3-3の教育実習
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「先生は…、辰哉先生は、仁那が好きなんですか?」
何となく、予想はしていた言葉
下の名前の方で言われるとは思っていなかったけど
にしても何で急に“辰哉先生”何て呼ぶのかね…?
「違うよ。俺と青海はただの先生と生徒。それは青海も同じこと思ってると思うけどな」
俺のその言葉を聞いても一向に顔をあげようとしない梅田
しかし、数滴の雫が落ちてくるのに時間はかからなかった
「……嘘。私が、皆んなに広めるって思ってるんでしょ。そうだよね。教育実習生と生徒の恋何て許されないし、仁那だって受験生「ちょ、ちょっと待って?」
どうやら梅田は、俺と青海の関係を勘違いしているようだ
梅田の言う通り、もし、万が一そういう関係になってしまったらそうするかもしれない
ただ、本当に梅田の勘違いで、俺も青海も互いに特別な感情を抱いてるわけじゃなくて…
「梅田。どうしてそう思ったの?やっぱり青海との仲を引き裂いた原因は俺?」
その瞬間、バッと梅田の顔が上がる
俺を睨むように
「…仁那と、イチャイチャしてたしてたじゃないですか。下の名前で呼ばせたりなんかして」
「え?」
イチャイチャ…は覚えがないが、下の名前でっていうのは、あの時のことだろうか?
何故、梅田が知ってるんだ?
盗み聞きしてたとか?
だから梅田も俺のこと下の名前で読んだりしたのか…?
「知ってます?あそこのドア、薄いんですよ」
そういえば、そうだった
だから俺も青海が泣いてた時わかったし
「盗み聞きといえばそうなるかもですけど、仁那に、会いに行こうとしてたんです。もしかしたら深澤先生もいるかもと思って。そしたら…」
「そっか、そういうことだったのね…」
アレが原因だったとは思いもしなかったな
「先生、正直に答えてください。仁那と付き合ってますよね?」
「付き合ってないよ。何度でも言うけど、ただの先生と生徒。顧問と部員。それ以上でも以下でもない」
「そんなわけないじゃん!普段私と話してる時だって、いっつも仁那のこと気にしてた癖に!」
そう言ったともに、梅田が堰を切ったように泣き始めた
流石に見ていられないので梅田の背をさすろうとする
「触らないでっ」
バシッと振り払われた手はジンジンして、思ったより痛い
「梅田、それは気のせい…」
「気のせいなわけないでしょ!?あの時もすっごい仲良さそうだったし、仁那に辰哉先生って呼ばれてなんかグッときてたじゃん!どうせ毎日毎日、放課後仁那とああやってるんでしょ?!私だって仁那と遊びたいのに!私は、仁那が今度の大会に賭けてると思ってたのに…!」
「お、落ち着けって…」
再び宥めようと梅田の背に手を持っていこうとする
しかし、さっきの痛みがまだ残っており、その手は背に届かぬ前に止まった
その一瞬
たった一瞬
梅田は泣き止んでおり、それどころか何か納得している様子だった
「そっか、そういうことか…」
そう言いながら頷く梅田
えっ、何?
さっきの威勢の良さはどこいったの?
まぁ、落ちついてくれてるようならいいけど…
「深澤先生、私、勘違いしてました」
「うん?」
あぁ、わかってくれた?
俺らは、そういう関係じゃないって
「私が好きなのは、深澤先生じゃない」
「え?」
はい?
どういう展開?
「仁那です」
……え?
「仁那のことが、大好きで仕方なくて、仁那に近寄ってくる人に嫉妬して、深澤先生のことも…仁那にベタベタしてる深澤先生にムカついてたんだ」
「ええっと…?」
俺、ベタベタしてたつもりはないんだけど…
「ムカついて、今までの事とかも爆発して…仁那がどう思ってるかもわからないのに、無意識のままに、深澤先生を取ろうとして…私、何やってたんだろう」
「…俺、もしかして今、振られてる?」
正直この一瞬で何が起こったのかよくわかってないんだけど、俺が振られていることはわかる
梅田が俺のことを恋愛対象として見ていることにはなんとなく気づいていたし、その上で俺は梅田を生徒としか見ていなかった
だから、俺、何で振られたみたいになってんの?とは思うけど…
「先生、迷惑かけて、すみませんでした…!」
目の前には体を綺麗に2つに折り曲げて謝る梅田の姿
「顔、上げてよ…?別に迷惑だとは思ってないし、むしろ実習中の俺にしてみたらいい経験というか…とりあえず、本当に顔上げて?」
梅田がゆっくり、上半身を起こす
上げられた顔は、涙は止まってはいるものの、それは乾き切っておらず、目は充血
唇はかすかに震えて、顔色は少し青ざめていて、決して良いとは言えない
「こんなことになったのは、全て私が悪いです。大好きな仁那に嫉妬して、憎んで、勝手に勘違いして、深澤先生まで巻き込んで…」
「梅田、俺のことは気にしなくていい。それにやってしまったことは仕方がない。これからどうするか、が大事なんだよ」
自己嫌悪に陥る梅田の言葉に被せるように俺が言う
俺としてみたら、梅田が青海への本当の想いに気づけただけでよかったと思う
「これからどうするか…」
「うん。俺のことは全然気にしなくて良いから、梅田は、青海のことだけ考えたらいい」
「深澤先生…、私、仁那と元に戻りたい。自分勝手で、我儘な考えだけど…!私は、仁那と、一緒にいたいっ…!」
再び泣き出す梅田の背をさする
「自分勝手なんかじゃないよ。きっと、青海も同じこと思ってる」
たった1週間しか、2人を見てきていない俺でもわかる
この2人の仲は、そう簡単に壊れるモノじゃない
きっと、また元どうりになれる
「先生、本当にありがとうございます」
「気にしないで。俺が勝手にお節介焼いただけだから」
少しして、やっと泣き止んだ梅田
すると、今度は、ゆっくり息を吐くのがわかった
「…1つだけ、聞いてもいいですか?」
さっきまで涙で溢れかえっていたはずの目には強い意志が宿っているように見えた
俺はまっすぐ見つめられる瞳に見つめ返す
「どうした?」
「…深澤先生は、本当に仁那のこと何とも思ってないんですか?」
これは、本日何度目の質問だろう
もう、梅田自身も納得したんでしょ?
最終確認ってとこ?
「そうだよ。ただの先生と生徒」
何度も吐き出した台詞を口に出す
俺らの間に恋愛感情はない
少なくともおれは、青海をただの生徒としか思ってないし、青海自身だって、今はそれどころじゃないはずだ
「じゃあ、深澤先生が仁那に向ける吐きそうなくらい甘い表情は、私の気のせいってことですね?」
「…うん?」
吐きそうなくらいに甘い表情…?
心当たりがなくて反応に困る
まぁ、気のせいって思ってるみたいだし、いっか…?
「わかりました。まぁ、仁那が好きなのは岩本先生ですしね…今日は本当にありがとうございました」
「え?」
俺が反射的にそう言ったのと、梅田が去っていったのはほぼ同時だった
青海が照を…?
って、先生としてってことだよな?
そうだ、照もよく可愛がってるし、単に先生として“好き”ってことだよね
てか、万が一、2人が恋愛関係になったとしても、俺はいつも照の味方だし、俺が口出しすることじゃない
そう、わかっているはずなのに…
「…っ!」
こんなに胸が締め付けられるのは、なぜだろう…
何となく、予想はしていた言葉
下の名前の方で言われるとは思っていなかったけど
にしても何で急に“辰哉先生”何て呼ぶのかね…?
「違うよ。俺と青海はただの先生と生徒。それは青海も同じこと思ってると思うけどな」
俺のその言葉を聞いても一向に顔をあげようとしない梅田
しかし、数滴の雫が落ちてくるのに時間はかからなかった
「……嘘。私が、皆んなに広めるって思ってるんでしょ。そうだよね。教育実習生と生徒の恋何て許されないし、仁那だって受験生「ちょ、ちょっと待って?」
どうやら梅田は、俺と青海の関係を勘違いしているようだ
梅田の言う通り、もし、万が一そういう関係になってしまったらそうするかもしれない
ただ、本当に梅田の勘違いで、俺も青海も互いに特別な感情を抱いてるわけじゃなくて…
「梅田。どうしてそう思ったの?やっぱり青海との仲を引き裂いた原因は俺?」
その瞬間、バッと梅田の顔が上がる
俺を睨むように
「…仁那と、イチャイチャしてたしてたじゃないですか。下の名前で呼ばせたりなんかして」
「え?」
イチャイチャ…は覚えがないが、下の名前でっていうのは、あの時のことだろうか?
何故、梅田が知ってるんだ?
盗み聞きしてたとか?
だから梅田も俺のこと下の名前で読んだりしたのか…?
「知ってます?あそこのドア、薄いんですよ」
そういえば、そうだった
だから俺も青海が泣いてた時わかったし
「盗み聞きといえばそうなるかもですけど、仁那に、会いに行こうとしてたんです。もしかしたら深澤先生もいるかもと思って。そしたら…」
「そっか、そういうことだったのね…」
アレが原因だったとは思いもしなかったな
「先生、正直に答えてください。仁那と付き合ってますよね?」
「付き合ってないよ。何度でも言うけど、ただの先生と生徒。顧問と部員。それ以上でも以下でもない」
「そんなわけないじゃん!普段私と話してる時だって、いっつも仁那のこと気にしてた癖に!」
そう言ったともに、梅田が堰を切ったように泣き始めた
流石に見ていられないので梅田の背をさすろうとする
「触らないでっ」
バシッと振り払われた手はジンジンして、思ったより痛い
「梅田、それは気のせい…」
「気のせいなわけないでしょ!?あの時もすっごい仲良さそうだったし、仁那に辰哉先生って呼ばれてなんかグッときてたじゃん!どうせ毎日毎日、放課後仁那とああやってるんでしょ?!私だって仁那と遊びたいのに!私は、仁那が今度の大会に賭けてると思ってたのに…!」
「お、落ち着けって…」
再び宥めようと梅田の背に手を持っていこうとする
しかし、さっきの痛みがまだ残っており、その手は背に届かぬ前に止まった
その一瞬
たった一瞬
梅田は泣き止んでおり、それどころか何か納得している様子だった
「そっか、そういうことか…」
そう言いながら頷く梅田
えっ、何?
さっきの威勢の良さはどこいったの?
まぁ、落ちついてくれてるようならいいけど…
「深澤先生、私、勘違いしてました」
「うん?」
あぁ、わかってくれた?
俺らは、そういう関係じゃないって
「私が好きなのは、深澤先生じゃない」
「え?」
はい?
どういう展開?
「仁那です」
……え?
「仁那のことが、大好きで仕方なくて、仁那に近寄ってくる人に嫉妬して、深澤先生のことも…仁那にベタベタしてる深澤先生にムカついてたんだ」
「ええっと…?」
俺、ベタベタしてたつもりはないんだけど…
「ムカついて、今までの事とかも爆発して…仁那がどう思ってるかもわからないのに、無意識のままに、深澤先生を取ろうとして…私、何やってたんだろう」
「…俺、もしかして今、振られてる?」
正直この一瞬で何が起こったのかよくわかってないんだけど、俺が振られていることはわかる
梅田が俺のことを恋愛対象として見ていることにはなんとなく気づいていたし、その上で俺は梅田を生徒としか見ていなかった
だから、俺、何で振られたみたいになってんの?とは思うけど…
「先生、迷惑かけて、すみませんでした…!」
目の前には体を綺麗に2つに折り曲げて謝る梅田の姿
「顔、上げてよ…?別に迷惑だとは思ってないし、むしろ実習中の俺にしてみたらいい経験というか…とりあえず、本当に顔上げて?」
梅田がゆっくり、上半身を起こす
上げられた顔は、涙は止まってはいるものの、それは乾き切っておらず、目は充血
唇はかすかに震えて、顔色は少し青ざめていて、決して良いとは言えない
「こんなことになったのは、全て私が悪いです。大好きな仁那に嫉妬して、憎んで、勝手に勘違いして、深澤先生まで巻き込んで…」
「梅田、俺のことは気にしなくていい。それにやってしまったことは仕方がない。これからどうするか、が大事なんだよ」
自己嫌悪に陥る梅田の言葉に被せるように俺が言う
俺としてみたら、梅田が青海への本当の想いに気づけただけでよかったと思う
「これからどうするか…」
「うん。俺のことは全然気にしなくて良いから、梅田は、青海のことだけ考えたらいい」
「深澤先生…、私、仁那と元に戻りたい。自分勝手で、我儘な考えだけど…!私は、仁那と、一緒にいたいっ…!」
再び泣き出す梅田の背をさする
「自分勝手なんかじゃないよ。きっと、青海も同じこと思ってる」
たった1週間しか、2人を見てきていない俺でもわかる
この2人の仲は、そう簡単に壊れるモノじゃない
きっと、また元どうりになれる
「先生、本当にありがとうございます」
「気にしないで。俺が勝手にお節介焼いただけだから」
少しして、やっと泣き止んだ梅田
すると、今度は、ゆっくり息を吐くのがわかった
「…1つだけ、聞いてもいいですか?」
さっきまで涙で溢れかえっていたはずの目には強い意志が宿っているように見えた
俺はまっすぐ見つめられる瞳に見つめ返す
「どうした?」
「…深澤先生は、本当に仁那のこと何とも思ってないんですか?」
これは、本日何度目の質問だろう
もう、梅田自身も納得したんでしょ?
最終確認ってとこ?
「そうだよ。ただの先生と生徒」
何度も吐き出した台詞を口に出す
俺らの間に恋愛感情はない
少なくともおれは、青海をただの生徒としか思ってないし、青海自身だって、今はそれどころじゃないはずだ
「じゃあ、深澤先生が仁那に向ける吐きそうなくらい甘い表情は、私の気のせいってことですね?」
「…うん?」
吐きそうなくらいに甘い表情…?
心当たりがなくて反応に困る
まぁ、気のせいって思ってるみたいだし、いっか…?
「わかりました。まぁ、仁那が好きなのは岩本先生ですしね…今日は本当にありがとうございました」
「え?」
俺が反射的にそう言ったのと、梅田が去っていったのはほぼ同時だった
青海が照を…?
って、先生としてってことだよな?
そうだ、照もよく可愛がってるし、単に先生として“好き”ってことだよね
てか、万が一、2人が恋愛関係になったとしても、俺はいつも照の味方だし、俺が口出しすることじゃない
そう、わかっているはずなのに…
「…っ!」
こんなに胸が締め付けられるのは、なぜだろう…