3-3の教育実習
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ガッガッ…
ガッガッ…
「え、なんか開かないんだけど…」
「嘘?マジで?」
「ガチじゃん。全然開かない」
学校につき、靴を履き替えようと下駄箱を開けようとしたのだが…
「また嫌がらせかな…」
「マジでさ、暇なの?」
「ね。やること小学生かよ」
それより、靴どうしよう?
校内は学校のスリッパを借りるとして…
「私、袋あるよ。靴入れる?」
「助かる。ありがとう怜」
怜からもらった袋に靴を入れる
これ以上隠されたりするのも勘弁だし、持ち歩いてよっかな…
「仁那、昨日の朝、机なかったよね?」
「うん、もしかしたら今日も…」
怜と和解できてよかったと思ってたけど
まだまだ平穏が戻ってくるのは遠そうだ…
「そういえば仁那、昨日鞄置きっぱじゃ…」
「あー、何か、阿部先生が昨日、届けにきてくれたみたいなんだよね。お母さんが受け取ったから私は会ってないけど」
「え?阿部先生が…?」
私もびっくりだよ
昨日は帰ってきてからずっと寝込んでたから、起きてみたら体調悪くて早退したことになってるし、阿部先生が来たっていうし…
さっき知ったけど、怜と結も来てくれてたみたいだし
「阿部先生がって、なんかびっくりだね。てっきりふっか先生とか岩本先生かと思った」
「多分、噂の考慮もあって、阿部先生だったんじゃないかな?」
私と怜が驚く中、結だけが冷静にそう言う
「あぁ〜!確かに」
「なんか本当に、先生達に申し訳ないな…」
昨日なんか、なにも言わずに帰っちゃったし
「まぁ、確かに昨日のはお礼言っといた方がいいかも…」
「結構騒いでたしね…」
「えっ…、」
結構騒いでた?
確かに、何にも言わずに生徒がいなくなったってわけだし
今になって考えてみるとだいぶやばいことしてたかも
「ふっか先生、凄い心配してたよ」
「そうなんだ…」
「だから昨日仁那の家に来たんだ」
「仁那と話したいってのもあったけどね」
そういえば、昨日の体育の時に、岩本先生に言われて、ふっか先生に会いに行こうと思ってたんだった
結局、あんなことがあったから無理だったけど
怜とのことも、昨日のことも心配させちゃったな…
今日こそはちゃんと会いに行こう
「仁那!危ない!」
「えっ…!怜?!」
ボンっ
「イッ……」
教室に入ろうと、扉を開けた時だった
瞬時に怜が私の前に立ちはばかり、私を庇う
一瞬だけ聞こえた怜の声
足元にはバレーボール
「……馬鹿なの?」
シンっとした空気に低く通る結の声
「し、白石さん…」
「怜?!ごめん!」
そう言い怜に駆け寄って来るのは、元々私がいたグループの子達
まさか、私と怜が一緒だと思ってなかったんだろう
きっと、この子達も噂に便乗して、私を狙ったんだろう
「あのさ、まず、教室でバレーボールっていうのが危険すぎない?窓とか割れたらどーすんの」
「いや、ずっとしてたわけじゃ…」
「ていうかなんで怜と仁那が…」
「話変えないで」
結ちゃんが睨みを効かせながら言葉を発し続ける
その間に私は怜の状態を伺う
「怜、大丈夫?私のためにごめんね…保健室行く?あ、歩ける?」
「大丈夫だよ。仁那を狙ってたみたいだから、私が当たったのは胸元だし、ちょっと痛かったけど、その一瞬だけだったから。保健室は大丈夫。そんなに心配しないで。ね?」
私を庇って、ボールに当たったというのに、元気な姿を見せる怜
ごめんね、本当に…
いつか、こういうことが起こるんじゃないかと思ってた
私だけじゃなくて、周りにも被害が起こるんじゃないかって…
「バレーボールに関して本当にごめん!怜に当てる気無かったの!」
「人の問題じゃないでしょ?!第一、仁那だったらいいってわけじゃない!」
「だって、そいつ、実習生達誑かしまくって…」
「はいはいそこまで」
言い争っていた、結と他の子達が一瞬にして黙る
私もびっくりして声の方に顔を向けると…
「岩本先生……と、深澤先生?!」
腕組みをして仁王立ちをする岩本先生
その後ろには死んだ目で、スマホで何かをとっているような深澤先生
「梅田、大丈夫か?保健室行く?」
「あ、大丈夫です。それよりふっか先生それ…」
「あぁ、コレね……」
ピロンッと音が鳴る
そして画面を私達に向けだして…
『高校生にもなってこんなことして、暇なの?』
『そういうわけじゃ…』
『白石さんだって、仁那のこと本当はよく思ってないんじゃないの!?』
『そんなわけないでしょ。ていうか、今、仁那を狙ったって認めたね…?』
ついさっきの結と他の子達のやりとり
私が怜を心配している間に、そんなこと…
「あのさ、こういう年頃だしね、噂話に敏感になるのはわかるよ。でもさ」
「本当かどうかも知らないくせに、好き勝手やるんじゃねぇよ」
睨みを少し解きながら冷静に話す岩本先生に対し、深澤先生が感情剥き出しで話し出す
「コイツらだけじゃねぇよな?青海に嫌がらせしてる奴。ソイツらしっかり耳の穴かっぽじって聞いとけ」
声量を大きくして、教室全体に声を通す深澤先生
一息を吐いてから、一気に話し始めた
「青海が俺らを誑かしてる?何を根拠にそれを信じてんの?誑かしてるって何?人と関わるのが好きな子が、教育実習生という名の、新しい“人”と喋ってるだけ。それだけで誑かしてるってなるの?噂を鵜呑みして、広めて、そして噂が一人歩きして、誇張される。そんなん信じて何が楽しい?青海の苦しむ姿を見るのが楽しいの?青海は何も悪いことしてないのに?」
静まり返る教室
誰も言葉を発することができず、ただだまっている
深澤先生は教室をぐるっと一周見渡してから、今度はさっきのバレーボールの子達と向き合う
「お前らはさ、わかってんだろ。青海自身にそんなつもりはないっていうの。今まで一緒にいたからこそ、鬱憤を晴らすように、便乗して、こんなことしてさ…」
この子達に、直接何かをされるというのは初めてだった
私に色々としてくるのは、特定の人ではなく、きっと噂を聞き入れた人達で…
裏で色々言っているのは知ってたけど、私に直接っていうのは…
「もしかして…怜、この子達のこと止めてた…?」
パッと一つの可能性が浮かび上がる
そういうこと…?
それなら確かに辻褄が合う
怜は今日は、私と一緒にいたし、いち早くこの子達の影に気付いたのも…
「まぁ…でも、私がちょっといない隙にこうだよ」
そうだったんだ…
怜、私の知らないところで動いててくれてたんだ
「ふっか、これ以上は不味いよ」
岩本先生が、深澤先生の肩に手を乗せる
廊下には何事かと人がわだかまっている
「ん、わかった。担任の先生の耳に入るのも時間の問題だろうし、俺らは手を引くか」
「本当、突っ込みすぎだよふっか」
深澤先生の表情はいつものように戻り、岩本先生も冷静さを保っている
「本当にすみませんでした、先生方」
去ろうとする先生達に頭を下げる
「いーのいーの。先生っていうのは生徒に迷惑かけられる職業なんだから」
「実習生の分際で先生気取りすんなよふっか」
パシッと岩本先生が深澤先生を軽く叩く
イテっと思ってもない反応をする深澤先生はすっかりいつも通りだ
「とはいえ、色々聞きたいことはあるから……今日こそは放課後来てくれるよね?部室」
「はい。今まですみませんでした」
「謝らなくていいから。今日、待ってるね」
そう言いながら、深澤先生は私の頭に触れる
ポンポンっと、子供にするように…
「ねぇ?これどー思うよ、結」
「これはふっか先生が悪いわ…」
「ほらふっか、行くよー!」
「待ってよ照〜」
固まる私をよそに、去っていく先生達
「まさに一難去ってまた一難って感じ」
ニヤニヤしながら怜が私に言う
「まさにこれから第二章が始まりって感じだよね」
結ちゃんまで…
深澤先生に触れられてた頭が、まだ熱い
未だに何が起こったかよくわかっていない
「もう嫌だ…」
深澤先生のことだから、深い意味はないはず
だけど……
「仁那顔真っ赤!」
「可愛い〜」
私が意識し始めてしまうには十分なものだったー
ガッガッ…
「え、なんか開かないんだけど…」
「嘘?マジで?」
「ガチじゃん。全然開かない」
学校につき、靴を履き替えようと下駄箱を開けようとしたのだが…
「また嫌がらせかな…」
「マジでさ、暇なの?」
「ね。やること小学生かよ」
それより、靴どうしよう?
校内は学校のスリッパを借りるとして…
「私、袋あるよ。靴入れる?」
「助かる。ありがとう怜」
怜からもらった袋に靴を入れる
これ以上隠されたりするのも勘弁だし、持ち歩いてよっかな…
「仁那、昨日の朝、机なかったよね?」
「うん、もしかしたら今日も…」
怜と和解できてよかったと思ってたけど
まだまだ平穏が戻ってくるのは遠そうだ…
「そういえば仁那、昨日鞄置きっぱじゃ…」
「あー、何か、阿部先生が昨日、届けにきてくれたみたいなんだよね。お母さんが受け取ったから私は会ってないけど」
「え?阿部先生が…?」
私もびっくりだよ
昨日は帰ってきてからずっと寝込んでたから、起きてみたら体調悪くて早退したことになってるし、阿部先生が来たっていうし…
さっき知ったけど、怜と結も来てくれてたみたいだし
「阿部先生がって、なんかびっくりだね。てっきりふっか先生とか岩本先生かと思った」
「多分、噂の考慮もあって、阿部先生だったんじゃないかな?」
私と怜が驚く中、結だけが冷静にそう言う
「あぁ〜!確かに」
「なんか本当に、先生達に申し訳ないな…」
昨日なんか、なにも言わずに帰っちゃったし
「まぁ、確かに昨日のはお礼言っといた方がいいかも…」
「結構騒いでたしね…」
「えっ…、」
結構騒いでた?
確かに、何にも言わずに生徒がいなくなったってわけだし
今になって考えてみるとだいぶやばいことしてたかも
「ふっか先生、凄い心配してたよ」
「そうなんだ…」
「だから昨日仁那の家に来たんだ」
「仁那と話したいってのもあったけどね」
そういえば、昨日の体育の時に、岩本先生に言われて、ふっか先生に会いに行こうと思ってたんだった
結局、あんなことがあったから無理だったけど
怜とのことも、昨日のことも心配させちゃったな…
今日こそはちゃんと会いに行こう
「仁那!危ない!」
「えっ…!怜?!」
ボンっ
「イッ……」
教室に入ろうと、扉を開けた時だった
瞬時に怜が私の前に立ちはばかり、私を庇う
一瞬だけ聞こえた怜の声
足元にはバレーボール
「……馬鹿なの?」
シンっとした空気に低く通る結の声
「し、白石さん…」
「怜?!ごめん!」
そう言い怜に駆け寄って来るのは、元々私がいたグループの子達
まさか、私と怜が一緒だと思ってなかったんだろう
きっと、この子達も噂に便乗して、私を狙ったんだろう
「あのさ、まず、教室でバレーボールっていうのが危険すぎない?窓とか割れたらどーすんの」
「いや、ずっとしてたわけじゃ…」
「ていうかなんで怜と仁那が…」
「話変えないで」
結ちゃんが睨みを効かせながら言葉を発し続ける
その間に私は怜の状態を伺う
「怜、大丈夫?私のためにごめんね…保健室行く?あ、歩ける?」
「大丈夫だよ。仁那を狙ってたみたいだから、私が当たったのは胸元だし、ちょっと痛かったけど、その一瞬だけだったから。保健室は大丈夫。そんなに心配しないで。ね?」
私を庇って、ボールに当たったというのに、元気な姿を見せる怜
ごめんね、本当に…
いつか、こういうことが起こるんじゃないかと思ってた
私だけじゃなくて、周りにも被害が起こるんじゃないかって…
「バレーボールに関して本当にごめん!怜に当てる気無かったの!」
「人の問題じゃないでしょ?!第一、仁那だったらいいってわけじゃない!」
「だって、そいつ、実習生達誑かしまくって…」
「はいはいそこまで」
言い争っていた、結と他の子達が一瞬にして黙る
私もびっくりして声の方に顔を向けると…
「岩本先生……と、深澤先生?!」
腕組みをして仁王立ちをする岩本先生
その後ろには死んだ目で、スマホで何かをとっているような深澤先生
「梅田、大丈夫か?保健室行く?」
「あ、大丈夫です。それよりふっか先生それ…」
「あぁ、コレね……」
ピロンッと音が鳴る
そして画面を私達に向けだして…
『高校生にもなってこんなことして、暇なの?』
『そういうわけじゃ…』
『白石さんだって、仁那のこと本当はよく思ってないんじゃないの!?』
『そんなわけないでしょ。ていうか、今、仁那を狙ったって認めたね…?』
ついさっきの結と他の子達のやりとり
私が怜を心配している間に、そんなこと…
「あのさ、こういう年頃だしね、噂話に敏感になるのはわかるよ。でもさ」
「本当かどうかも知らないくせに、好き勝手やるんじゃねぇよ」
睨みを少し解きながら冷静に話す岩本先生に対し、深澤先生が感情剥き出しで話し出す
「コイツらだけじゃねぇよな?青海に嫌がらせしてる奴。ソイツらしっかり耳の穴かっぽじって聞いとけ」
声量を大きくして、教室全体に声を通す深澤先生
一息を吐いてから、一気に話し始めた
「青海が俺らを誑かしてる?何を根拠にそれを信じてんの?誑かしてるって何?人と関わるのが好きな子が、教育実習生という名の、新しい“人”と喋ってるだけ。それだけで誑かしてるってなるの?噂を鵜呑みして、広めて、そして噂が一人歩きして、誇張される。そんなん信じて何が楽しい?青海の苦しむ姿を見るのが楽しいの?青海は何も悪いことしてないのに?」
静まり返る教室
誰も言葉を発することができず、ただだまっている
深澤先生は教室をぐるっと一周見渡してから、今度はさっきのバレーボールの子達と向き合う
「お前らはさ、わかってんだろ。青海自身にそんなつもりはないっていうの。今まで一緒にいたからこそ、鬱憤を晴らすように、便乗して、こんなことしてさ…」
この子達に、直接何かをされるというのは初めてだった
私に色々としてくるのは、特定の人ではなく、きっと噂を聞き入れた人達で…
裏で色々言っているのは知ってたけど、私に直接っていうのは…
「もしかして…怜、この子達のこと止めてた…?」
パッと一つの可能性が浮かび上がる
そういうこと…?
それなら確かに辻褄が合う
怜は今日は、私と一緒にいたし、いち早くこの子達の影に気付いたのも…
「まぁ…でも、私がちょっといない隙にこうだよ」
そうだったんだ…
怜、私の知らないところで動いててくれてたんだ
「ふっか、これ以上は不味いよ」
岩本先生が、深澤先生の肩に手を乗せる
廊下には何事かと人がわだかまっている
「ん、わかった。担任の先生の耳に入るのも時間の問題だろうし、俺らは手を引くか」
「本当、突っ込みすぎだよふっか」
深澤先生の表情はいつものように戻り、岩本先生も冷静さを保っている
「本当にすみませんでした、先生方」
去ろうとする先生達に頭を下げる
「いーのいーの。先生っていうのは生徒に迷惑かけられる職業なんだから」
「実習生の分際で先生気取りすんなよふっか」
パシッと岩本先生が深澤先生を軽く叩く
イテっと思ってもない反応をする深澤先生はすっかりいつも通りだ
「とはいえ、色々聞きたいことはあるから……今日こそは放課後来てくれるよね?部室」
「はい。今まですみませんでした」
「謝らなくていいから。今日、待ってるね」
そう言いながら、深澤先生は私の頭に触れる
ポンポンっと、子供にするように…
「ねぇ?これどー思うよ、結」
「これはふっか先生が悪いわ…」
「ほらふっか、行くよー!」
「待ってよ照〜」
固まる私をよそに、去っていく先生達
「まさに一難去ってまた一難って感じ」
ニヤニヤしながら怜が私に言う
「まさにこれから第二章が始まりって感じだよね」
結ちゃんまで…
深澤先生に触れられてた頭が、まだ熱い
未だに何が起こったかよくわかっていない
「もう嫌だ…」
深澤先生のことだから、深い意味はないはず
だけど……
「仁那顔真っ赤!」
「可愛い〜」
私が意識し始めてしまうには十分なものだったー