第1話
お名前は?
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『えっと、1ーC…1ーCは…』
場所こっちで合ってるのかな?
建物がデカすぎて道迷うよ〜!
ドンッ
『あいたっ』
「ゔっ…」
前をよく見てなかったせいで誰かの背中にぶつかってしまった。
『ご、ごめんなさいっ!大丈夫ですか⁉︎』
「…あぁ。ちょっとビビったけど。そっちは平気?」
振り返ったその人は
『う、うん!大丈夫だよ!ちょっと教室どこか迷っちゃって…』
「ヒーロー科の人?」
『いやいやっ、普通科だよ』
「じゃあ俺と一緒」
『えっ、本当⁉︎クラスどこ?』
「1ーC」
『わっ!クラスも一緒だ!すごい偶然だね』
まさかの同級生に遭遇!何か、ちょっと安心した。
『クラスまで一緒に行こう?私方向音痴で…』
「別に…いいけど」
ニコリともせずそう言うとスタスタと迷いなく歩いて行くクールな人。
…おぉ〜……凄い落ち着きのある人だ…。
さすが雄英生…。
ぼーっと突っ立ていた私を不思議に思ってか、怪訝そうにその人は振り返る。
「…来ないの?」
『ご、ごめん、行きますッ!』
慌てて後を追いかけて付いて行くと "1ーC" と書かれた巨大な教室の扉が目に飛び込んできた。
『デカッ⁉ なんか規模が違うね…』
「あぁ。ここまでデカくする意味もなさそーだけど……入るか」
ーーガラッ
教室に入ると、他の生徒たちも数名程いて各々席に着いてたり早速仲良く話してる生徒もいた。
もちろん私は引っ越してきたばかりだから知り合いもいないわけで、大人しく自分の席に着く。
何気に窓際の席だ。
ラッキー!
内心ウキウキしてると、さっきの人が私の隣の席に着く。
『えっ!席も隣なんだ⁈』
「みたいだな」
『すごーい!何か運命感じるね!』
「…!」
こんなに偶然重なると最早奇跡だよ!
なんかありそうな気がしてくる…!
…何かはわかんないけど。
『…ん?どうしたの、驚いた顔して…』
「アンタ……結構ぐいぐい来るんだな」
『えっ?何が?』
「いや、何でもない………無自覚か」
『?』
何やら最後の方は聞こえなかったけど、
まぁ…気にしない方がいいのかな?
「ねぇねぇ知ってる⁉ ヒーロー科にめちゃくちゃカッコイイ人がいるの!」
「知ってる!推薦で来た人だよね⁈」
ふいに女子たちのそんな会話が耳に届いた。
「私見た瞬間一目惚れしちゃって…どうしよ。彼女いるのかな?」
「誰かにとられる前に告っちゃいなよ!」
おぉ〜…入学早々色恋沙汰の始まりかぁ。
アオハルだね〜。私には無縁の話だ…。
「みんなー。席に着けー。これからショートホームルーム始めるぞー」
教室の扉を開けて入ってきたのは、担任の先生らしく、軽い挨拶を済ませて淡々と入学式の説明を受けた。
「それじゃ今から入学式始まるから、廊下に並べー」
指示通りみんな教室を出ると、景色が良く見える大きなガラス窓の廊下に列を作る。
すると、窓の外を眺めていた生徒たちが指を差して声をあげた。
「おい、あれヒーロー科の生徒じゃね?」
「ホントだー。入学式出ないのか?」
私も釣られて窓の外を見ると、体操着を着たヒーロー科の人たちがグラウンドに集合していた。
…みんな何してるんだろ?
やっぱり、ヒーロー科はスタートからカリキュラム違うのかな………さすがだな。
視線を巡らせていると、見覚えのある髪色に目が止まった。
『…あれ?あの髪の人……』
「あぁ!あの人だよ!ヒーロー科推薦で入学した超カッコイイ人!」
『!』
「ホントだ!マジイケメンじゃん…」
先程の女子たちが黄色い声を発しながら窓に張り付くように熱視線を送っている。
ビックリした…。
ていうか、あの人やっぱり公園で見かけた人だよね⁉︎
雄英のヒーロー科だったんだ…!
しかも推薦入学ってことは、相当な実力者なんじゃ…。
「よし、今から入学式始まるからお前ら気を引き締めて行けよ。私語厳禁だぞ」
先生の掛け声により盛り上がってたその場は収まり、私たちは入学式を迎えるため体育館へと向かったーー。