3-4の教育実習
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「えっと…」
「だから、聞いてんの。渡辺先生のこと好きなのかって」
人気のない昼休みの裏庭
普段は渡辺先生を囲んでいるはずの、私を囲む女の子達
「部活の顧問もしてもらってるんでしょ?私達より関わり深いんでしょうねー?」
「別に好きなら好きでいいのよ。でも、好きじゃないんだったら…」
だったら…?
ダンっと音が立つ
壁際に寄せられていた私の顔の真横に、目の前の彼女の手
サラリと長い髪の毛が、私の胸元に当たる
「消えてくんない?目障りなんだよねぇ…」
「っ!?」
ヒュッと喉が鳴る
声にならない衝撃が走る
「好きならさ、私達がその感情をどうこういうつもりはないわよ。どうせあんたみたいな陰キャ、眼中に入らないでしょうに」
「ちょっと〜!それで本当にこの子がしょっぴーのこと好きだったらどうすんの〜?」
キャハハハハっと笑い声が響く
私みたいな陰キャが、渡辺先生の眼中に入るわけじゃない…
その通りだ
大して可愛くないし、彼女達のように可愛くなる努力だってしてない
メイクOKの学校なんだから、やろうと思えばメイクでカバーすることさえ出来る
それさえせずに、私はいつも、ひっそりと、日常を送ってるだけ
渡辺先生に対しても、自分から踏み込むことが出来なくて
気づき始めているこの感情にも、素直になれなくて…
「私、は…」
渡辺先生が、好き
推しじゃなくて
恋愛として
昨日お姉ちゃんに言われたばっかりなのに
恋愛なんて、まともにしたことないのに…
だけど…
「は〜いそこまで!」
この空気感と合わない、元気な声
「えっ…!?」
「も〜、誰が誰を好きでいようといいでしょ!」
「佐久間先生…」
普段と変わらない底抜けに明るい声に、普段とは違う光がない目
「コレは…!その!」
「みんな翔太が好きなんだねぇ…わかるよ、あいつかっこいいよねぇ…」
しみじみという彼の姿に狼狽えるのは私だけではない
この場にいる全員が、この状況を飲み込めない
「でもね、だからといって、相手を悪く言ったり、仲良くするな!なんていうのは違うんじゃないかな?」
「それは…」
「高校生だしね、こういうのも含めて青春だよね!だからオレっちはあんまり口出ししたくないんだけどさ…」
どこか、遠くを見つめるような佐久間先生
その姿は、どこか儚くて、消えてしまうんじゃないかと錯覚してしまいそうで…
「やるなら、正々堂々!こんな陰でやるんじゃなくて、翔太の目の前でやっちゃえ!」
「えぇ…?」
「渡辺先生の前ではちょっと…」
それに関しては私も、同意
「いやぁ〜モテ男はいいねぇ。俺も取り合いされてー!」
さっきから、何言ってるんだろうこの人は
私はもちろん、みんなポカン
ていうか佐久間先生も十分モテてるじゃないですか
「はぁ、何かつまんな」
「ね、もういいや」
「好きにしていいよ、涼川さん」
ゾロゾロと去っていく彼女達
な、なんだったんだ…?
嵐が過ぎ去ったようだ
シンっと静まり返った空間に私と佐久間先生
「やぁ〜、ちょっと出しゃばっちゃったかにゃ?ま、無事でよかったよ〜」
“それじゃあね”と去っていこうとする先生
その瞬間、何でかわからないけど、さっきの消えていきそうな先生の表情が思い出されて…
「佐久間先生!」
「んにゃ?どうかした?」
思った以上に声が出て、自分でもびっくりする
佐久間先生はそれに反応して私の元に戻ってきて…
「気づいちゃった?」
「気づいちゃった…?」
そうかもしれない
どこを見ているのかわからないけど、佐久間先生が追いかけているものがなんとなくわかってしまった
だって、私も最近、渡辺先生ばっかり追いかけてしまうから…
「自分の気持ち、大切にしなよ」
ポンと肩に手を置かれて、今度こそ去っていく佐久間先生
その背中に、哀愁を感じたのはきっと気のせいじゃない…
「だから、聞いてんの。渡辺先生のこと好きなのかって」
人気のない昼休みの裏庭
普段は渡辺先生を囲んでいるはずの、私を囲む女の子達
「部活の顧問もしてもらってるんでしょ?私達より関わり深いんでしょうねー?」
「別に好きなら好きでいいのよ。でも、好きじゃないんだったら…」
だったら…?
ダンっと音が立つ
壁際に寄せられていた私の顔の真横に、目の前の彼女の手
サラリと長い髪の毛が、私の胸元に当たる
「消えてくんない?目障りなんだよねぇ…」
「っ!?」
ヒュッと喉が鳴る
声にならない衝撃が走る
「好きならさ、私達がその感情をどうこういうつもりはないわよ。どうせあんたみたいな陰キャ、眼中に入らないでしょうに」
「ちょっと〜!それで本当にこの子がしょっぴーのこと好きだったらどうすんの〜?」
キャハハハハっと笑い声が響く
私みたいな陰キャが、渡辺先生の眼中に入るわけじゃない…
その通りだ
大して可愛くないし、彼女達のように可愛くなる努力だってしてない
メイクOKの学校なんだから、やろうと思えばメイクでカバーすることさえ出来る
それさえせずに、私はいつも、ひっそりと、日常を送ってるだけ
渡辺先生に対しても、自分から踏み込むことが出来なくて
気づき始めているこの感情にも、素直になれなくて…
「私、は…」
渡辺先生が、好き
推しじゃなくて
恋愛として
昨日お姉ちゃんに言われたばっかりなのに
恋愛なんて、まともにしたことないのに…
だけど…
「は〜いそこまで!」
この空気感と合わない、元気な声
「えっ…!?」
「も〜、誰が誰を好きでいようといいでしょ!」
「佐久間先生…」
普段と変わらない底抜けに明るい声に、普段とは違う光がない目
「コレは…!その!」
「みんな翔太が好きなんだねぇ…わかるよ、あいつかっこいいよねぇ…」
しみじみという彼の姿に狼狽えるのは私だけではない
この場にいる全員が、この状況を飲み込めない
「でもね、だからといって、相手を悪く言ったり、仲良くするな!なんていうのは違うんじゃないかな?」
「それは…」
「高校生だしね、こういうのも含めて青春だよね!だからオレっちはあんまり口出ししたくないんだけどさ…」
どこか、遠くを見つめるような佐久間先生
その姿は、どこか儚くて、消えてしまうんじゃないかと錯覚してしまいそうで…
「やるなら、正々堂々!こんな陰でやるんじゃなくて、翔太の目の前でやっちゃえ!」
「えぇ…?」
「渡辺先生の前ではちょっと…」
それに関しては私も、同意
「いやぁ〜モテ男はいいねぇ。俺も取り合いされてー!」
さっきから、何言ってるんだろうこの人は
私はもちろん、みんなポカン
ていうか佐久間先生も十分モテてるじゃないですか
「はぁ、何かつまんな」
「ね、もういいや」
「好きにしていいよ、涼川さん」
ゾロゾロと去っていく彼女達
な、なんだったんだ…?
嵐が過ぎ去ったようだ
シンっと静まり返った空間に私と佐久間先生
「やぁ〜、ちょっと出しゃばっちゃったかにゃ?ま、無事でよかったよ〜」
“それじゃあね”と去っていこうとする先生
その瞬間、何でかわからないけど、さっきの消えていきそうな先生の表情が思い出されて…
「佐久間先生!」
「んにゃ?どうかした?」
思った以上に声が出て、自分でもびっくりする
佐久間先生はそれに反応して私の元に戻ってきて…
「気づいちゃった?」
「気づいちゃった…?」
そうかもしれない
どこを見ているのかわからないけど、佐久間先生が追いかけているものがなんとなくわかってしまった
だって、私も最近、渡辺先生ばっかり追いかけてしまうから…
「自分の気持ち、大切にしなよ」
ポンと肩に手を置かれて、今度こそ去っていく佐久間先生
その背中に、哀愁を感じたのはきっと気のせいじゃない…