第21話
お名前は?
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ーーそして迎えた、クリスマス当日。
「
パンッ!パンッ!とクラッカーの音に包まれながら、私と心操くんはクラスのみんなから盛大に祝福を受けていた。
「体育祭の頃から2人とも頑張ってたもんね!」
「まさか本当にヒーロー科編入するなんてなー⁉ けど、いつも2人頑張ってたし、努力が報われて俺たちも嬉しいよ!本当におめでとうっ!」
「今日は2人の祝福も含めたパーティーなんだから、遠慮せずじゃんじゃん食べてね!」
『みんな…っ、ありがとう!』
「…どうも」
まさか私たちのヒーロー科編入のお祝いも含めたサプライズにはビックリしたけど、みんな私たち以上に嬉しそうに喜んでくれる姿を見て、何だかコチラも幸せに包まれた……。
しばらくみんなと世間話をしながら時間が経つにつれ、私は少しづつこの後の事を考えてしまい、落ち着きが無くなっていた。
ソワソワしながらポケットに忍ばせている携帯を取り出し、ディスプレイに映る彼の連絡先に意を決してメッセージを打つ。
"今から、少しだけ会えないかな?"
そう簡潔なメッセージを打つだけで、手が震えてうまく打つのに時間がかかった。何度もメッセージを見直しながら、ようやく送信ボタンを押す。
ーー送っちゃった…!!
あとは、返信を待つだけ…!
あぁ~!心臓爆発しそう…っ!
バクバク高鳴る心臓を落ち着かせようと手で胸を押さえていると、突然背後から肩をポンっと叩かれて、大袈裟なくらいにビクリと体か跳ね上がった。
「あ、ごめん!驚かせちゃった?」
『……あ、だっ、大丈夫…!』
声をかけて来てくれたのは、クラスの中でもムードメーカー的な男女の2人だった。自分とは正反対な人達に声を掛けられ、少しドギマギしてしまう。
「せっかくだし、苗字さんと心操で一緒に写真撮ろうよ!」
『ーー!、もちろん!』
私は快く承諾するも、2人はキョロキョロと辺りを見渡し首を
「あれぇ~…?心操はー?」
「さっきまで居たと思ったけど……トイレにでも行ってんじゃね?」
言われてから気付いた。
そういえばさっきまで一緒にご飯食べてたのに……。
携帯に気を取られて、いなくなったの気付かなかったや。
「まぁ、いっか。後でも写真は撮れるしね。心操戻って来たら一緒に撮ろう!」
『うん。いいよ』
「つーか苗字さん、ヒーロー科編入マジでおめでとっ!けど、今まで一緒のクラスだったのに、2年から離れるの……やっぱちょっと寂しいよな」
「ヒーロー科に行っても、私たちの事忘れないでね?」
『そんな、忘れないよっ!』
「あぁ~…でもC組唯一の "モテ男" がいなくなるのは、俺たちにチャンスが回って来る可能性増すかも…⁉」
「調子乗んなっ。アンタと心操じゃレベルが違うから」
『………えっ?』
聞き逃せない言葉に、私はもう一度2人に詳しく尋ねる。
『……"モテ男" って……心操くんが?』
「そうだよ?苗字さん知らなかったの?」
「アイツ、実は結構人気だよ?何人か他のクラスの女子に告られてんの見た事あるヤツいるらしいし」
『えぇっ⁉ し、知らなかった…』
意外な事実に驚きを隠せない。
心操くんからも今までそんな話を聞かされた事がなかった。
……まぁ、心操くんはそう言う事は言わなそうなタイプだから知らないのも当然なのかもしれないけど。
確かに心操くん、顔カッコイイもんね。
ちょっと意地悪な部分はあるけど……クールだし、頭も良いし、目標のためにストイックに頑張るところとか、尊敬出来る部分はたくさん持ってる。
そりゃモテてもおかしくはない、か…。
「けど、みんなフラれてんだよね?……実は陰で付き合ってる子とかいんじゃないのー?」
『ーー!!』
「いや、それがマジでいないらしい」
「何でアンタが知ってんのよー?」
「だって本人に直接聞いたから。そしたらさ、 "別に…。興味ない" って言っちゃうんだぜ⁉ 俺もそんな風に言ってみてェ~よ!羨ましいっつーの!!」
「まぁ、心操も大事な時期だったんだし、そんな事にかまけてる暇なかったんじゃない?」
笑い合う2人を呆然と眺めながら、私はどことなく心に引っかかる思いでいた。
そうこうしていると、握っていた携帯に振動が伝わり、慌てて画面に視線をやる。
そこには、"俺も話したい事がある。今からそっちに行く" とメッセージが届いていた。
瞬間、一気に体の熱が上昇する。
ーー轟くんも、私に話したいことがあるの…⁉
まだ内容なんて分からないのに、私の中では勝手に都合の良い妄想へと進んで行く。私はすぐに準備に取り掛かろうと、2人に軽く頭を下げた。
『ごめんね…っ!写真、後でもいいかな⁉ ちょっと用事が出来たから、席外すね!』
「…あ、うん。また後でね!」
「いってらっしゃ~い…」
一方的に切り上げてしまったので、2人には少し不審がられたかもしれない。けど、今はそんな事どうでもいいと思えるくらいに気持ちが舞い上がっていた。
ようやく…伝えられる。
やっと轟くんに言えるんだ。
早く会いたくて、でも少しだけ緊張で震えて……。
でも、ずっとこの日を待ち焦がれていた。
『……よし、』
深く息を吸い込んで自分に気合を入れる。
私は準備しておいた大事なプレゼントを胸に抱きかかえながら、気持ちが