第2話
お名前は?
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*心操視点*
第一印象は "
急に人にぶつかって来るわ、方向音痴だと言って付いて来るのかと思えば、ぼーっと突っ立ってたり…あと授業中も人の話を聞いてない。
その割には運命を感じるだとか積極的な事を無意識に言ってくるし……こういうタイプは周りを振り回しているのに気付かない自己中な奴が多い。
関わらないのが1番だと……そう思っていた。
なのに…。
『いやでも、実際すごく助けられたから。やっぱりちゃんとお礼言っとかないと!』
空気読めないタイプかと思えば、妙に義理堅かったり、
『すごくカッコイイ個性だね!!それって、対敵用にすごく向いてるヒーロー向きの個性だよ!』
誰もが "敵向き" だと思っていたこの個性を、アイツは "ヒーロー向き" だと言ってくれた。
そんな事を言う奴は、アイツが初めてだった。
ーー初めて、俺が認められた気がした……。
ガラッ
朝、登校して教室の扉を開けると、真っ先にアイツの姿が目に入った。
……いや、違う。
隣の席だから嫌でも目に入るだけだ。絶対。
けれど、俺の中でアイツの印象が少し変わった事には違いなかった。
「…?」
席に着き、机に鞄を置いて隣を見ると、俺に気付いた様子はなく、苗字は窓の外に顔を向けて何かを考え込んでる様子だった。
「………おはよ」
元来人見知りな俺は、あまり積極的に自分から声を掛ける事はしないが、この時自然に口に出してしまった言葉に、自分でも驚いていた。
『………』
「………」
だが苗字は俺に気付いた様子はなく、未だに窓の外をずっと眺めてる。
……コイツ。
こういう時に限って聞いてないのがコイツらしいが……腹立つな。
「オイ」
自分でも不機嫌だと分かるくらい低い声で、俺は苗字を呼んだ。