2-4の教育実習
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「どうも、失礼します。雪ヶ丘高校の教育実習生の目黒蓮と申します。瑠璃川さんのお宅で間違いないでしょうか…っと」
「いいんじゃない?めめは真面目だよね」
「阿部ちゃんには敵わないよ」
教育実習が始まって、早くも2日目
問題児が問題児すぎる
深夜にゲーセンいるわ、学校に来ないわ…
耳にした通りの素行の悪さにため息がでる
今日学校来た柊だけでも叱ったら、気づいたら帰ってるし
瑠璃川に関しては丸一日来てねぇ…
というわけで、先生方に許可をもらって、一本電話入れてやろうとしている最中なのだが…
「でねぇし」
「どうしたんだろうね…?」
鳴り響くのはコール音のみ
何度掛け直しても出ない電話にイライラしてくる…
家に誰もいねぇの?
いや、瑠璃川はいんだろ…って、どっか行ってる可能性もあるか…
「ねぇ、めめ、もしかしたら…」
「あ、失礼します。雪ヶ丘高校の教育実習生の目黒蓮と申します。瑠璃川さんのお宅で間違いないでしょうか?」
繋がった…!
努力は報われるってやつ?
粘ってよかった〜
「あら、教育実習生の方ですか?うちは瑠璃川であってますよ〜」
おおらかそうな柔らかい声
すこし掠れている声からして、もしかしたらお祖母さんだろうか?
「お祖母様でしょうか?お母様はいらっしゃったりしませんか?」
「お母さん…?あぁ、教育実習の方ですものね。お母さんは入院していてこの家の大人は私のみなんですよ〜」
……え?
「めめ、大丈夫?」
「あ、うん。大丈夫だよ、阿部ちゃん」
お母さん、入院してて…
家にいる大人はお祖母さんのみ
えっ、この家、何で…
「ところで、今日のご用件は芽依のことでしょうか?ごめんなさいねぇ。私も強く言えなくて。どんなことであっても、孫は孫だし、可愛くて仕方ないのよ〜それに、芽依にはこの家を支えてもらっているからねぇ」
「えっ…?」
「家事は私がやるにしても、定年過ぎた老人が働けるところなんて限りがあるし、私も今は元気だけど、いつダメになるかわかんないしねぇ」
……待って待って?
理解が追いつかない
情報過多ってやつ?
どういうことだ?
「お電話お代わりします。同じく雪ヶ丘高校の教育実習生の阿部と申します。先日、お宅の瑠璃川芽依さんが深夜にゲームセンターにいるところを他の実習生が目撃していた為、お話のほどをと思い、電話させてもらったんですが…訳あり、ですよね?」
固まってしまった俺から電話を奪い取った阿部ちゃん
隣にいたから内容が聞こえていたようで、冷静に対処してくれている
「あら、また芽依ゲーセン行ってたの?まぁ最近働いてばっかりだったしねぇ〜、舞衣の資金も貯めなきゃだし」
「お祖母様、高校生の23時以降の徘徊は補導の対象にもなります。色々あるのも察しますが、警察沙汰になる前に、一言注意していただけないでしょうか?」
「そうねぇ、流石にこれ以上警察の方にお世話になるのはねぇ。わかりました。23時以降の徘徊はこちらからも注意させていただきます。ご迷惑おかけしてしまって申し訳ございません」
「いえ、それでは失礼します」
プツリッと電話が切れる音がした
そのタイミングでハッと我に帰る
「ごめん!阿部ちゃん、代わりに対処してもらっちゃって…」
「ううん。目黒が固まるのも仕方ないよ。まさか訳ありだったとはね…」
阿部ちゃんが眉を下げて困ったような表情をする
お母さんが入院中で、お祖母さんと暮らしていて
お祖父さんは?他界してるのかな
で、問題が…
「お父さん、いないのかな」
「あの感じじゃ、そうっぽいよね」
それで、お祖母さんしかいないのか…
何で入院しているのか、とか、お父さんのことか、色々気になっちゃうな…
「めーめ!何顰めっ面しとるん?」
「阿部ちゃんまでどうしたの?なんか問題発生した?」
色々考えてたせいで背後から近づいてくる康二とラウールに気づかなかった
心配面をしてくる2人に、何だか心がホッとする
「康二、ラウール…」
「問題っていったら、問題なのかなぁ」
「何々?どっしたん?」
「俺らにも教えてよ〜」
そうだな…
同じ2年担当だし、共有しといた方がいいのかもしれない
クラスも隣だしね
阿部ちゃんも同じこと言いたそうに頷いてるし…
「実は…」
経緯を話すと2人とも眉毛を上げて驚く
「それって、瑠璃川さんが、生活費とか稼いでるってことやんな…?」
「多分ね。お祖母さんの年金もあるだろうけど、その時代の人って、専業主婦が多いだろうし、それに、さっきの会話からして、1人以上は兄弟姉妹がいると思うんだよね、本来、老人1人が生活するための費用だから、それを何人分の生活費にっていうのは、難しいんじゃないかな?」
「おぉ…、流石阿部ちゃん」
元の知識を交えて説明してくれるあべちゃんに、俺と康二は圧巻されてしまう
そっか、まだ瑠璃川と二人暮らしならともかく、他にも兄弟姉妹がいるってなったら、お金足んないよな…
「大変なんだね、瑠璃川ん家って」
「そうだね。もしかしたらこれ以上に複雑な事情抱えている可能性もあるし」
「「え?」」
康二と声がハモる
自分の専門分野しか知識のない俺らにとって、ここまで分析する力はない
素直に阿部ちゃんをすごいと思う
で、これ以上複雑な事情って話だけど…
「お父さん…のこと?」
「そうだね。もしかしたらお母さんの入院にも関係あるのかも知れない」
「こわぁい…」
「康二くん、俺らが怖がってどうするの」
俺らが思っている以上に、瑠璃川の家は複雑なのかもしれない
でも、かといって、学校をバックれる理由にはならないでしょ
これに、ちゃんとこのことを説明してくれれば、こっちだって多少の配慮は…
「頭ごなしに叱るのは良くないかもね。めめが怒りたくなるのもわかるけど、ちょっと様子見てみよう?」
「……わかった」
阿部ちゃんが言うなら仕方ない
一度、ちゃんと瑠璃川と話せればいいんだけどなぁ
「いいんじゃない?めめは真面目だよね」
「阿部ちゃんには敵わないよ」
教育実習が始まって、早くも2日目
問題児が問題児すぎる
深夜にゲーセンいるわ、学校に来ないわ…
耳にした通りの素行の悪さにため息がでる
今日学校来た柊だけでも叱ったら、気づいたら帰ってるし
瑠璃川に関しては丸一日来てねぇ…
というわけで、先生方に許可をもらって、一本電話入れてやろうとしている最中なのだが…
「でねぇし」
「どうしたんだろうね…?」
鳴り響くのはコール音のみ
何度掛け直しても出ない電話にイライラしてくる…
家に誰もいねぇの?
いや、瑠璃川はいんだろ…って、どっか行ってる可能性もあるか…
「ねぇ、めめ、もしかしたら…」
「あ、失礼します。雪ヶ丘高校の教育実習生の目黒蓮と申します。瑠璃川さんのお宅で間違いないでしょうか?」
繋がった…!
努力は報われるってやつ?
粘ってよかった〜
「あら、教育実習生の方ですか?うちは瑠璃川であってますよ〜」
おおらかそうな柔らかい声
すこし掠れている声からして、もしかしたらお祖母さんだろうか?
「お祖母様でしょうか?お母様はいらっしゃったりしませんか?」
「お母さん…?あぁ、教育実習の方ですものね。お母さんは入院していてこの家の大人は私のみなんですよ〜」
……え?
「めめ、大丈夫?」
「あ、うん。大丈夫だよ、阿部ちゃん」
お母さん、入院してて…
家にいる大人はお祖母さんのみ
えっ、この家、何で…
「ところで、今日のご用件は芽依のことでしょうか?ごめんなさいねぇ。私も強く言えなくて。どんなことであっても、孫は孫だし、可愛くて仕方ないのよ〜それに、芽依にはこの家を支えてもらっているからねぇ」
「えっ…?」
「家事は私がやるにしても、定年過ぎた老人が働けるところなんて限りがあるし、私も今は元気だけど、いつダメになるかわかんないしねぇ」
……待って待って?
理解が追いつかない
情報過多ってやつ?
どういうことだ?
「お電話お代わりします。同じく雪ヶ丘高校の教育実習生の阿部と申します。先日、お宅の瑠璃川芽依さんが深夜にゲームセンターにいるところを他の実習生が目撃していた為、お話のほどをと思い、電話させてもらったんですが…訳あり、ですよね?」
固まってしまった俺から電話を奪い取った阿部ちゃん
隣にいたから内容が聞こえていたようで、冷静に対処してくれている
「あら、また芽依ゲーセン行ってたの?まぁ最近働いてばっかりだったしねぇ〜、舞衣の資金も貯めなきゃだし」
「お祖母様、高校生の23時以降の徘徊は補導の対象にもなります。色々あるのも察しますが、警察沙汰になる前に、一言注意していただけないでしょうか?」
「そうねぇ、流石にこれ以上警察の方にお世話になるのはねぇ。わかりました。23時以降の徘徊はこちらからも注意させていただきます。ご迷惑おかけしてしまって申し訳ございません」
「いえ、それでは失礼します」
プツリッと電話が切れる音がした
そのタイミングでハッと我に帰る
「ごめん!阿部ちゃん、代わりに対処してもらっちゃって…」
「ううん。目黒が固まるのも仕方ないよ。まさか訳ありだったとはね…」
阿部ちゃんが眉を下げて困ったような表情をする
お母さんが入院中で、お祖母さんと暮らしていて
お祖父さんは?他界してるのかな
で、問題が…
「お父さん、いないのかな」
「あの感じじゃ、そうっぽいよね」
それで、お祖母さんしかいないのか…
何で入院しているのか、とか、お父さんのことか、色々気になっちゃうな…
「めーめ!何顰めっ面しとるん?」
「阿部ちゃんまでどうしたの?なんか問題発生した?」
色々考えてたせいで背後から近づいてくる康二とラウールに気づかなかった
心配面をしてくる2人に、何だか心がホッとする
「康二、ラウール…」
「問題っていったら、問題なのかなぁ」
「何々?どっしたん?」
「俺らにも教えてよ〜」
そうだな…
同じ2年担当だし、共有しといた方がいいのかもしれない
クラスも隣だしね
阿部ちゃんも同じこと言いたそうに頷いてるし…
「実は…」
経緯を話すと2人とも眉毛を上げて驚く
「それって、瑠璃川さんが、生活費とか稼いでるってことやんな…?」
「多分ね。お祖母さんの年金もあるだろうけど、その時代の人って、専業主婦が多いだろうし、それに、さっきの会話からして、1人以上は兄弟姉妹がいると思うんだよね、本来、老人1人が生活するための費用だから、それを何人分の生活費にっていうのは、難しいんじゃないかな?」
「おぉ…、流石阿部ちゃん」
元の知識を交えて説明してくれるあべちゃんに、俺と康二は圧巻されてしまう
そっか、まだ瑠璃川と二人暮らしならともかく、他にも兄弟姉妹がいるってなったら、お金足んないよな…
「大変なんだね、瑠璃川ん家って」
「そうだね。もしかしたらこれ以上に複雑な事情抱えている可能性もあるし」
「「え?」」
康二と声がハモる
自分の専門分野しか知識のない俺らにとって、ここまで分析する力はない
素直に阿部ちゃんをすごいと思う
で、これ以上複雑な事情って話だけど…
「お父さん…のこと?」
「そうだね。もしかしたらお母さんの入院にも関係あるのかも知れない」
「こわぁい…」
「康二くん、俺らが怖がってどうするの」
俺らが思っている以上に、瑠璃川の家は複雑なのかもしれない
でも、かといって、学校をバックれる理由にはならないでしょ
これに、ちゃんとこのことを説明してくれれば、こっちだって多少の配慮は…
「頭ごなしに叱るのは良くないかもね。めめが怒りたくなるのもわかるけど、ちょっと様子見てみよう?」
「……わかった」
阿部ちゃんが言うなら仕方ない
一度、ちゃんと瑠璃川と話せればいいんだけどなぁ