞬目を見開いた。
その後、とても険しい顔をしながら目線を固定していた。
中岡「それでは。…初め!!」
中岡の号令にポリポリと一口二口と食べ勧めたところで、ピタッと二人とも止まりそのまま静止してしまったのだった。
武市「(思った以上に近いな。)」
桂「(そうか、晋作が言ってたのはこの事か、さくらさんと出来るなら確かに…。)」
思った以上に相手の顔が近い事に武市、桂は困惑の表情を浮かべた。
口元が震え、折れてしまいそうな細いポッキーを口にくわえたまま、冷戦状態に陥っていた。
口を離せば簡単な事だが、藩邸の廊下掃除も腹踊りもしたくは無い。
武市「……。かふらさん、もうはきらめたらひかがでひか?」
桂「たけひふんほこ、、はきらめはらどうだい?」
中岡「……二人共、何か言い始めましたね。」
岡田「先生!!俺は信じています!」
さくら「武市さん!桂さん!頑張れー!」
坂本「何やら…そのままくっついてしまいそうな仲じゃのぉ」
武市、桂「ッ!!!!…あっ!!」
その瞬間、軽快な音がした。
さくらの声援に、可愛いなと一瞬意識が向いたと同時に、ボソっと坂本の発した一言に、同じ事を思っていた当事者二人が耐えきれず一斉に顔を逸らしたからだった。
真っ二つにポキッと折れたポッキーを口に咥えたまま、唖然とし現状に驚いてるいるようだった。
だがすぐに桂さんは苦笑し、武市さんは「龍馬!変な事を言うな!」と怒っていた。
中岡「勝負有り!お互い同時に顔を逸らしたため、引き分けっスね。」
高杉「あっはっはっは。二人ともまだまだ修行が足りんぞー!」
桂「なら次は晋作だろ?どんな勝負になるか見せてもらおう」
高杉「おう!…相手は……岡田か。」
坂本「おおおお!この勝負は見ものじゃのう!」
岡田「相手にとって不足なしだ」
腕を組み堂々と立つ高杉の前を、負けないと言う気迫漂う岡田が立ち準備に立つ。
高杉「オレ様が勝ったら、皆の前でさくらの好きなところを3つ叫んでもらおう」
岡田「ッなんだ!それは!バカバカしい!」
高杉「負けなれけば良い話だろ?」
岡田「ッ…。では、オレが勝ったら、高杉さんは今後寺田屋に来た際、真っ先にコイツの部屋へ向かう事を辞めて頂こう」
高杉「ほお。良いだろう」
両者睨み合いが続き、意気込みをみせる。
中岡に高杉が号令の支持を出す。
中岡「では行くっス。用意。……初め!!」
岡田「ッ!!!」
中岡の号令とともに一歩踏込み顔を近づけるよう間合を詰めると、驚いた岡田が反射的に身体を逸らし顔を振ってしまった。
そして、あっけなくポッキーは折れてしまったのだった。
中岡「す!凄いっス!一瞬っス」
武市「流石高杉さん、食べ進めるのではなく、相手に折らせる作戦とは」
さくら「だ、大丈夫ですか?ケガしてませんか?」
坂本「そんな不安な顔いっぱい浮かべて…。おまんは優しいのぉ。」
坂本が優しくさくらの頭にポンポンと手をおいた。
岡田「ッくそ。」
中岡「勝負!!!高杉さんの勝利っス」
高杉「引き分けではなく、岡田の負けだな。
ほら、さくらに早く好いているところを3つ答えてやれ!」
茹蛸のように真っ赤な顔をした岡田が、両手を握りしめ震えていた。
下を向いまま、さくらに近づいていき、バッと茹蛸のような顔を上げた。
さくらを睨み付ける。
その姿からは、好きな所を言うと言う条件から大きくけけ離れている様にも思えた。
岡田は大きく息を吸い込むと大声で叫んだ。
岡田「お前はいつも無茶ばかりする!」
さくら「……は?」
岡田「後先考えず行動し、先生に迷惑をかける!」
中岡「ちょ、以蔵君…」
坂本「中岡、シッ。」
人差し指を口元にあてた坂本を見て、中岡も黙りこんだ。
そして、岡田達に視線を戻し、行末を見守った。
岡田「それに、女と思えない食い意地で幸せそうに飯を食い、世話になっていると言う理由から寺田屋の手伝いを申し出る。もう少し大人しくしていればいいものの、ちょろちょろ動き回り、更には問題を持ち込む。」
さくら「っ……。」
岡田「だから!!だから、お前は危なかっかしいから…、お前は俺が守ると決めた!!…先生の迷惑なるしな。だから…だからお前は、笑顔で!ありのままで笑っていろ。」
さくら「以蔵……。」
岡田「その方がみんなが喜ぶ。お前の泣いている顔は、見たくない……。それだけだ。」
さくら「……以蔵。ありがとう。」
さくらは以蔵に笑顔を向けると、赤い顔を逸らした以蔵に部屋の空気が柔らかくてなるのを感じた。
高杉「お、おい!お前ら、待て!待て!その良い雰囲気やめろ!」
中岡「以蔵君、可愛いっスね!」
岡田「か!可愛いとか言うな!」
坂本「おまんら…仲、ええのぉ…」
さくら「り、龍馬さん?」
桂「おや?坂本君もかい?」
坂本「か!桂さん?も、とは何ぜよ!?」
桂「あ、いや」
武市「じゃ、以蔵の敵はさくらさんにお願いしようかな?」
岡田「な!先生!」
さくら「はいっ。まかせてください!」
坂本「その前に、中岡との勝負をさっさと着けるぜよ!」
中岡「そっスね。」
そうして、中岡と坂本の決着はあっという間に着くことになる。
中岡と坂本で、ポッキーを加えていたら、坂本が変顔をし、吹いた中岡がその衝撃で折ってしまったからだった。
そして、寺田屋の雑巾掛けがきまり、酷いっスと落ち込んでいた。
さくら「任せて!慎ちゃん!以蔵と慎ちゃんの敵は私がつけるわ!」
意気込むさくらを見て、高杉と坂本の決戦が先に行われる事になるのだった。
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とろける感覚を例えては、話が弾む姿を見てさくらは心から良かったと感じていた。
そして、もう一つ手の中にある袋を見て、歓談する志士たちに向かい、新たに提案をしてみることにしたのだった。
さくら「みなさん!あと、これ。一緒に食べませんか?」
銀色の袋を開くと細い棒状のものがたくさん入っており、志士たちは歓喜の声をあげ、香りからチョコレートだと察したようだった。
中岡「姉さん!これも『ちょこれえと』っスか?」
さくら「そうだよ!名前はポッキーって言って、焼き菓子にチョコレートがコーティング…えっと、覆われたお菓子なの。名前の由来も面白いの。食べたら分かると思うので、まずは一本どうぞ!」
さくらが言うと、みんな次々とポッキーを1本摘みあげていった。
ぽりぽりと食べる姿を見ながら可愛いなと思ってしまった。
岡田「あ!」
さくら「あちゃー、以蔵の折れちゃったかー。よく折れるんだよね。」
坂本「確かに、こんなにも細いと心許ないのぉ」
中岡「もしかして、これが名前の由来っスか?」
さくら「そう!ポッキンって折れるからポッキー!それが由来です。」
高杉「未来の菓子は名前も珍妙だな!だが面白い!」
笑顔で自信満々に話すと、それぞれの反応が返ってきた。
でも、ポッキーと言えば確かゲームがあったよね!
さくら「そうだ!高杉さん!これを使った勝負事の遊びがあるんですよ!」
高杉「何!?どんな仕様だ!?」
私はポッキーゲームを、友達のカナちゃんと遊んでいた記憶でその時のルールを話し始めた。
さくら「2人が向かい合って1本のポッキーの端を互いに食べ進んでいって、先に口を離したほうが負けです!自然と折れたら引き分けで、どっちかが故意で割ったら、割った人の負けです」
高杉「よし!わかった!参加しなかった奴は切腹だ!くじ引きで対戦相手を決めるぞ!」
さくら「あと、私は友達とお互い負けた時の条件を出して、何かを掛けていました!簡単なもので買出しとか、掃除当番とかを掛けてましたね。」
高杉「ほお、それも面白い!それもやろう!」
高杉さんは、ニコニコ楽しそうに小さく切った紙を用意し、何かを書いていた。
そして出来た紙を小さく折りたたんでいた。
さくら「あれ?高杉さん、6人分ですか?」
高杉「ああ。お前は経験者で強い!だから大将戦までドーンと待ってろ!」
そう言うと高杉さんは上座に座布団を二枚重ね、そこへ座るよう指示を出した。
私は、「なるほど、シードってことかな?」と、心で思いながら、私は用意された座布団二枚重ねの上にちょこんと座った。
そうしてくじ引きが始まったのだが、私には聞こえない声で何か話をしているようだった。
高杉「おい。わかっているな?この遊びはただの遊びではない」
武市「どう言う意味ですか?」
高杉「勝ったものが大将戦のさくらとこの遊びが出来るわけだ。」
坂本「おう。これは負けられんのぉ」
高杉「ま、本当の意味は後からわかるだろ。ほら!さっさと引け!」
高杉さんの言葉に次々とくじを引いていった。
そして、決まった組に互いを確認すると、絶対に負けないと闘争心を燃やすのだった。
先ずは一回戦。
武市半平太。
対するは、桂小五郎となった。
中岡「じゃ、お二方準備はいいですか?」
武市「桂さん。手加減はしませんよ?」
桂「おや。お互い様だね。勿論、こっちもそのつもりだよ。」
さくら「武市さん!桂さん!二人とも頑張ってください!」
笑顔で手を振るさくらを見た武市、桂は自然と笑みがこぼれ出てくる。
武市「これは負けられないな。」
桂「そうだね。」
中岡「では、お互いに負けた時の条件を提示して下さいっス」
武市「…………。では、僕が勝ったら、桂さんには長州藩邸全ての廊下掃除をして頂きましょう。」
桂「!……なるほど。では私が勝ったら、武市君にはみんなの前で、腹踊りでもして頂こうかな。」
武市「!!!?」
岡田「先生に腹踊りなど!!」
坂本「桂さーん、頑張れー!」
岡田「な!龍馬!!武市先生!頑張って下さい!」
高杉「良いぞー!どっちもやれやれー!」
中岡「では準備はいいっスか?」
武市、桂「っ!!!!」
ポッキーを加えた二人は一瞬目を見開いた。
その後、とても険しい顔をしながら目線を固定していた。
中岡「それでは。…初め!!」
中岡の号令にポリポリと一口二口と食べ勧めたところで、ピタッと二人とも止まりそのまま静止してしまったのだった。
武市「(思った以上に近いな。)」
桂「(そうか、晋作が言ってたのはこの事か、さくらさんと出来るなら確かに…。)」
思った以上に相手の顔が近い事に武市、桂は困惑の表情を浮かべた。
口元が震え、折れてしまいそうな細いポッキーを口にくわえたまま、冷戦状態に陥っていた。
口を離せば簡単な事だが、藩邸の廊下掃除も腹踊りもしたくは無い。
武市「……。かふらさん、もうはきらめたらひかがでひか?」
桂「たけひふんほこ、、はきらめはらどうだい?」
中岡「……二人共、何か言い始めましたね。」
岡田「先生!!俺は信じています!」
さくら「武市さん!桂さん!頑張れー!」
坂本「何やら…そのままくっついてしまいそうな仲じゃのぉ」
武市、桂「ッ!!!!…あっ!!」
その瞬間、軽快な音がした。
さくらの声援に、可愛いなと一瞬意識が向いたと同時に、ボソっと坂本の発した一言に、同じ事を思っていた当事者二人が耐えきれず一斉に顔を逸らしたからだった。
真っ二つにポキッと折れたポッキーを口に咥えたまま、唖然とし現状に驚いてるいるようだった。
だがすぐに桂さんは苦笑し、武市さんは「龍馬!変な事を言うな!」と怒っていた。
中岡「勝負有り!お互い同時に顔を逸らしたため、引き分けっスね。」
高杉「あっはっはっは。二人ともまだまだ修行が足りんぞー!」
桂「なら次は晋作だろ?どんな勝負になるか見せてもらおう」
高杉「おう!…相手は……岡田か。」
坂本「おおおお!この勝負は見ものじゃのう!」
岡田「相手にとって不足なしだ」
腕を組み堂々と立つ高杉の前を、負けないと言う気迫漂う岡田が立ち準備に立つ。
高杉「オレ様が勝ったら、皆の前でさくらの好きなところを3つ叫んでもらおう」
岡田「ッなんだ!それは!バカバカしい!」
高杉「負けなれけば良い話だろ?」
岡田「ッ…。では、オレが勝ったら、高杉さんは今後寺田屋に来た際、真っ先にコイツの部屋へ向かう事を辞めて頂こう」
高杉「ほお。良いだろう」
両者睨み合いが続き、意気込みをみせる。
中岡に高杉が号令の支持を出す。
中岡「では行くっス。用意。……初め!!」
岡田「ッ!!!」
中岡の号令とともに一歩踏込み顔を近づけるよう間合を詰めると、驚いた岡田が反射的に身体を逸らし顔を振ってしまった。
そして、あっけなくポッキーは折れてしまったのだった。
中岡「す!凄いっス!一瞬っス」
武市「流石高杉さん、食べ進めるのではなく、相手に折らせる作戦とは」
さくら「だ、大丈夫ですか?ケガしてませんか?」
坂本「そんな不安な顔いっぱい浮かべて…。おまんは優しいのぉ。」
坂本が優しくさくらの頭にポンポンと手をおいた。
岡田「ッくそ。」
中岡「勝負!!!高杉さんの勝利っス」
高杉「引き分けではなく、岡田の負けだな。
ほら、さくらに早く好いているところを3つ答えてやれ!」
茹蛸のように真っ赤な顔をした岡田が、両手を握りしめ震えていた。
下を向いまま、さくらに近づいていき、バッと茹蛸のような顔を上げた。
さくらを睨み付ける。
その姿からは、好きな所を言うと言う条件から大きくけけ離れている様にも思えた。
岡田は大きく息を吸い込むと大声で叫んだ。
岡田「お前はいつも無茶ばかりする!」
さくら「……は?」
岡田「後先考えず行動し、先生に迷惑をかける!」
中岡「ちょ、以蔵君…」
坂本「中岡、シッ。」
人差し指を口元にあてた坂本を見て、中岡も黙りこんだ。
そして、岡田達に視線を戻し、行末を見守った。
岡田「それに、女と思えない食い意地で幸せそうに飯を食い、世話になっていると言う理由から寺田屋の手伝いを申し出る。もう少し大人しくしていればいいものの、ちょろちょろ動き回り、更には問題を持ち込む。」
さくら「っ……。」
岡田「だから!!だから、お前は危なかっかしいから…、お前は俺が守ると決めた!!…先生の迷惑なるしな。だから…だからお前は、笑顔で!ありのままで笑っていろ。」
さくら「以蔵……。」
岡田「その方がみんなが喜ぶ。お前の泣いている顔は、見たくない……。それだけだ。」
さくら「……以蔵。ありがとう。」
さくらは以蔵に笑顔を向けると、赤い顔を逸らした以蔵に部屋の空気が柔らかくてなるのを感じた。
高杉「お、おい!お前ら、待て!待て!その良い雰囲気やめろ!」
中岡「以蔵君、可愛いっスね!」
岡田「か!可愛いとか言うな!」
坂本「おまんら…仲、ええのぉ…」
さくら「り、龍馬さん?」
桂「おや?坂本君もかい?」
坂本「か!桂さん?も、とは何ぜよ!?」
桂「あ、いや」
武市「じゃ、以蔵の敵はさくらさんにお願いしようかな?」
岡田「な!先生!」
さくら「はいっ。まかせてください!」
坂本「その前に、中岡との勝負をさっさと着けるぜよ!」
中岡「そっスね。」
そうして、中岡と坂本の決着はあっという間に着くことになる。
中岡と坂本で、ポッキーを加えていたら、坂本が変顔をし、吹いた中岡がその衝撃で折ってしまったからだった。
そして、寺田屋の雑巾掛けがきまり、酷いっスと落ち込んでいた。
さくら「任せて!慎ちゃん!以蔵と慎ちゃんの敵は私がつけるわ!」
意気込むさくらを見て、高杉と坂本の決戦が先に行われる事になるのだった。
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