残花
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メイドが今日のお茶の準備をして部屋にやってきた。
メ「お嬢様、本日のお菓子はKOKUYOU国の焼き菓子です」
_「え、もしかして、あの?」
メ「はい、花びらが入ったクッキーです」
そう答えながら、クッキーを並べた皿をテーブルに置いた。
***は目を輝かせる。
_「わぁ、食べてみたかったのよね」
椅子に腰掛けて、テーブルの上の皿からクッキーを一つ、手に取る。
クッキーには細かく千切られた花びらがポツポツと入っていた。
_「赤と青が素敵ね」
メ「なんでもKOKUYOU国内でしか出回っていない薔薇のクッキーだそうですよ。その上、この色は特別に作ったものだとか」
サクッ..
一口齧れば虜になってしまうという、淑女の間で噂の焼き菓子。
口当たりが軽く、いくらでも食べてしまえると実感した。
《情熱の赤》と《奇跡の青》、
まるで骸の目と心を現したような色。
こんな風に想われるのも悪くはないかな、と思えた。
その様子を見ていたメイドが、
クスクスと笑いながら、
メ「お嬢様、美味しいのは分かりますが、お夕食前ですからね。食べ過ぎませんように」
_「わ、分かってるわよ、もう」
クッキーに伸ばしかけた手で、紅茶の入ったカップを取る。
_「…あら、この香りは、もしかして我が国の植物園のものではなくて?」
メ「さすがです、お嬢様。確か国の植物園の管轄は《ヒバリ家》でしたね。愛されておいでですね、お嬢様」
ング..
喉に詰まりかけて、慌てて紅茶を口に流す。
少しばかり熱いが仕方ない。
ふぅ…と小さく息を吐いて、***はカップの中に視線を落とした。
揺れる紅茶の表面に、とある場面を思い出しては投影する。
共通点のなかった二人と出会ったのは、
あの悪夢の日とも言える、卒業パーティーだった。
→
メイドが今日のお茶の準備をして部屋にやってきた。
メ「お嬢様、本日のお菓子はKOKUYOU国の焼き菓子です」
_「え、もしかして、あの?」
メ「はい、花びらが入ったクッキーです」
そう答えながら、クッキーを並べた皿をテーブルに置いた。
***は目を輝かせる。
_「わぁ、食べてみたかったのよね」
椅子に腰掛けて、テーブルの上の皿からクッキーを一つ、手に取る。
クッキーには細かく千切られた花びらがポツポツと入っていた。
_「赤と青が素敵ね」
メ「なんでもKOKUYOU国内でしか出回っていない薔薇のクッキーだそうですよ。その上、この色は特別に作ったものだとか」
サクッ..
一口齧れば虜になってしまうという、淑女の間で噂の焼き菓子。
口当たりが軽く、いくらでも食べてしまえると実感した。
《情熱の赤》と《奇跡の青》、
まるで骸の目と心を現したような色。
こんな風に想われるのも悪くはないかな、と思えた。
その様子を見ていたメイドが、
クスクスと笑いながら、
メ「お嬢様、美味しいのは分かりますが、お夕食前ですからね。食べ過ぎませんように」
_「わ、分かってるわよ、もう」
クッキーに伸ばしかけた手で、紅茶の入ったカップを取る。
_「…あら、この香りは、もしかして我が国の植物園のものではなくて?」
メ「さすがです、お嬢様。確か国の植物園の管轄は《ヒバリ家》でしたね。愛されておいでですね、お嬢様」
ング..
喉に詰まりかけて、慌てて紅茶を口に流す。
少しばかり熱いが仕方ない。
ふぅ…と小さく息を吐いて、***はカップの中に視線を落とした。
揺れる紅茶の表面に、とある場面を思い出しては投影する。
共通点のなかった二人と出会ったのは、
あの悪夢の日とも言える、卒業パーティーだった。
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