黒の契約Re

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君の名前は?

_


着替えを済ませた***が、千種たちに連れられて階段を下りて、右の扉を開けた。

そこに広がるのはダンスホールのように大きいダイニングだった。


ホールに入ると、先程の風体とは全く違った人物が出迎えてくれた。

青い髪に、左右の瞳の色が異なるオッドアイの青年だ。


_「…骸?」

骸「はい、驚きましたか?」

_「えぇ、」


自分を、この城に攫ってきた時は獣のような姿をしていた。


骸「アレが本来の姿なんですが、君の側では人の姿で居たいんです。その淡い色のドレスも、よく似合っています」

_「…曽祖母みたい?」

骸「いえ、《彼女》は鮮やかで濃い色合いの方が似合っていました」

_「大人の女性ね…」

骸「君は君らしくて良いんですよ、比べる必要なんてありません」


わざわざ生まれ変わりを待ち望む位には、骸の心は《曽祖母》に在るのではないか。

それならば、互いを知らなくとも縁談相手なら少なくとも《私》を見てくれるのではないか。


そう思ってしまう自分が苛立たしい。


_「あ、そうだ。ねぇ、骸は私の曽祖母と、どう出会ったの?」

骸「聞きたいんですか?」


少し驚いたような、それでいて表情を曇らせる骸にツキンと胸が痛む。


骸「…どうしても、聞きたいんですか?」


まるで責められているように思えて黙り込んだ。


そして、そのまま食卓に着いた。

小さく溜め息を吐きながら骸も向かいの席に着く。


その日の食事は、重苦しい空気で終わった。




入浴に向かう***の後ろ姿を見送りながら、再度の溜め息を吐く。


骸「(言える訳がない…最初は命を狙っていた、などとは)」


骸は、自身が召喚された過去を振り返る。





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