第10話
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みんなで夕食を取った後は綺麗に後片付け。
それぞれ自分の持ち場で後片付けを行い、皿洗いを終えた私は一息吐いて、ふと空を見上げた。
『うわぁ〜……星綺麗…』
すっかり暗くなった夜空には、光り輝く星々が一面に広がっていて、思わず感激の声が漏れる。
周り山しかないから、何の障害もない。
やっぱり都会で見る景色と違うな…。
ずっと見ていられる。
『そうだ…!写真撮っとこう…』
私はポケットから携帯を取り出すと、パシャリと1枚星空の写真を撮った。
うん、携帯でも綺麗に撮れた!
……せっかくだから心操くんに送ってあげよう。
送信…っと。
「…名前」
『ーー!、あ…轟くん…』
写真を送信し終えた所で、後ろから轟くんが声を掛けて来て思わず体が強張った。
「もう大丈夫か?」
『えっ⁉︎…あ、うん!』
てっきり急に居なくなった事を
何やってんの私は…!
轟くんに失礼なことしちゃったな。
『その、さっきは…急にごめんね?』
「いや、大丈夫だ。熱が下がったなら良かった」
『……うん』
本当は轟くんのせいで恥ずかしくなって…何て言えるはずもなく、私は素直に話しを合わせる。
「星撮ってたのか?」
『うん。都会じゃこんなに綺麗に見えないから、感激しちゃって思わず…』
「あぁ…確かに。本当に綺麗だ…」
夜空を見上げていた轟くんは、ふと視線を私に向ける。その気配を感じて私も轟くんに顔を向けると、何故か切なげな表情をした轟くんと目が合った。
『どうしたの…?』
「いや、少し……懐かしい気持ちになったんだ…」
『…轟くん…?』
何故か分からないけど、そう言った轟くんが少し寂しそうで…その瞳の色から物悲しさを感じた…。
ブーーーッ
『!』
その時、手に持っていた携帯が鳴りビックリして思わず手を滑らす。
そのまま地面に落下した携帯がカラン、と轟くんの足元へ滑り落ちた。
『あ、ごめん!』
「大丈夫か?画面割れてーー」
しゃがみ込んで携帯を拾い上げてくれた轟くんの手が
突然止まった。
『轟くん…?』
動かない轟くんを不思議に思って声を掛けると、手に持った携帯の液晶画面を見つめたまま立ち上がり、ゆっくりと顔を上げる。
その顔は悲しみを強く帯びた眼差しをしていた。
「……心操と連絡取ってんのか?」
『えっ…?…あっ…』
差し出された携帯のディスプレイには、心操くんの名前と、"苗字にしてはセンス良い写真だな"という文字が表示されていた。
「…さっきの写真も心操に送るために撮ってたのか?」
『ちがっ…、本当に、純粋に写真に撮りたくなって…!』
「連絡先交換する程、仲良くなってたんだな」
『それは…そうだけど…。でも、心操くんはただのクラスメイトだよ?』
そう言うと、轟くんは真剣な表情で私を真っ直ぐ見据える。
「そう思ってるのが、お前だけだとしたら…?」
『ーーえっ…?』
何を言って…、と言いそうになった言葉を呑み込む。
一瞬、脳裏にこの間の心操くんがフラッシュバックしたからだ。
寝たフリをしたあの時ーー。
聞いた事ない優しい声で私の名前を呼んで、髪を優しく撫でられた手の感触と、顔を真っ赤にした心操くんの顔が思い浮かぶ…。
「思い当たる節があるのか…?」
『…で、でもっ…まさか…』
「おーい2人共!片付け終わったなら中入ろうぜー!」
『!』
遠くで切島くんが私たちに向かって叫ぶ声が聞こえ、
ハッとして振り向くと、上鳴くんが慌てた様子で切島くんの肩を掴んで揺らしていた。
「バッカ、お前っ…!今そーいう感じじゃなかったじゃん!空気読めよ!」
「えっ⁉︎ あ、悪い!邪魔したか⁉︎」
申し訳なさそうに両手を顔の前に合わせて謝る切島くん。それを見て逆にこっちが気を使わせてしまい、申し訳なく思う。
『だ、大丈夫だよ!今行くね!』
「……」
そのまま会話を続ける空気でもなく、私たちはお互いの存在を肌で感じながら無言のまま施設の中へと入って行った…。
ーーー✴︎✴︎✴︎
そこは合宿施設がある
そこに怪しげな雰囲気を
「疼く…疼くぞ……早く行こうぜ…!」
「まだ
「あぁ…急にボス面始めやがってな」
継ぎ接ぎの皮膚を剥き出しにした男は、ニヤリと不敵な笑みを浮かべる。
「今回はあくまで
第10話 おわり