君が...
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『早く気づけよバーカ、好き』
卒業以来、見ることのなかった高専時代の卒アル
それを見て、私は今、混乱と動揺が止まらない
五条が私を好き?
嘘でしょ…
だって、五条は…
アイツは…
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜~
「いまだに1人で任務にもいけないなんてザコすぎんだろ」
「…」
「何か言えよ」
すみませんね、ザコで
私は五条悟の同級生であり、3級術師
単独任務不可な私は、誰かと一緒に組まされる
そしてそれが、同級生であるこの五条悟や夏油傑と一緒になることは少なくなかった
まだ、夏油はいい。
からかってきたり、余計なお世話をしてくることはあるけど、いつもフォローしてくれるし、なんだかんだ感謝している
問題は五条だ
任務で一緒になるたびに、心底嫌そうな顔をする。
そして、ザコだのなんだの文句ばかり言いつけてくる。
そんなの私だってわかってるよ…!
私だって、好きで弱いんじゃない。
誰もが五条みたいに強いわけじゃないんだよ!
努力だってしてる。
毎日鍛錬だってしてる。
夏油に組み手に付き合ってもらったり、情けながらも後輩の七海や灰原にも付き合ってもらうことも多い。
でも、努力が必ず実るとは限らない
それが現実
「何でおまえ呪術師やってんの?意味ねぇよ、さっさと辞めろ」
聞き飽きたよ、その言葉
それに、余計なお世話だ
五条に言われなくてもそんなこと…
“此処で呪術師をやること”をやめてやるわよ
もう半年もたたないうちに私達は此処を去る
卒業だ
五条と夏油はそのまま高専に就職、硝子は短大行って医師免許を取ってくる
そして私は…
京都校の高専に就職する
これは、夏油と硝子の提案だった
2人も見兼ねたのだ、五条とのことについて
同級生はみんな優秀で、その上、五条がザコザコ言うから、自己肯定感も低くなり、精神的に苦
しくなったのだ
そんな私を2人は受け入れてくれた。支えてくれた
五条と違って
2人は、こう言ってくれた
私は、五条がいうほど使えない人間なんかじゃない
教職は強さだけが全てじゃない
環境を変えてみたら、案外上手くできるかもしれない
2人は、私の背中を押してくれた
そんな2人の元を去るのは正直寂しい
だけど、未練はなかった。
ただ、欲を言えば…
五条が夏油や硝子に見せていた、私には見せたことのない、あの、綺麗な瞳で無邪気に笑う姿
あれを1度でいいから、私にも向けれたかった
なんて、言えるわけないんだけどね…
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
卒業式後、普通の学校より半分もないくらいの厚さの卒アルをもらう。
そこに定番の寄せ書きをする。
後輩の七海や灰原、伊地知君までもがそこに書いてくれた。
『京都でも頑張ってね。また様子見に行くね!byショーコ』
『悟が迷惑かけてすまなかった。京都では伸び伸びと、自分らしくね。by夏油』
『お疲れ様でした!また、京都の方行くときは顔見せますね!!byハイバラ』
『お疲れ様です。京都でも頑張ってください。応援しています。by七海』
『お疲れ様でした。またお世話になることがあったらよろしくお願いします。お元気で。by伊地知潔高』
みんなが応援してくれている。そう考えるとこの先も頑張っていける。
そんな気がした。
そして、私はまだそのとき知らなかった。
五条が寄せ書きを書いてくれていたこと、そして…
私が、京都に行くことを知らないこと…
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「美那先生ー!」
「桃、廊下は走らない」
数年後、私は京都で教師生活を送りながらも呪術師を続けていた
京都の歌姫先輩とは元々知り合いだったし、楽巌寺学長も小言を言われることもあるが、なんだかんだよくしてくれてる
ここでの生活は安定していた
生徒達から教わることも多いし、硝子達も時々顔を出しにきてくれる
何より、進級できたことが嬉しかった
ここ数年で私は、準1級にまで上り詰めることができた
それには理由があった
私が知らなかった、理由が
それはー
「美那先生!先生にお客さん来てる!」
「客?」
「スーツ着た金髪のイケメンさんと、黒髪の元気一杯な人!」
あ〜、七海と灰原かな?
任務帰りか、それともこれからか、顔出しに来てくれたのだろう
「わかった。ありがとう、桃」
「うん!」
こうやって七海と灰原も、時々顔を出しに来てくれることがある
任務先が近かったり、灰原に関しては単に遊びに来たり…
伊地知君も忙しいのにたまに来てくれて、本当に感謝している
今は五条にこき使われてるんだとか
大変だねぇ…
そう思いながら2人がいるという応接間に到着する
「美那先輩!お疲れ様です!」
「お疲れ様です。突然すみません」
そこには元気な灰原と落ち着いている七海
昔と変わらないその姿に思わず頬が緩む
「こっちこそ、お疲れ様。飲み物何飲む?お茶にコーヒー、紅茶もあるよ」
そう言い飲み物の準備をしようとする
すると七海が遠慮がちに腰を上げる
「いえ、大丈夫です。今日はこの後任務もあるのでそんなに長居するつもりもありません…」
「そっか。任務前にごめんね。少しでも顔見れて嬉しいよ」
そういいながら席に戻る
「それはこちらのセリフです!先輩またキレイになりましたね!」
ニコニコ笑顔で灰原がそう言う
「褒めてもなんも出ないぞ〜?にしても灰原は相変わらず人タラシだねw」
「全く、少しは人を疑うことを覚えてください…」
ため息をつきながらそう言う七海
こりゃ七海も大変だな…
「ところで先輩…今日の本題なんですが…」
すると七海が真面目な顔をする
なんだろう?相談かな?
「五条さんから伝言預かってます!」
「…え?」
伝言…?五条から?
え、なんで?何?
怖いんですけど…?!
京都に来てもうだいぶ経つけど、五条と会うことは1度もなかった
楽巌寺学長が気遣ってくれてるのか、任務で一緒になることもないし、当たり前だけど、五条が京都校に来たこともない…と言ったら嘘になるが、私に顔を見せることなんて1度もなかった
そんな五条が、伝言…?
仕事関係?それとも…
「何て、言ってたの?」
声が、震える
条件反射だろうか、身体がこわばる
五条は私に何を…
「卒アルを見ろ、だそうです」
「卒アル…?」
卒アルって、高専の?
卒アルを見ろ?
え、どう言うこと…?
「それでは私達はここで」
「またね!美那先輩!」
え、ちょっと待って…
その言葉を発する暇もなく、2人は早々に出ていく
頭の処理が追いつかず、その場に立ち尽くす形になってしまう
「…どゆこと?」
部屋の中で、私のその一言が響いた–
卒業以来、見ることのなかった高専時代の卒アル
それを見て、私は今、混乱と動揺が止まらない
五条が私を好き?
嘘でしょ…
だって、五条は…
アイツは…
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜~
「いまだに1人で任務にもいけないなんてザコすぎんだろ」
「…」
「何か言えよ」
すみませんね、ザコで
私は五条悟の同級生であり、3級術師
単独任務不可な私は、誰かと一緒に組まされる
そしてそれが、同級生であるこの五条悟や夏油傑と一緒になることは少なくなかった
まだ、夏油はいい。
からかってきたり、余計なお世話をしてくることはあるけど、いつもフォローしてくれるし、なんだかんだ感謝している
問題は五条だ
任務で一緒になるたびに、心底嫌そうな顔をする。
そして、ザコだのなんだの文句ばかり言いつけてくる。
そんなの私だってわかってるよ…!
私だって、好きで弱いんじゃない。
誰もが五条みたいに強いわけじゃないんだよ!
努力だってしてる。
毎日鍛錬だってしてる。
夏油に組み手に付き合ってもらったり、情けながらも後輩の七海や灰原にも付き合ってもらうことも多い。
でも、努力が必ず実るとは限らない
それが現実
「何でおまえ呪術師やってんの?意味ねぇよ、さっさと辞めろ」
聞き飽きたよ、その言葉
それに、余計なお世話だ
五条に言われなくてもそんなこと…
“此処で呪術師をやること”をやめてやるわよ
もう半年もたたないうちに私達は此処を去る
卒業だ
五条と夏油はそのまま高専に就職、硝子は短大行って医師免許を取ってくる
そして私は…
京都校の高専に就職する
これは、夏油と硝子の提案だった
2人も見兼ねたのだ、五条とのことについて
同級生はみんな優秀で、その上、五条がザコザコ言うから、自己肯定感も低くなり、精神的に苦
しくなったのだ
そんな私を2人は受け入れてくれた。支えてくれた
五条と違って
2人は、こう言ってくれた
私は、五条がいうほど使えない人間なんかじゃない
教職は強さだけが全てじゃない
環境を変えてみたら、案外上手くできるかもしれない
2人は、私の背中を押してくれた
そんな2人の元を去るのは正直寂しい
だけど、未練はなかった。
ただ、欲を言えば…
五条が夏油や硝子に見せていた、私には見せたことのない、あの、綺麗な瞳で無邪気に笑う姿
あれを1度でいいから、私にも向けれたかった
なんて、言えるわけないんだけどね…
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
卒業式後、普通の学校より半分もないくらいの厚さの卒アルをもらう。
そこに定番の寄せ書きをする。
後輩の七海や灰原、伊地知君までもがそこに書いてくれた。
『京都でも頑張ってね。また様子見に行くね!byショーコ』
『悟が迷惑かけてすまなかった。京都では伸び伸びと、自分らしくね。by夏油』
『お疲れ様でした!また、京都の方行くときは顔見せますね!!byハイバラ』
『お疲れ様です。京都でも頑張ってください。応援しています。by七海』
『お疲れ様でした。またお世話になることがあったらよろしくお願いします。お元気で。by伊地知潔高』
みんなが応援してくれている。そう考えるとこの先も頑張っていける。
そんな気がした。
そして、私はまだそのとき知らなかった。
五条が寄せ書きを書いてくれていたこと、そして…
私が、京都に行くことを知らないこと…
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「美那先生ー!」
「桃、廊下は走らない」
数年後、私は京都で教師生活を送りながらも呪術師を続けていた
京都の歌姫先輩とは元々知り合いだったし、楽巌寺学長も小言を言われることもあるが、なんだかんだよくしてくれてる
ここでの生活は安定していた
生徒達から教わることも多いし、硝子達も時々顔を出しにきてくれる
何より、進級できたことが嬉しかった
ここ数年で私は、準1級にまで上り詰めることができた
それには理由があった
私が知らなかった、理由が
それはー
「美那先生!先生にお客さん来てる!」
「客?」
「スーツ着た金髪のイケメンさんと、黒髪の元気一杯な人!」
あ〜、七海と灰原かな?
任務帰りか、それともこれからか、顔出しに来てくれたのだろう
「わかった。ありがとう、桃」
「うん!」
こうやって七海と灰原も、時々顔を出しに来てくれることがある
任務先が近かったり、灰原に関しては単に遊びに来たり…
伊地知君も忙しいのにたまに来てくれて、本当に感謝している
今は五条にこき使われてるんだとか
大変だねぇ…
そう思いながら2人がいるという応接間に到着する
「美那先輩!お疲れ様です!」
「お疲れ様です。突然すみません」
そこには元気な灰原と落ち着いている七海
昔と変わらないその姿に思わず頬が緩む
「こっちこそ、お疲れ様。飲み物何飲む?お茶にコーヒー、紅茶もあるよ」
そう言い飲み物の準備をしようとする
すると七海が遠慮がちに腰を上げる
「いえ、大丈夫です。今日はこの後任務もあるのでそんなに長居するつもりもありません…」
「そっか。任務前にごめんね。少しでも顔見れて嬉しいよ」
そういいながら席に戻る
「それはこちらのセリフです!先輩またキレイになりましたね!」
ニコニコ笑顔で灰原がそう言う
「褒めてもなんも出ないぞ〜?にしても灰原は相変わらず人タラシだねw」
「全く、少しは人を疑うことを覚えてください…」
ため息をつきながらそう言う七海
こりゃ七海も大変だな…
「ところで先輩…今日の本題なんですが…」
すると七海が真面目な顔をする
なんだろう?相談かな?
「五条さんから伝言預かってます!」
「…え?」
伝言…?五条から?
え、なんで?何?
怖いんですけど…?!
京都に来てもうだいぶ経つけど、五条と会うことは1度もなかった
楽巌寺学長が気遣ってくれてるのか、任務で一緒になることもないし、当たり前だけど、五条が京都校に来たこともない…と言ったら嘘になるが、私に顔を見せることなんて1度もなかった
そんな五条が、伝言…?
仕事関係?それとも…
「何て、言ってたの?」
声が、震える
条件反射だろうか、身体がこわばる
五条は私に何を…
「卒アルを見ろ、だそうです」
「卒アル…?」
卒アルって、高専の?
卒アルを見ろ?
え、どう言うこと…?
「それでは私達はここで」
「またね!美那先輩!」
え、ちょっと待って…
その言葉を発する暇もなく、2人は早々に出ていく
頭の処理が追いつかず、その場に立ち尽くす形になってしまう
「…どゆこと?」
部屋の中で、私のその一言が響いた–