高専卒業後のお話
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「七海、私服カッコいいね」
思わず出た本日の第一声はそれだった
待ち合わせ場所のベンチに腰掛ける七海
数ヶ月あってないだけなのに、どこか大人びた雰囲気
そして七海らしい、シンプルかつワンポイントにオシャレが混じっている服装
彼の地髪も程よいコントラストとなっている
「ありがとうございます。先輩も似合ってますよ」
「七海は本当、出来る後輩だね…」
お世辞でも嬉しいよ、七海
五条や夏油にも、ちょっとは見習って欲しいわ
特にデリカシー無し男の五条
「お忙しい中、お時間作って頂き申し訳ありません」
「いーのいーの!今は夏休みだし、そんなに忙しくないよ?」
「いえ、結局私の都合に合わせてもらったので…」
本当は先週に約束していた私達
だけど、七海に急な任務が入ったみたくて今日に延期になったのだ
「全然気にしないで。任務も問題なかったんでしょ?ならいいよ」
「ありがとうございます」
礼儀正しく、目上の人を敬える姿勢
そんな彼から相談があると連絡が来たのは1ヶ月程前だ
丁度、五条と夏油が私ん家に突撃してきた数日後
高専時代でもあまり受け取る頻度の少なかったメールの送り主にびっくりしたのは昨日のように覚えている
こんな出来た後輩に頼って貰えるなんて私は嬉しいよ
私に出来ることならなんでも言ってくれ、全て受け止めよう
「とりあえず、どこか入りましょうか。立ち話も何ですし」
「そうだね。あ、そうだ。ここの近くに私がバイトしてるパン屋があるんだよね!イートインスペースもあるし、今の時間ならそんなに混んでないんじゃないかな?」
「なら、そこにしましょうか」
私と歩幅を揃えて歩いてくれる七海
30cm近くある私達の身長差
普通に考えたら歩幅なんて合うはずがないのにさり気なく合わせてくるあたりポイント高いよ…
きっと一般社会出たら爆モテするよ
下手したら五条や夏油よりも
「いらっしゃいませ〜!お、美那ちゃん、彼氏?」
「違います」
入店するなり出迎えてくれた店長の言葉をぶった斬る
私が七海の彼女とか、世の七海ファンに刺されそう
何より私自身の荷が重いね
「七海建人と申します。藤花さんには昨年まで、高専の先輩としてお世話になっていました」
「後輩くんか〜早とちりしちゃってゴメンね?ゆっくりしてって」
ペコリと一礼して、トレイを手にする私達
店内はガランとしていて、パンを吟味している方が1人、イートインスペースで珈琲を飲んでいる方が1人だけだ
「種類は多くないけど、どれも絶品だよ」
「先輩のオススメは何ですか?」
オススメかぁ…
正直に言うと全部って言いたいところだけど…
「私が1番好きなのはフランスパンかなぁ…
そういえば七海、カスクート好きだったよね?」
「はい」
七海の眼の色が少し変わった気がする
フランスパンの近くに並んでいるカスクートの方に共に歩み寄り、七海へ紹介する
「カスクートにもフランスパンは使われてるし、カスクート好きとしてこの店のカスクート試して欲しいかも」
「そういうことならもちろんです」
「他に食べたいのあったそっちでもいいからね!」
七海のトレイにカスクートが鎮座する
どこか嬉しそう見えるのは多分気の所為じゃない
私はこの店のカスクートしか知らないし、美味しいとは思うんだけど、通にとってはどうなんだろう?と少し胸が躍る
「七海くん、カスクート選ぶなんてセンスいいね」
「いえ、とんでもないです。店長さんのオススメは何でしょうか?」
「僕のオススメはね〜…」
普段から人当たりの良い店長が七海に絡んでる
店長もカスクート好きだって言ってたし、きっと嬉しいんだろうなぁ
子ども向けの某ヒーローアニメ番組のパン作りのおじさんみたいな風貌の店長は、その人当たりの良さもまんまなことからジャ◯おじさんと呼ばれることも珍しくない
表情筋の動きにくい七海も、あまり見ることのない穏やかな表情をしている
流石店長、バイトとして頭が上がりません
「先輩、コレで買う物は全てですか?」
「そうだよ。お会計行こっか」
気付けば七海のトレイにはいっぱいのパンが並んでいた
多分店長が進めたんだろうな
「いっぱい頼んだね、七海」
「いくつかはテイクアウトしようと思います。灰原へのお土産も含めてますし」
灰原かぁ
確かにあの子いっぱい食べるもんね
何気に仲良いもんね、2人
なんて思っていたら、手元の重みがスッとなくなる
「店長さん、コレも一緒にお会計お願いします」
「え?」
七海に取り上げられた私のトレイ
今、なんて言った?
「あいよ〜美那ちゃん、いい後輩を持ったねぇ」
「それは本当にそう…じゃなくて!」
自分より遥か上にある翠眼に眼を合わせる
でも七海は顔色1つ変えず、淡々と言葉と放つ
「今日は私が誘ったんですし、奢らせてください。日程も調整させて頂きましたし」
「え〜、歳下に奢ってもらうのなんだか不甲斐ないなぁ」
「大人しく甘えときな、美那ちゃん」
店長にまでそう言われちゃったし、大人しく甘えることにするかぁ
「ありがとうね、七海」
「いえ、五条先輩達には奢らされることも少なくありませんしね」
「…七海も大変だね」
五条と夏油は、在籍中も七海によく絡んでたし、卒業後も高専に残ってるから、きっと今でも面倒事に巻き込まれてるんだろうなぁ
後輩の方が大人な対応してるのに不甲斐ないとか思わないのか
元クラスメイトとして申し訳ないよ
「それで、今回の本題なのですが…」
「うん。七海が相談なんて珍しいね、どうしたの?」
互いに席に腰をかけ、早速本題へと移る
少し眉を下げた七海がオズオズと切り出すのをカフェオレに口をつけながら眺める
「進路について、少しご相談させて頂きたくて」
ゴクリと思わず唾を呑む
七海が、私に進路の話…
何となく、ピンときたかも
今でも高専に残ってる五条や夏油ではなく、呪術師の道から離れてる私を選んだ意味
昨年あったあの出来事
次の七海の言う事が、何となく予想できる
「実はー」
思わず出た本日の第一声はそれだった
待ち合わせ場所のベンチに腰掛ける七海
数ヶ月あってないだけなのに、どこか大人びた雰囲気
そして七海らしい、シンプルかつワンポイントにオシャレが混じっている服装
彼の地髪も程よいコントラストとなっている
「ありがとうございます。先輩も似合ってますよ」
「七海は本当、出来る後輩だね…」
お世辞でも嬉しいよ、七海
五条や夏油にも、ちょっとは見習って欲しいわ
特にデリカシー無し男の五条
「お忙しい中、お時間作って頂き申し訳ありません」
「いーのいーの!今は夏休みだし、そんなに忙しくないよ?」
「いえ、結局私の都合に合わせてもらったので…」
本当は先週に約束していた私達
だけど、七海に急な任務が入ったみたくて今日に延期になったのだ
「全然気にしないで。任務も問題なかったんでしょ?ならいいよ」
「ありがとうございます」
礼儀正しく、目上の人を敬える姿勢
そんな彼から相談があると連絡が来たのは1ヶ月程前だ
丁度、五条と夏油が私ん家に突撃してきた数日後
高専時代でもあまり受け取る頻度の少なかったメールの送り主にびっくりしたのは昨日のように覚えている
こんな出来た後輩に頼って貰えるなんて私は嬉しいよ
私に出来ることならなんでも言ってくれ、全て受け止めよう
「とりあえず、どこか入りましょうか。立ち話も何ですし」
「そうだね。あ、そうだ。ここの近くに私がバイトしてるパン屋があるんだよね!イートインスペースもあるし、今の時間ならそんなに混んでないんじゃないかな?」
「なら、そこにしましょうか」
私と歩幅を揃えて歩いてくれる七海
30cm近くある私達の身長差
普通に考えたら歩幅なんて合うはずがないのにさり気なく合わせてくるあたりポイント高いよ…
きっと一般社会出たら爆モテするよ
下手したら五条や夏油よりも
「いらっしゃいませ〜!お、美那ちゃん、彼氏?」
「違います」
入店するなり出迎えてくれた店長の言葉をぶった斬る
私が七海の彼女とか、世の七海ファンに刺されそう
何より私自身の荷が重いね
「七海建人と申します。藤花さんには昨年まで、高専の先輩としてお世話になっていました」
「後輩くんか〜早とちりしちゃってゴメンね?ゆっくりしてって」
ペコリと一礼して、トレイを手にする私達
店内はガランとしていて、パンを吟味している方が1人、イートインスペースで珈琲を飲んでいる方が1人だけだ
「種類は多くないけど、どれも絶品だよ」
「先輩のオススメは何ですか?」
オススメかぁ…
正直に言うと全部って言いたいところだけど…
「私が1番好きなのはフランスパンかなぁ…
そういえば七海、カスクート好きだったよね?」
「はい」
七海の眼の色が少し変わった気がする
フランスパンの近くに並んでいるカスクートの方に共に歩み寄り、七海へ紹介する
「カスクートにもフランスパンは使われてるし、カスクート好きとしてこの店のカスクート試して欲しいかも」
「そういうことならもちろんです」
「他に食べたいのあったそっちでもいいからね!」
七海のトレイにカスクートが鎮座する
どこか嬉しそう見えるのは多分気の所為じゃない
私はこの店のカスクートしか知らないし、美味しいとは思うんだけど、通にとってはどうなんだろう?と少し胸が躍る
「七海くん、カスクート選ぶなんてセンスいいね」
「いえ、とんでもないです。店長さんのオススメは何でしょうか?」
「僕のオススメはね〜…」
普段から人当たりの良い店長が七海に絡んでる
店長もカスクート好きだって言ってたし、きっと嬉しいんだろうなぁ
子ども向けの某ヒーローアニメ番組のパン作りのおじさんみたいな風貌の店長は、その人当たりの良さもまんまなことからジャ◯おじさんと呼ばれることも珍しくない
表情筋の動きにくい七海も、あまり見ることのない穏やかな表情をしている
流石店長、バイトとして頭が上がりません
「先輩、コレで買う物は全てですか?」
「そうだよ。お会計行こっか」
気付けば七海のトレイにはいっぱいのパンが並んでいた
多分店長が進めたんだろうな
「いっぱい頼んだね、七海」
「いくつかはテイクアウトしようと思います。灰原へのお土産も含めてますし」
灰原かぁ
確かにあの子いっぱい食べるもんね
何気に仲良いもんね、2人
なんて思っていたら、手元の重みがスッとなくなる
「店長さん、コレも一緒にお会計お願いします」
「え?」
七海に取り上げられた私のトレイ
今、なんて言った?
「あいよ〜美那ちゃん、いい後輩を持ったねぇ」
「それは本当にそう…じゃなくて!」
自分より遥か上にある翠眼に眼を合わせる
でも七海は顔色1つ変えず、淡々と言葉と放つ
「今日は私が誘ったんですし、奢らせてください。日程も調整させて頂きましたし」
「え〜、歳下に奢ってもらうのなんだか不甲斐ないなぁ」
「大人しく甘えときな、美那ちゃん」
店長にまでそう言われちゃったし、大人しく甘えることにするかぁ
「ありがとうね、七海」
「いえ、五条先輩達には奢らされることも少なくありませんしね」
「…七海も大変だね」
五条と夏油は、在籍中も七海によく絡んでたし、卒業後も高専に残ってるから、きっと今でも面倒事に巻き込まれてるんだろうなぁ
後輩の方が大人な対応してるのに不甲斐ないとか思わないのか
元クラスメイトとして申し訳ないよ
「それで、今回の本題なのですが…」
「うん。七海が相談なんて珍しいね、どうしたの?」
互いに席に腰をかけ、早速本題へと移る
少し眉を下げた七海がオズオズと切り出すのをカフェオレに口をつけながら眺める
「進路について、少しご相談させて頂きたくて」
ゴクリと思わず唾を呑む
七海が、私に進路の話…
何となく、ピンときたかも
今でも高専に残ってる五条や夏油ではなく、呪術師の道から離れてる私を選んだ意味
昨年あったあの出来事
次の七海の言う事が、何となく予想できる
「実はー」