……何だこれ
何なんだよこれ！

「以上が3週間お世話になる実習生達です。くれぐれも迷惑かけすぎないように」

少しムワッとした空間にイケメンが9人
女の子みたいに可愛らしい先生や、モデルのような抜群のスタイルを持つ先生
ムキムキの先生や、外国人みたいな先生
顔良し、個性良し、身長高し

こんな実習生がいてたまるか

「花凛〜？生きてる？」

「今日が命日なのかもしれない」

「流石面食い」

面食いで悪かったね
面食いの何が悪いんだ！
イケメンにウハウハしてしまうのは自然現象でしょ！

「てか、あの人ちょー肌綺麗」

「本当だ…the塩顔イケメンって感じ」

「はいはい、世の中顔じゃないんだから…」

それはわかってるけど…
イケメンだって、キャーキャー言われるための生きてるんだよ
ならばキャーキャー言うべきではないか？

「え、あの人私達のクラス担当だって」

「まじ？塩顔イケメンがクラスに来る？！」

「渡辺先生ね。その呼び方で呼んじゃダメだよ？」

マジで塩顔イケメンすぎる
さっき言ってた通り、陶器のように綺麗な肌
シュッとした顔立ち
キュッと結ばれた血色のいい唇
他の先生に比べて背は低めだが、それでも平均以上あるだろう身長
まじカッコいい
皆んなかっこいいけど、1番タイプかも

「早く終わんないかなぁ〜」

「ほら、もうすぐで渡辺先生の紹介始まるよ？」

そう言われ、顔を向けると、すでに隣のエグい白い先生が喋っている
ふわふわした感じでかわいいな…
その横の渡辺先生は、緊張しているか、ソワソワしてるように見える

「ちょー楽しみ！」

「すっかり渡辺先生推しだね…」

「あ、終わった！次！！」

ふわふわ先生からマイクを受け取り、体育館全体をぐるっと見渡す渡辺先生
そしてマイクに声を通す

「初めまして！渡辺翔太です。担当は3-4で、教科は音楽。部活は吹奏楽です。趣味は美容とサウナ。歌うのも好きです。皆さんと楽しい日々を送れたらと思います。よろしくお願いします」

歌…！
しかも吹奏楽じゃん！

「え、花凛、吹奏楽じゃん。クラスも部活も渡辺先生じゃん！」

吹奏楽でフルート兼ピッコロを担当している私
渡辺先生が吹奏楽…！
パッと見はそんな感じしないけど、歌が好きということは、もしかしたら…

「花凛ー、終わったよ」

「え、もう？」

「渡辺先生に夢中になりすぎ…」

この短い時間ですっかり渡辺先生にハマってしまった
やばい、同じ空気吸えるとか、最高すぎる！
るんるんで退場する私に隣の子が吹き出したしたのは、知らないふりをしたー