第5話
お名前は?
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『昨日は本ッ当にごめんなさい!!』
ーー次の日の朝。
苗字は登校して来て早々に俺の前にやって来ると、自分の顔の前に手を合わせて謝って来た。
『本ッ当に迷惑かけちゃってごめん!!物もいっぱい買って来てくれてたみたいで申し訳ない…!お金返します!いくら払えば良い⁉︎』
泣きそうな顔でそう聞いてくる苗字に、俺は内心ホッとしていた。
ーーー色んな意味で、元の状態に戻った事に。
「お前の気持ち分で」
『気持ちぶーーーえぇッ⁉︎…ちょっとそれは金額によって気まずくならない⁉︎』
「フッ…冗談だ」
『もぅ〜!焦ったじゃん!』
ーーあぁ…。
やっぱお前と俺は、この距離感が1番合ってる。
好きだ何だ言うのは、まだ今じゃない。
今はまだ……お前とこうしてふざけ合って笑ってたい。
だから、暫くはライバルの "フリ" しといてやるよ。
……けど、
もしまた無防備なまま俺に隙を見せたその時はーー。
『心操くん…何か嬉しい事でもあったの?さっきから顔ニヤついてるよ?』
「………ウルサイ。どっか行け」
『いや、隣だし無理だよッ⁉︎』
ーー少しくらいお前を困らせたって、バチは当たらないだろ?
「おはよー。ホームルーム始めるぞー」
ーーこの時、苗字の個性が本当はどういう影響を及ぼしているか知ることになるのは、
今よりずっと後になってからの事だったーー…。
第5話 おわり