3-3の教育実習
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「お〜、今日も頑張ってるね〜」
「…深澤先生はいつも元気ですよね」
放課後の放送室
の、隣にある空き教室
空き教室って言っても、普通の教室の半分もなくて、本当に放送部の為の部屋って感じなんだけど…
「ただでさえ部員少ないのに、ちゃんと取り組んでるのって、青海だけじゃない?」
「そんなことないですよ」
放送部の部活内容は当番制で普段の昼休み放送、それとイベント時などの放送のみのいわばゆる〜い部活
人数は3学年全員合わせて5人
ちゃんと皆当番のときは仕事してるし、真面目で良い人達ばかりだから、仲がわるいわけでもない
ただ、私1人が大会に参加しているだけだ
自慢になるけど、自分の声には自信がある
それをもっと活かしたいと思い、大会に挑戦してみたらまさかの県大会突破
今は1ヶ月後に迫る地区大会に向けて準備を進めているところだ
「な〜んか元気ない?声にも出てるよ〜」
「…私情を打ち込まずに読まなきゃ、ですよね」
私が参加しているのは朗読部門
指定作品のうち、1編を選び、自分の表現したい部分を決め朗読する
というもの。
発音とかはもちろん、表現や、内容の把握も必要となる
特に内容の把握が大事で、その上で表現をしたり、アクセントやイントネーションをするんだけど…
私情で、こんな簡単に、不調子になるとは…
「な〜んかあったの?深澤先生に話してみなさいな!」
そう言う顔は、今の私には憎たらしいほどの甘い笑顔
きっと[#dn=6#]達はこの顔が好きなんだろうな
「いつも元気な先生には無縁な話ですよ」
いつも人に囲まれていて、ふざけるけど人を傷つけるようなことはしなくて、みんなに平等に接してて、こんな私でも声をかけてくれる
そんな先生には今の私の気持ちなんてきっとわからない
わかって欲しいとも思ってないし、何より今は…
「今は、1人になりたいです」
人と、関わるのが面倒くさい
何を信じたらいいのか
果たして私を必要としてくれる人はいるのか
その関係の強度は信じられるのか
私には、昨日の今日で、そんなすぐに切り替えられない
何より、こうなってしまったことには深澤先生も絡んでるから…
「そう」
さっきまでの笑顔は消え去って、ただ、真顔でもなく、どこか悲しんでいるような、でも微笑んでいるような…
「邪魔しちゃってごめんね。暗くなる前に帰るんだよ」
頭をポンポン、と撫でられて静かに去っていく先生
あぁ、そういえば先生、昼休みに言ってたな
仕事が終わらなくて帰り遅いって
昼休みに誘ってくる男子達のこともあるんだろうけど、毎日欠かさずこうやって放課後に私に付き合ってくれているのが原因だろう
先生だって、いくら勝手に来てるからって、好きで放課後付き合ってくれてるわけじゃないのに…
決して、私1人に特別扱いなんてしてるはずないのに…
「何でっ…、、!」
私、何かした?
そんなに深澤先生が好きなら自分から話しかけに行けばいいじゃん
深澤先生は、部員を心配してくれてるだけなのに
普通の先生と生徒のはずなのに
「何でっ、私が……」
視界がどんどん悪くなっていく
手に持った原稿にも雫が数滴落ちている
今日は、もうダメだ
こんなんじゃ練習にならない
さっさと片付けて涙を無理やり引っ込める
ここでは泣けない
いつ誰がくるかもわかんないし、あの子達もまだ学校にいるかも知れない
帰り道で出会う可能性もあるけど、練習しないくせに、いつまでもここいても仕方ない
裏道から、帰ろうかな
うん、そうしよう
帰宅ルートを決めてドアを開けると…
「…っと、青海、もう帰る?」
「はい…」
深澤先生…
「コレ、あげる」
手に渡されたのは、缶のカフェオレ
「甘いもの飲んで、ゆっくり休みな」
「ありがとうございます…」
じゃあ、と手を振る深澤先生
本当は、私も振り返りたいところだけど…
ぺこり、とお辞儀して、その場を離れた
「…深澤先生はいつも元気ですよね」
放課後の放送室
の、隣にある空き教室
空き教室って言っても、普通の教室の半分もなくて、本当に放送部の為の部屋って感じなんだけど…
「ただでさえ部員少ないのに、ちゃんと取り組んでるのって、青海だけじゃない?」
「そんなことないですよ」
放送部の部活内容は当番制で普段の昼休み放送、それとイベント時などの放送のみのいわばゆる〜い部活
人数は3学年全員合わせて5人
ちゃんと皆当番のときは仕事してるし、真面目で良い人達ばかりだから、仲がわるいわけでもない
ただ、私1人が大会に参加しているだけだ
自慢になるけど、自分の声には自信がある
それをもっと活かしたいと思い、大会に挑戦してみたらまさかの県大会突破
今は1ヶ月後に迫る地区大会に向けて準備を進めているところだ
「な〜んか元気ない?声にも出てるよ〜」
「…私情を打ち込まずに読まなきゃ、ですよね」
私が参加しているのは朗読部門
指定作品のうち、1編を選び、自分の表現したい部分を決め朗読する
というもの。
発音とかはもちろん、表現や、内容の把握も必要となる
特に内容の把握が大事で、その上で表現をしたり、アクセントやイントネーションをするんだけど…
私情で、こんな簡単に、不調子になるとは…
「な〜んかあったの?深澤先生に話してみなさいな!」
そう言う顔は、今の私には憎たらしいほどの甘い笑顔
きっと[#dn=6#]達はこの顔が好きなんだろうな
「いつも元気な先生には無縁な話ですよ」
いつも人に囲まれていて、ふざけるけど人を傷つけるようなことはしなくて、みんなに平等に接してて、こんな私でも声をかけてくれる
そんな先生には今の私の気持ちなんてきっとわからない
わかって欲しいとも思ってないし、何より今は…
「今は、1人になりたいです」
人と、関わるのが面倒くさい
何を信じたらいいのか
果たして私を必要としてくれる人はいるのか
その関係の強度は信じられるのか
私には、昨日の今日で、そんなすぐに切り替えられない
何より、こうなってしまったことには深澤先生も絡んでるから…
「そう」
さっきまでの笑顔は消え去って、ただ、真顔でもなく、どこか悲しんでいるような、でも微笑んでいるような…
「邪魔しちゃってごめんね。暗くなる前に帰るんだよ」
頭をポンポン、と撫でられて静かに去っていく先生
あぁ、そういえば先生、昼休みに言ってたな
仕事が終わらなくて帰り遅いって
昼休みに誘ってくる男子達のこともあるんだろうけど、毎日欠かさずこうやって放課後に私に付き合ってくれているのが原因だろう
先生だって、いくら勝手に来てるからって、好きで放課後付き合ってくれてるわけじゃないのに…
決して、私1人に特別扱いなんてしてるはずないのに…
「何でっ…、、!」
私、何かした?
そんなに深澤先生が好きなら自分から話しかけに行けばいいじゃん
深澤先生は、部員を心配してくれてるだけなのに
普通の先生と生徒のはずなのに
「何でっ、私が……」
視界がどんどん悪くなっていく
手に持った原稿にも雫が数滴落ちている
今日は、もうダメだ
こんなんじゃ練習にならない
さっさと片付けて涙を無理やり引っ込める
ここでは泣けない
いつ誰がくるかもわかんないし、あの子達もまだ学校にいるかも知れない
帰り道で出会う可能性もあるけど、練習しないくせに、いつまでもここいても仕方ない
裏道から、帰ろうかな
うん、そうしよう
帰宅ルートを決めてドアを開けると…
「…っと、青海、もう帰る?」
「はい…」
深澤先生…
「コレ、あげる」
手に渡されたのは、缶のカフェオレ
「甘いもの飲んで、ゆっくり休みな」
「ありがとうございます…」
じゃあ、と手を振る深澤先生
本当は、私も振り返りたいところだけど…
ぺこり、とお辞儀して、その場を離れた