3-4の教育実習
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「渡辺先生サッカーしよー」
「いや、渡辺先生は俺たちとバスケだ」
「じゃ、間をとって私達とおしゃべりね」
「いや、今から涼太に付き合わなくちゃいけなくて…」
「別に行ってきてもいいよ?」
「ばっか口実だよ!」(小声)
実習2日目の昼休み
渡辺先生は朝の時のように、いや、朝の時よりも囲まれている
どこからか聞きつけたのか、運動神経が良いと聞きつけた男子達は途端に渡辺先生を誘い始めたにだ
で、女子は朝の子達含め、もう私からは渡辺先生の姿がギリ見えるか見えないか
宮舘先生もなんかノってるし…
「花凛、いいのアレ?」
「いいのって言われても…」
「まぁ、みんなの渡辺先生だしね」
「そんなのわかってるよ…」
そりゃそうだよ
あんな塩顔イケメンがモテないはずがない
おまけに運動神経もいいみたいだし?
「あ…!ふっか〜〜〜〜〜!」
渡辺先生が“ふっか”を呼ぶ声が聞こえる
ふっか?
「おい!うるっせよなべ!」
「ふっか、口が悪い。生徒達の前なんだから、ちゃんと気をつけてよ」
「ごめってぇ、舘さん」
まって、誰?
ふっか先生?
ん、そんな人いたっけ?
「わぁ…、深澤先生まで来ちゃったじゃん」
「こりゃ大変だな」
「深澤先生?」
深澤先生って、隣のクラスの?
「深澤先生がふっか?」
「みたいだね。そっか、花凛は見えてないのか」
「うん、人の壁が凄くて」
「確かにね。私もギリ見えてる程度だわ」
深澤先生が来たことにより、より人という名の壁が厚くなった気がする
渡辺先生だけじゃなくて、教育実習生みんな顔良いからなぁ…
「もぉ〜、実習早々お前らはなにをやってんの?」
「照〜!助けて!」
「マジ頼む!」
「いや、照によって、より人が増えてる気が…」
そこにはもう溢れんばかりの人の量
教室内から見ていた私にはもう完全に先生達の姿は見えない
「岩本先生来たっぽいね」
「もうしばらくはダメだな」
「えげつない…」
私も、教室から眺めてるんじゃなくて、あそこに混ざればよかったのかぁ…
せっかく昨日、楽しく話せて、今日の朝も、話しかけてもらえたのに
あの子達が羨ましい
私には、そんな積極性がないから…
「あーらら」
「これは厄介なことになりそーね」
そんな2人の会話を聞き流し、私は人の壁を見据えるように、渡辺先生がいるであろう場所を見つめる…
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「花凛〜?入るよー」
「んー、どっしたの?」
律儀にノックをしながら、姉・莉音が私の部屋に入ってくる
「一瞬辞書貸して」
「永遠にいいよ」
お姉ちゃんは、このあたりじゃ有名な偏差値の高い大学に通う大学生
勉強がそこまでの私より、お姉ちゃんが持っててくれた方が辞書も嬉しいと思うんだけど…
「これは花凛のなんだから。私のは私のであるし」
「じゃ、自分の使えば?」
「丁度大学に置いてきちゃったの」
真面目だなぁ…
私も成績は悪い方ではないが、お姉ちゃんと比べたら全然だし、昔から音楽やってばっかり
お父さんもお母さんも、勉強が全てじゃない、自分達がやりたいことやればいいって言ってくれてるから、今更お姉ちゃんに劣等感を抱いたりすることはない
とはいえ、同じ血が流れているはずなのに、あんまり私とお姉ちゃんって似てない気がするんだよね…
私、適当人間だし
「そういえば、そろそろ教育実習生きてるんじゃない?」
「うん、昨日から来てるよ」
「あー、私のとこの教育学部もそーだわ」
へー、まぁ、それもそうか
大体どこも、実習時期って一緒だよね
「なんか面白い先生いた?」
「面白いっていうか、全員イケメン。顔面偏差値バカ高い」
「花凛は相変わらず顔だよね…」
昨日に引き続き、姉にまで呆れられる
「いーじゃん別に。ていうか、お姉ちゃんと同じ学年じゃない…?」
そういえば、実習生ってみんな4年生だよね?
で、お姉ちゃんも今4年生…
「そーだね。私の母校でもあるし、もしかしたら知り合いいるかも」
「マジ!?」
実は母校ですっていう実習生いないかなっ?
9人もいるから、1人ぐらいいそうだけど…
「でも、気をつけなね?」
「ん、何が?」
なんのことでしょう?
全くわかってない様子の私を見て、お姉ちゃんが深くため息を吐く
「顔だけじゃなくて、ちゃんと中身見なさい?世の中顔だけしか取り柄の無い男なんてゴロッゴロいるんだから」
「わかってるよぉ…」
わかってるって
別に、だからといって恋愛感情を持ってるわけでもないし
「私のときもいたんだから。顔しか取り柄のない中身カスッカス人間」
「どんな青春時代送ってきたんだよ…」
確かにお姉ちゃんって、昔からあんまり男っ気ないんだよなぁ…
ん?でも高校の時彼氏いた気が…
「教育実習生なんて以ての外だからね!?ちゃんとした人と、ちゃんとした付き合いをすること!」
「いや、そもそも好きな人すらいないんだけど…」
イケメンは好きだけど、それはタダの目の保養っていうか
恋愛に対して、あんまり興味がないっていうか…
てことは、あながち私も男っ気ない?
やっぱ、お姉ちゃんの妹なだけあるのかも
でも……
「渡辺先生、大変そうだったな…」
ふと今日の光景が思い出される
みんなに囲まれて、私が見ることは出来なくて
でも朝や昨日は間近で話せて、楽しくて…
自分が勇気がないのが悪いのに、グイグイいってる女の子達に、なんだかモヤモヤしちゃって…
「……辞書ありがとね」
「あー、うん」
そう言って去っていく姉を横目に見ながら
このよくわからない感情を長い時間、グルグルさせるのだった…
「いや、渡辺先生は俺たちとバスケだ」
「じゃ、間をとって私達とおしゃべりね」
「いや、今から涼太に付き合わなくちゃいけなくて…」
「別に行ってきてもいいよ?」
「ばっか口実だよ!」(小声)
実習2日目の昼休み
渡辺先生は朝の時のように、いや、朝の時よりも囲まれている
どこからか聞きつけたのか、運動神経が良いと聞きつけた男子達は途端に渡辺先生を誘い始めたにだ
で、女子は朝の子達含め、もう私からは渡辺先生の姿がギリ見えるか見えないか
宮舘先生もなんかノってるし…
「花凛、いいのアレ?」
「いいのって言われても…」
「まぁ、みんなの渡辺先生だしね」
「そんなのわかってるよ…」
そりゃそうだよ
あんな塩顔イケメンがモテないはずがない
おまけに運動神経もいいみたいだし?
「あ…!ふっか〜〜〜〜〜!」
渡辺先生が“ふっか”を呼ぶ声が聞こえる
ふっか?
「おい!うるっせよなべ!」
「ふっか、口が悪い。生徒達の前なんだから、ちゃんと気をつけてよ」
「ごめってぇ、舘さん」
まって、誰?
ふっか先生?
ん、そんな人いたっけ?
「わぁ…、深澤先生まで来ちゃったじゃん」
「こりゃ大変だな」
「深澤先生?」
深澤先生って、隣のクラスの?
「深澤先生がふっか?」
「みたいだね。そっか、花凛は見えてないのか」
「うん、人の壁が凄くて」
「確かにね。私もギリ見えてる程度だわ」
深澤先生が来たことにより、より人という名の壁が厚くなった気がする
渡辺先生だけじゃなくて、教育実習生みんな顔良いからなぁ…
「もぉ〜、実習早々お前らはなにをやってんの?」
「照〜!助けて!」
「マジ頼む!」
「いや、照によって、より人が増えてる気が…」
そこにはもう溢れんばかりの人の量
教室内から見ていた私にはもう完全に先生達の姿は見えない
「岩本先生来たっぽいね」
「もうしばらくはダメだな」
「えげつない…」
私も、教室から眺めてるんじゃなくて、あそこに混ざればよかったのかぁ…
せっかく昨日、楽しく話せて、今日の朝も、話しかけてもらえたのに
あの子達が羨ましい
私には、そんな積極性がないから…
「あーらら」
「これは厄介なことになりそーね」
そんな2人の会話を聞き流し、私は人の壁を見据えるように、渡辺先生がいるであろう場所を見つめる…
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「花凛〜?入るよー」
「んー、どっしたの?」
律儀にノックをしながら、姉・莉音が私の部屋に入ってくる
「一瞬辞書貸して」
「永遠にいいよ」
お姉ちゃんは、このあたりじゃ有名な偏差値の高い大学に通う大学生
勉強がそこまでの私より、お姉ちゃんが持っててくれた方が辞書も嬉しいと思うんだけど…
「これは花凛のなんだから。私のは私のであるし」
「じゃ、自分の使えば?」
「丁度大学に置いてきちゃったの」
真面目だなぁ…
私も成績は悪い方ではないが、お姉ちゃんと比べたら全然だし、昔から音楽やってばっかり
お父さんもお母さんも、勉強が全てじゃない、自分達がやりたいことやればいいって言ってくれてるから、今更お姉ちゃんに劣等感を抱いたりすることはない
とはいえ、同じ血が流れているはずなのに、あんまり私とお姉ちゃんって似てない気がするんだよね…
私、適当人間だし
「そういえば、そろそろ教育実習生きてるんじゃない?」
「うん、昨日から来てるよ」
「あー、私のとこの教育学部もそーだわ」
へー、まぁ、それもそうか
大体どこも、実習時期って一緒だよね
「なんか面白い先生いた?」
「面白いっていうか、全員イケメン。顔面偏差値バカ高い」
「花凛は相変わらず顔だよね…」
昨日に引き続き、姉にまで呆れられる
「いーじゃん別に。ていうか、お姉ちゃんと同じ学年じゃない…?」
そういえば、実習生ってみんな4年生だよね?
で、お姉ちゃんも今4年生…
「そーだね。私の母校でもあるし、もしかしたら知り合いいるかも」
「マジ!?」
実は母校ですっていう実習生いないかなっ?
9人もいるから、1人ぐらいいそうだけど…
「でも、気をつけなね?」
「ん、何が?」
なんのことでしょう?
全くわかってない様子の私を見て、お姉ちゃんが深くため息を吐く
「顔だけじゃなくて、ちゃんと中身見なさい?世の中顔だけしか取り柄の無い男なんてゴロッゴロいるんだから」
「わかってるよぉ…」
わかってるって
別に、だからといって恋愛感情を持ってるわけでもないし
「私のときもいたんだから。顔しか取り柄のない中身カスッカス人間」
「どんな青春時代送ってきたんだよ…」
確かにお姉ちゃんって、昔からあんまり男っ気ないんだよなぁ…
ん?でも高校の時彼氏いた気が…
「教育実習生なんて以ての外だからね!?ちゃんとした人と、ちゃんとした付き合いをすること!」
「いや、そもそも好きな人すらいないんだけど…」
イケメンは好きだけど、それはタダの目の保養っていうか
恋愛に対して、あんまり興味がないっていうか…
てことは、あながち私も男っ気ない?
やっぱ、お姉ちゃんの妹なだけあるのかも
でも……
「渡辺先生、大変そうだったな…」
ふと今日の光景が思い出される
みんなに囲まれて、私が見ることは出来なくて
でも朝や昨日は間近で話せて、楽しくて…
自分が勇気がないのが悪いのに、グイグイいってる女の子達に、なんだかモヤモヤしちゃって…
「……辞書ありがとね」
「あー、うん」
そう言って去っていく姉を横目に見ながら
このよくわからない感情を長い時間、グルグルさせるのだった…