第13話
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『全寮制導入のお知らせ…?』
退院した翌日、家のポストに雄英から郵送が届いており、何かと思って中を確認すると、1枚のプリント用紙が入っていた。
今の発言はそれを見て出た一言という訳だ。
『そっか…。確かに、あんな事があった後だもんね…』
ーー私がまだ意識がなかったあの日…。
爆豪くんが敵連合に
その後、爆豪くんはオールマイト達によって無事に救出されたらしいが、"神野の悪夢"と呼ばれたそれは、一夜にして多くのヒーローに大打撃を与えた。
まさか…オールマイトが引退するなんて…。
その原因も体力の限界…。
けれど微塵もその辛さを見せずに、国民が安心出来る様に"平和の象徴"をずっと演じきっていたのかと思うと、今までどれだけ苦しかったのだろうと胸が締め付けられる思いだった。
でも、どこか自分と通ずるモノを感じて…。
私もオールマイトの立場なら、きっとーー…。
『ヒーローは、弱みを見せちゃダメなんだ』
じゃないと、みんなが不安になる。
それはヒーローを目指した時から思っていた事だった。
私は、誰にも心配かけさせたくない。
私が来た事で、みんなに安心してもらえる…あの人のようなーー。
そんなヒーローに、私はなりたい…!
ーー翌日。
ピンポーン。
『あっ、先生来たかな?』
全寮制導入について、クラスの担任から家庭訪問があるとプリント用紙に書いてあったので家で待っていると、チャイムが鳴らされ、急いで玄関の方へ向かう。
ガチャ…。
『はいーー…って、相澤先生ッ⁉︎』
「元気そうだな」
扉を開けた先に待っていたのは、クラスの担任ではなく……何故かヒーロー科担任の相澤先生が立っていた。
しかも格好も上半身ワイシャツのスーツ姿に、いつもの無造作ヘアーじゃなく、ハーフアップで清潔感のある雰囲気にまとめられている。
『な、何で相澤先生が私の所へ…⁉︎』
「今回合宿で被害にあった生徒達中心に、俺やオールマイトさんで訪問してるんだよ」
『えぇ⁉︎ じゃあ、オールマイトも一緒にーー』
「オールマイトさんは今緑谷の所に行ってもらってる。だから今は俺1人だ」
『そ、そうなんですね…』
あぁ…。
初めてオールマイトと話せると思ったのに…!
残念…。
「急かして悪いが、入っていいか?」
『あ、スミマセン!どうぞ…!』
私は相澤先生を部屋に招き入れると、先生と向かい合う形で座った。
「早速だが、全寮制の件についてお前の意見を聞きたい」
『もちろん、寮に入ります。テレビでは色々非難されてますが…私はこれからも、雄英と共に成長して行きたいです!そこに迷いはありません!』
「…お前ならそう言うと思ったよ。コッチとしてもお前が連合に狙われてる以上、雄英でしっかり保護・監視しておきたいからな」
『えっ…じゃあ私が断ってたらどうしてたんですか?』
「強制的に連れて行ってた」
ーー強制的とは…⁉︎
一瞬脳裏に、相澤先生の捕縛布でぐるぐる巻きにされて引き摺られていく絵が思い浮かんだ。
いや…相澤先生ならやりかねない。
賛成しといて良かったー…!!
『…けど、何で私は敵連合に狙われていたんでしょうか?』
未だにそこの目的が見えない。
死柄木に最初に会ったあの日は、私に全く興味を示していなかった。
なのに、何で急に…?
「恐らく体育祭でお前の"個性"を認識してからだろうな」
『私の…"個性"を…?』
「お前は自覚ないだろうが、その"個性"はかなり強力な力だ。使い様によっては、不死身の体を手に入れる事が出来る。そこに気付いているかは不明だが、そういった目的でお前を利用しようとしている可能性は高いだろう…」
『…っ、…そんなの、絶対嫌です!この力は、悪事に加担するためにあるんじゃない。大切な人を救うためにあるんです…!』
「……」
『例え奴らに捕まったとしても、絶対言いなりにはならない。…私は、自分の身を
「…お前のその他者を助けようとする精神は、ヒーローとしては申し分ないな」
ヒーローに向いていると言われたのだと思い、嬉しくなりお礼を言おうとすると、相澤先生の鋭い眼光が射る様に私に向けられる。
「ーーだから、死ぬ事になる」
『…えっ…?』