御前試合編
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「高専入学3日前の五条家恒例行事、御前試合。俺が勝ったらグレてんのやめてくれ」
そう言われたのは卒業式が終わって、五条家で卒業祝いと称したジジイ共の酒飲み会が開かれているときのことだった
五条家の人間は、高専に入学する場合、入学数日前に御前試合が行われる
該当者が1人の場合はその等級相当の呪霊との対戦
2人以上の場合は人間同士で対戦
今年はその対象者は悟とうちだけ
つまり悟との1対1となる
そして行われる実施日は入学3日前
ちょっとギリギリすぎんか?とも思ったが、御前試合というだけあって、五条家の人間は勿論、分家の人間もくるし、高専上層部も来る
普通に高専の術師とかフリーの術師もフラッと見にきたりする
それだけの人間のスケジュールに合わせた日程になるのだ
て、考えるとしゃーないか…
荷造りとか間に合うかな
というのはひとまず置いといて…
「何?賭けでもするつもり?」
「あぁ。美結も何賭けるか決めてくれ」
「まだ了承してないんですけど」
決定事項のように話を進めようとする悟に少し苛立つ
勝手に話進めんな
「俺はお前に了承を貰おうとなんて思ってない。これは俺が決めたこと。そして、美結に断る権利はない」
「は?」
何言ってんの?
言ってることがめちゃくちゃ過ぎる
自己中かよ
「もし美結がどうしても嫌っていうなら、御前試合を辞退しろ」
「…意味わかんないだけど?」
御前試合を辞退
それは高専に行くのを辞退するも同然
そもそもこの御前試合は、御三家のくせに高専に行く、家に留まらなかった不届者の実力を見せつける場面
恒例行事とは言いつつも、そもそも御三家の人間が高専に来ること事態が珍しい
悟のような相伝を引き継いでいたり、私みたいに重宝された術式使いだと尚更だ
この制度は昔からあったものではない
初めて御三家から高専に行く者が現れたときに作られたそうだ
反対多数なのを押し切る為に行われた説得の一貫のようなもの
自分の実力を見せつけて、家の者達を納得させる
その後代々引き継がれたというわけだ
「俺が勝ったら、グレてんのやめてくれ」
「…自分勝手すぎない?急に吹っかけてきて、何のつもり?」
うちと悟の間に流れる空気がたちまち凍っていく
いつの間にかそのくらい関係が悪くなっていたのだ
まだ小さかった頃、一緒に遊んでいた頃とは考えられないほどに今のうちらには亀裂が入っている
そう思った
そう、思ったはずだった…
「美結、お前な、俺は心配して言ってんの。前にもいった通り、2次被害の件もあるけど、それはもういい。それより、このままグレたまま高専行く気?俺は美結が悪い方向に進んでいくんじゃないかって気が気で何ないんだよ。普段の行動はともかく、呪詛師にでもなって道を踏み外してみろ。どうなるかわかってるのか?そういった最悪なケースだけは何としてでも阻止したい。俺は美結に道を踏み外してほしくないんだよ…」
「悟…」
目が大きく見開く
悟の宝石のような青い眼にうちが映る
まさか悟がそこまでまともなことを考えていると思っていなかった。
呪詛師に…なんて、考えいなかった
考えていなかったけど、そう言われてしまうと、その可能性も否めない
悟の言ってることは最もだ
てか何でこんなまともなこと言ってんの…?
だって悟だよ?
こんなまともなこと考えれるやつだっけ?
うちがグレてる間になんかあった?
悟ってこんなやつだっけ…?
「…おい、なんか言えよ」
「いや、悟がキャラ変しててビックリしてる」
「はぁ?」
あ、本人自覚ない感じ?
いや尚更こえーよ
しかしまぁ、ここで二つ返事で答えるのは癪だ
プライドが許さない
「…ちょっと、考えさせて」
「なるべく早くな」
用が済むと悟はその場から去っていく
ちょっと考えさせて、とは言ったものの、もう答えは決まっている
御前試合は勿論出る
そして、賭け事はー
ストーカー排除
悟にしかできないであろうこと
うちが最近本気で困っていること
伊座並海翔によるストーカー行動だ
海翔には、とても感謝している
こんな捻くれたうちを拾ってくれた上に、想ってくれた
うちも海翔からの好意は嬉しかった
うちは、海翔に対して恋愛感情はなかったものの、友人としては好きだったし、何より感謝が大きかった
だから、付き合っていた
しかし、うちはもう高専に行く
もうこのままではいられないのだ
海翔を巻き込むわけにはいかない
大した説明もしないで、うちは1ヶ月前海翔を振った
しかし海翔は納得しなかった
その後付きまとうようになり、ストーカーと化していった
まだ、それだけならよかった
うちがあと数週間耐えれば良いだけの話
しかし、賭けに使うほどになった出来事があった
うちの懸賞金
懸賞金を狙う呪詛師にとある日遭遇
そこにはストーカーの海翔もいたのだ
なんとか海翔を庇いながら相手を倒すことはできたけど、このままでは海翔が危ないと思ったのだ
海翔のストーカーにはウンザリしてるけど、海翔のこと、恨めないから…
詳しい説明できずに振ってしまったことに罪悪感もある
何より、あの時うちを拾ってくれたことにとても感謝している
だからこそなのだ
海翔に危険な目に遭って欲しくない
巻き込みたくない
そんなこと出来るのは悟ぐらいだろう
実力的にも、立場的にも
こう言うくらいなんだからうちは悟に実力として劣っていることを知っている
家の人達が話しているのを耳に挟んだことがある
要するに、御前試合は悟の勝ち濃厚
それは重々わかっていた
しかし…
賭けをすることになった分、こっちも負けるわけにはいかない
死ぬ気で勝つ
待っててよ、悟…!
そう言われたのは卒業式が終わって、五条家で卒業祝いと称したジジイ共の酒飲み会が開かれているときのことだった
五条家の人間は、高専に入学する場合、入学数日前に御前試合が行われる
該当者が1人の場合はその等級相当の呪霊との対戦
2人以上の場合は人間同士で対戦
今年はその対象者は悟とうちだけ
つまり悟との1対1となる
そして行われる実施日は入学3日前
ちょっとギリギリすぎんか?とも思ったが、御前試合というだけあって、五条家の人間は勿論、分家の人間もくるし、高専上層部も来る
普通に高専の術師とかフリーの術師もフラッと見にきたりする
それだけの人間のスケジュールに合わせた日程になるのだ
て、考えるとしゃーないか…
荷造りとか間に合うかな
というのはひとまず置いといて…
「何?賭けでもするつもり?」
「あぁ。美結も何賭けるか決めてくれ」
「まだ了承してないんですけど」
決定事項のように話を進めようとする悟に少し苛立つ
勝手に話進めんな
「俺はお前に了承を貰おうとなんて思ってない。これは俺が決めたこと。そして、美結に断る権利はない」
「は?」
何言ってんの?
言ってることがめちゃくちゃ過ぎる
自己中かよ
「もし美結がどうしても嫌っていうなら、御前試合を辞退しろ」
「…意味わかんないだけど?」
御前試合を辞退
それは高専に行くのを辞退するも同然
そもそもこの御前試合は、御三家のくせに高専に行く、家に留まらなかった不届者の実力を見せつける場面
恒例行事とは言いつつも、そもそも御三家の人間が高専に来ること事態が珍しい
悟のような相伝を引き継いでいたり、私みたいに重宝された術式使いだと尚更だ
この制度は昔からあったものではない
初めて御三家から高専に行く者が現れたときに作られたそうだ
反対多数なのを押し切る為に行われた説得の一貫のようなもの
自分の実力を見せつけて、家の者達を納得させる
その後代々引き継がれたというわけだ
「俺が勝ったら、グレてんのやめてくれ」
「…自分勝手すぎない?急に吹っかけてきて、何のつもり?」
うちと悟の間に流れる空気がたちまち凍っていく
いつの間にかそのくらい関係が悪くなっていたのだ
まだ小さかった頃、一緒に遊んでいた頃とは考えられないほどに今のうちらには亀裂が入っている
そう思った
そう、思ったはずだった…
「美結、お前な、俺は心配して言ってんの。前にもいった通り、2次被害の件もあるけど、それはもういい。それより、このままグレたまま高専行く気?俺は美結が悪い方向に進んでいくんじゃないかって気が気で何ないんだよ。普段の行動はともかく、呪詛師にでもなって道を踏み外してみろ。どうなるかわかってるのか?そういった最悪なケースだけは何としてでも阻止したい。俺は美結に道を踏み外してほしくないんだよ…」
「悟…」
目が大きく見開く
悟の宝石のような青い眼にうちが映る
まさか悟がそこまでまともなことを考えていると思っていなかった。
呪詛師に…なんて、考えいなかった
考えていなかったけど、そう言われてしまうと、その可能性も否めない
悟の言ってることは最もだ
てか何でこんなまともなこと言ってんの…?
だって悟だよ?
こんなまともなこと考えれるやつだっけ?
うちがグレてる間になんかあった?
悟ってこんなやつだっけ…?
「…おい、なんか言えよ」
「いや、悟がキャラ変しててビックリしてる」
「はぁ?」
あ、本人自覚ない感じ?
いや尚更こえーよ
しかしまぁ、ここで二つ返事で答えるのは癪だ
プライドが許さない
「…ちょっと、考えさせて」
「なるべく早くな」
用が済むと悟はその場から去っていく
ちょっと考えさせて、とは言ったものの、もう答えは決まっている
御前試合は勿論出る
そして、賭け事はー
ストーカー排除
悟にしかできないであろうこと
うちが最近本気で困っていること
伊座並海翔によるストーカー行動だ
海翔には、とても感謝している
こんな捻くれたうちを拾ってくれた上に、想ってくれた
うちも海翔からの好意は嬉しかった
うちは、海翔に対して恋愛感情はなかったものの、友人としては好きだったし、何より感謝が大きかった
だから、付き合っていた
しかし、うちはもう高専に行く
もうこのままではいられないのだ
海翔を巻き込むわけにはいかない
大した説明もしないで、うちは1ヶ月前海翔を振った
しかし海翔は納得しなかった
その後付きまとうようになり、ストーカーと化していった
まだ、それだけならよかった
うちがあと数週間耐えれば良いだけの話
しかし、賭けに使うほどになった出来事があった
うちの懸賞金
懸賞金を狙う呪詛師にとある日遭遇
そこにはストーカーの海翔もいたのだ
なんとか海翔を庇いながら相手を倒すことはできたけど、このままでは海翔が危ないと思ったのだ
海翔のストーカーにはウンザリしてるけど、海翔のこと、恨めないから…
詳しい説明できずに振ってしまったことに罪悪感もある
何より、あの時うちを拾ってくれたことにとても感謝している
だからこそなのだ
海翔に危険な目に遭って欲しくない
巻き込みたくない
そんなこと出来るのは悟ぐらいだろう
実力的にも、立場的にも
こう言うくらいなんだからうちは悟に実力として劣っていることを知っている
家の人達が話しているのを耳に挟んだことがある
要するに、御前試合は悟の勝ち濃厚
それは重々わかっていた
しかし…
賭けをすることになった分、こっちも負けるわけにはいかない
死ぬ気で勝つ
待っててよ、悟…!
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